「ジョン・ウィック」シリーズ3作目「ジョン・ウィック:パラベラム」。この一週間で前2作を履修し、満を持して劇場で最新作観てまいりました。冒頭のとても親切な「これまでのジョン・ウィック」、今のわたしには不要だった(笑)
あらすじ
前回までにいろいろあってコンチネンタルを追放されることになったジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)。一時間だけ待ってやる、と情けをもらい懸命に逃げるジョンだったがあっという間に時計は一周し、ニューヨーク中の賞金取りが彼を狙って動き出す。
いきなりクライマックス
めっちゃクリフハンガーだった前作ラストから直接繋がってるので、最初のドンチャン騒ぎがもはやご挨拶代わりではなくクライマックス。予告にあった馬のシーンとか早々に出てきちゃう(笑) 超楽しいけどこの先持つんかい。
前作同様に今作も、えっそこで切るの、せっかく気分高まったのに、って感じのむしろ消化不良になるような終わり方だったんですけど(ただし前回は消化不良にはなっていない)、これを続けてるとクライマックスの前借りというか、尻すぼみになりやすくなっちゃうのでは…。
先に不満点みたいなのを言っておくと、今回はお話のスケールが大きくなりすぎてそこがやや好みじゃなかったです。過去の後出し(今作だとアンジェリカ・ヒューストンのくだりなど)みたいなのがあんまり多いと、うーんってなります。
新キャラも妙に多くて分かりづらかったなと。内輪の敵に外部の敵、誰それ、誰それ、みたいなのが続いてちょっと冷めてきちゃうのでありました。バランスって難しい。
あと、3部作じゃなかったんですね。そもそも続くんかい!って。まあ「チャプター」制だし(今作も原題にはChapter3と付いてる)いくらでも続けられそうですけどね。なんせまだ劇中の時間、一週間ちょいしか経ってないはず。遅っ。ことあるごとに想い出の品を愛でるジョンに、いつまでもおセンチだなあと度々思ってたけど、そらまだおセンチなはずだわ。
どうしても新作は後追いより期待値が高まっちゃうので、不満多めでした。これで不満はおしまい!
箇条書き雑感
銃器マニア目配せ用の分解組立シーン、意味わかんないなりに格好良くて痺れたけど、一発撃って終わりはコスパ悪すぎないか。あと、逃げ場所としてあの部屋を選んだのリスク高すぎないか。
馬で蹴らせるの、文字どおり足蹴にしてる感がすごくて超好き。あのへんの一連のアクション全部好き。
アクション映画(要素)って本来そこまで興味ないのだけど、「ジョン・ウィック」シリーズのアクションはわりと心から楽しめる。工夫なんだろうなあ。
にんじゃりばんばんのシーン、あまりにもブレードランナーだったのでトンチキJAPANへの失望感など吹き飛んで痛快だった。あのハゲ大将、雑魚じゃなかったのが意外。寿司屋が雑魚じゃいかんということか。
「にんじゃりばんばん」の英題は「NINJA RE BANG BANG」だという知見を得た。
裁定人の部下たちとのバトル、「敵は青い光」っていうスターウォーズ的な分かりやすさが工夫されているなと思った。裁定人はマッドマックスっぽかった。
「聖域解除」のチート感はかなり要審議案件だった。
グランドセントラル駅での殺し合いに対してあまりにニューヨーク市民が無関心だったので、もはや裏社会ではない説、むしろ全て妄想説、有力になってきた。
「ジョーカー」からの本作で完全に理解したこと、ニューヨークは危ない。
ゲームオブスローンズの愛されおじさんことブロン(ジェローム・フリン)が雑魚だったので悲しい。GOTチームでいい役もらってる人を見たことがない。ジョン・リード*1しかり、ジョン・リード*2しかり(あれはあれで「いい役」ではあるが)。
ブロンの流れで金の溶けたやつが出てきたので、てっきりリアルフィット王冠にされるのかと思った。「なんだ、よかった」。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」しかり、今年は犬の暴力映画が多い。犬をなめてはいけない。犬になめられるジョン・ウィックは可愛い。
立川シネマシティの極爆で観たのだけど、ホテル内の銃撃バトルシーンで最終兵器に持ち替えた時の音圧が凄まじかった。腹にきた。最前列中央に座ってた人、死んだのでは。おすすめです。
立川シネマシティで鑑賞する際、ジョンが劇中でやたら「ジョナサン」呼びされるため自然と隣接のジョナサンに行きたくなってしまう。行きました。
後出しNY聖地巡り
書くほどでもない超有名な場所が多かったですが、前回やったので今回も一応やっておきましょう。差分のみ。
タイムズスクエア
言わずもがな、でも出てくるとやっぱり嬉しいニューヨークいちの観光スポット。チケット販売所「tkts」の赤階段をバックにジョンがキョロキョロしてましたね。有名な眺めであるサイネージの嵐は、あの階段に登ると1枚目みたいな感じで撮れます。
ニューヨーク公共図書館
タイムアウト5分前くらいにジョンが訪れ、気の短い大男に殺されそうになった図書館(シーッ!)。劇中に登場した美しいリーディングルームにはこのとき入れておらず残念。
グランドセントラル駅
やはりジョンが殺されそうになった(ていうか全部そう)駅。劇中ではベンチが置いてあったけど実際はないですね。いま挙げたこのあたりは全て徒歩圏内です。駅といえば前回登場したワールド・トレード・センター駅が今回は空撮で登場! 映画であんな撮られ方をするのはもしかして初めてじゃないかしら。
馬
番外編。なんでいきなり馬が、と序盤のシーンで思った人もいるかもしれませんが、マンハッタンめっちゃ普通に馬車いるのでその馬だと思われます。
見えにくいけど2枚目、トラックと並走する馬車。
そんな感じで、前回分と合わせてジョン・ウィックNY聖地巡り、ぜひどうぞ。頑張れば一日でまわれます。
さて、すごいムカついてるとこで終わったパラベラム。チャプター4はいつでしょうね…。すごいムカついてるうちに観たいんですが。
(2019年114本目/劇場鑑賞)