NY旅行記29本目。この記事の続きです。
いつまで続くんだと思われそうな3日目。むしろ「予定」はこれからなのですが、大丈夫、丸数字のある⑩までに終わるよう計算しております。フラグではない。
トップ・オブ・ザ・ロック
今日はここまでノープランで動いてきたが、ここからは予約済みの予定が2つ立て続けにある。最初の目的地は「トップ・オブ・ザ・ロック」。指定の15時20分までに辿り着かねばならないが、既に15時は回っているので超タイトだ。フラットアイアンビル最寄りの駅から地下鉄に飛び乗る。
旅メモ: チケットの手配については NY旅行記【準備編② 観劇&観光の手配】 - 353log に詳しく書いてあります。
「トップ・オブ・ザ・ロック」とは、ロックフェラーセンター(正確には「ロックフェラーセンター」エリアにある「GEビル」)の展望台のこと。エンパイアと並ぶマンハッタン中心部の展望台ツートップなのだが、わたしは旅程を考える段になって初めて知った。
タイムアウト5分前くらいに最寄駅へ到着し、急いで入り口を探す。ロックフェラーセンターまわりは非常に混んでいてうまく進めず、少々焦る。それっぽい入口があったので係員さんにバウチャーを見せて「OK?」と訊いた。OKらしかったので入った。セキュリティチェックなどもあったはずだが何故かそこは記憶にない。
写真で上に写っている「高層部分で鉄骨に座って弁当を食べる作業員たち」の写真が有名らしく、最初にその合成写真を撮らされるゾーンがある(なおエンパイアにも強制記念撮影ゾーンがある。意外に日本と変わらない)。同窓会かな?と思わしき年配の大人数グループがめちゃくちゃ楽しそうにここで写真を撮っていたのが印象的だ。ひとりでどうしたものかなと思ったが運良く撮影スルーのルートに変更された。後ろが詰まっていたのかも。
エンパイアと同じくディズニー的な楽しいエレベーターで一気に260mの屋上まで上がる。ここの展望台はエンパイアより少し低いのだが、柵ではなく強化ガラスが使われているので視界がオープンという強みを持っている。それから強みがもうひとつ。それは…
エンパイアを真正面に拝めることだ。逆に言うと、エンパイア最大の弱みは「エンパイア入りのマンハッタンを見れない」ことである。当然だけれど、でも「ニューヨークいちのランドマークが見れない展望台」というのは結構なウイークポイントと言えよう。そんなわけでここトップオブザロックはツートップの座を譲らないのだった。
余談だが、今回「自由の女神」はプランに入れていなかった。というのも単純に興味がなかったからであるが(フランス製だし)、どこかから遠目に見れたらいいなくらいの邪な考えは抱いていた。が、結局まったく見ることはなく帰ってきた。見るチャンスはあっただろうけど完全に忘れていたのである。それだけ本当に興味がなかったということだから悔いはない。
…のだけど、写真を見返していて気付いた。自由の女神、視界とフレームに入っていた。一枚目の写真右奥に彼女がいる。ちょっと得した気分になった。余談おわり。
こんなに高いのに普段まったく注目されることのないビル群をまじまじと見てみるのもおもしろい。
今回トップオブザロックに来たかった一番の理由は「セントラルパークの断面を見たい」というものだった。セントラルパークに沿って建物が立ち並ぶことにより、壁のような独特の「都市の断面」ができる。映画などでよく見る景色だが、これがセントラルパークによるものだと知ったのは結構後になってからだった。
映画「ローズ(1979)」を観ていたとき、この断面が出てきた。これまで何度も見ている光景だったのに、なぜかその瞬間「ニューヨークへ行きたい」と強く思った。わたしを大きく動かした映画のひとつだ。
ただ正直、今回それが見れたとは言いがたい。アングル的に、ここから撮るものではない気がした。おそらくもっとパーク寄りの建物から撮るべきなのだ(単純に望遠が足りていないとも言える)。それと、やはり青々とした夏場のほうがイメージ通りの景色になりそうだ。いつかリベンジしたい。撮りたかった絵ではないけれど、一応申し訳程度に貼っておく。
トップオブザロックは夕景スポットとしても人気が高いのだが、この日は曇り(幸いにも雨はまだ持ちこたえていた)だったので夕陽に染まるマンハッタンを見ることは叶わず。しかし曇りは曇りなりに、蒼く淡く暮れていくマンハッタンを見ることができてとても感動した。
夜景になる一歩手前「夕景」のマンハッタンは、目を離せない美しさだった。土曜日でオフィスビルの光はかなり少ないけれど、それもまた独特の透明感を出してくれているように思った。
ここからの眺めはエンパイアもさることながら、その奥に盛り上がったマンハッタン最南端のビル群がまた絶品だ。ワンワールドトレードセンタービルはすっかり雲に隠れてしまっているから、今頃あっちの展望台は真っ白かもしれない。
タイムズスクエアのあたり。ボール・ドロップのボールがよく見える。同じような球体と時計が印象的な右側の建物はパラマウントのビル。下にはハードロックカフェが入っている。
ガラス張りの展望エリアからもうひとつ上に上がることができる。そこにはガラスも柵もなく、より開放的にマンハッタンをのぞめる。
まだ明るい時間に来て、夕景になり、徐々に夜景へと切り替わっていく。さすがに疲労感が強まってきたので建物内にて休憩がてら、明日の飛行機のオンラインチェックインを済ませた。そう、24時間切ってしまったのだ。ただでさえ疲れているところにナーバスな気持ちが加わり、この旅いちばんテンションの下がる瞬間だった。帰りたくない。まったく帰りたくない。
さっきより少し夜景に近付いた。光るアンテナの先端が雲に突き刺さっている。曇天ならではの絶景だ。
低層な部分もまた美しい。海岸線のある夜景はよい。自由の女神もライトアップされているのが(今なら)わかる。そしてほどなくしてすっかり夜景になった。
率直な感想を言うと、夜景としてのインパクトはエンパイアからのものには負けるかもしれない。夜景はエンパイア、夕景まではトップオブザロックだな、と思った。ここもまたいつか必ず、晴れた日の夕景にリベンジしよう。時間指定チケットなのが少々ギャンブルだけれど。
ニューヨーク最後の夜景を何度も何度もじっくりと目に焼き付けて、名残惜しくトップオブザロックを降りた。
夜のロックフェラーセンター
クリスマスのロックフェラーセンター名物、巨大ツリーとスケートリンク。


これは「ホーム・アローン2」のラストシーンでケビンが見上げるツリーだ。数日前にTwitterで調べたときはまだやぐらに囲まれていた。この何日かでお目見えとなったらしい。点灯式は来週とのことでまだ地味な佇まいだが、それでも見れて嬉しい。
異様に細長くそびえているのは、さっきまでいたトップオブザロックのあるGEビル。
これだけ見るととんでもないランドマークのように思えるが、奥行きのあるビルなので遠目に見るとじつはすごく地味である。真正面のエンパイアから見ていてもどこにあるのか分からなかったほどだ。


ふもとに並んだ守護天使的な像?も「ホーム・アローン2」の頃から変わらない。人が多くて、撮りたいアングルを狙うのは至難の技だ。諦めた。
向かいの百貨店の壁には巨大なイルミネーションが施されていて、「ショウほど素敵な商売はない」に合わせた光のショウが繰り返し行われていた。このあたりの感想を簡単に言うなら「ハッピーが過ぎる!」。街中がディズニーランド状態なのだ。こんなにハッピーな、ホリデームードに満ちた街というのを体験したことがなかった。暴力的なまでにハッピーだ。
「ショウほど〜」はよく知っている曲ではあったがこれまであまりピンときたことはなかった。しかしここで聴くそれは純度100%のハッピーでしかなかったし、あれは日本で聴く音楽じゃないんだ、こういうところで聴くものなんだと全身で理解した。
この、マンハッタンいち人混みに揉まれるロックフェラーで浴びせられた「ハッピーとホリデーとクリスマスのなんかものすごいやつ」をわたしは一生忘れないと思う。ニューヨークに来れてよかった。世界は広い。
夜のラジオシティ
もはや説明する気が失せた。写真だけ貼っておく。
こんなものを見せられて、明日帰れと? あまりにも酷だ。
もはや半泣きの気持ちで次の予定まで時間を潰す。次回、最後のタイムズスクエア参拝。
旅メモ: この記事での行動範囲
今回はフラットアイアンからの移動以外は実質移動なしでした。