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主に映画のあらすじと(まとまりのない)感想文

レディ・プレイヤー1(2018)

映画『レディ・プレイヤー1』オフィシャルサイト

なんか4月はすごいですね。ジュマンジから始まりパシリム、本作、そしてアベンジャーズ。毎週金曜日は必ず映画館へ足を運ぶようになってしまいました。金曜礼拝と呼んでいます。というわけで、アーネスト・クライン原作/スティーヴン・スピルバーグ監督「レディ・プレイヤー1」公開日に鑑賞してまいりました。大いにネタバレ含みますが、こういうエンタメ作品にしては珍しく?ネタバレ遮断での鑑賞をおすすめします!

あらすじ

スピルバーグ、すげーーーー!!!

壮大なネタバレですね。

とにかく! これはすごい! 新聞の一面に掲載されるべきだしなんなら4月20日を祝日にすべき!くらいに思いました。「レディ・プレイヤー1」、すごい映画です。スティーヴン・スピルバーグ、すごい映画監督です!

ちょっともう、ただ興奮したことを書き連ねていこうと思います。

幕が開けたらJUMP!

予告編等で散々聴いてきたヴァン・ヘイレン「JUMP」でいきなりフルスロットルのオープニング! 時は2045年、トレーラーハウスを高く積み上げた「集合住宅」のシーンからアドレナリンは全開。なんだこの男心くすぐるディストピア感は! 早速イースター・エッグを探し始めるもカメラが動き回るせいでよく見えない!字幕を読む暇がない!吹き替えにすればよかった…! クッ、早まるな!まだ開始1分だ!

主人公ウェイドがゴーグルを装着し、早速VR空間「オアシス」のチュートリアルへ。どんどん切り替わるVR世界。わくわくが止まらない!スクリーンからの飛散物も止まらない!3Dにすればよかった!2回目は絶対に吹き替え3Dで観るわ! オアシスでのシーンはリアリティ低めのCGアバターで進んでいくため、「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」と同じく吹き替え特有の違和感は少ないと思われますね。ていうか半分CGアニメ作品だったんですね! まずそこが予想外。考えてみりゃ、そうなるんでしょうけど。

さてここで一応、あらすじとしてはこうです。

全世界を魅了するVRワールド「オアシス」の創設者ハリデー。彼は早くに世を去るのだが、その際ユーザーに向けてとある大きな「ゲーム」を遺していった。それはオアシス内に隠されたイースター・エッグこと「3つの鍵」を探し出すというもの。3つの鍵を揃えたユーザーには莫大な資産とオアシスの管理権がハリデーより与えられる。

さあ、ゲームスタートだ!

本作では「鍵」ごとに大きく分けて3つのステージが用意されています。

出でよ、デロリアン

最初のステージは、単純明快カーレース。ということはそう、皆さんお待ちかねのデロリアン(fromバック・トゥ・ザ・フューチャー。以降BTTF)が早速の登場です! スタート位置にキーを投げると、内部から組み上がってくるデロリアン! 最高かよ!!! 早くも顔はニヤけっぱなし。並走するのはこちらも予告でお馴染み「金田のバイク(ハローキティデカール付き)」に乗る本作ヒロイン、サマンサ。「ベイビー・ドライバー」も顔負けな爆走爆走超爆走のレースシーンは、ここまでがオープニング・シークエンスと言って良いでしょう。Tレックスキングコングに潰されかけながらデッドヒートするデロリアンと金田のバイク、期待した通りの「最高」を魅せてくれます。「AKIRA」見たことないけど!

本作のデロリアンにおける個人的最大萌えポイントは、トレーラーかなんかに轢かれそうになったときにタイヤを飛行モードにしてスレスレのスライディングしていくところですね! 飛行モードで飛ばない!車高下げるのに使うだけ!っていうね! あと、マリオカートでお馴染みの「コイン集め」も楽しい! デロリアンガルウィングを開けてコインをがっぽがっぽ招き入れるウェイド。見てるだけでも気持ちいいもんです。

BTTFの「スポーツ年鑑」を思わせる「ハリデー年鑑」にてヒント探しをした結果、「逆走」がクリア方法だとウェイドが気付きます。血気溢れるスタート地点でひとりタイヤを唸らせバックしていくデロリアン。カーチェイスでの逆走もやはり、王道のBTTF感! そしてレースコースのイースター・エッグである下層部に入り込み、リフトアップされるTレックスや暴れるキングコングを安全圏で見上げながらサクッとゴール、枯葉舞う環状の交差点=ラウンドアバウトでスピンしたのち「ファンタジア」的な楽器たちにファンファーレで祝われ、ジェダイアバターのハリデーから「おめでとう、パダワン」と「第1の鍵」を手渡される。勝者の名が出る順位表はよく見るとデロリアンのインターフェース風デザイン! ……っは〜〜、楽しすぎでしょ!

ここだけでまだまだ要素あるけどサクッといこ…。ウェイドが1回だけ「マクフライくん」って呼ばれるのもよかったな…。

まさかのシャイニング!

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「第2の鍵」争奪の舞台となるのは、なななんと、スタンリー・キューブリック監督作品「シャイニング」の世界! これがとにかくちょーーーすごい!! スワイプした「シャイニング」のジャケットをタップして映画館へ飛び込むやすぐ眼下に広がる「あのロビー」、思わず「うふおおおお…」と声が出てしまいましたよ…。前のめりでの鑑賞はマナー違反だけど多分少し前のめりになってたと思う…。というかむしろこの映画は応援上映ならぬ「前のめり上映」やってほしい。全員前のめりで「ふおお…」って観る映画でしょこれ!

無人のタイプライターが鍵のアスキーアートを打ち続けるなか、「シャイニングの恐怖」を1Pで味わう羽目になるのはよりによってホラーが苦手な仲間ヘレン。そこからはもう、皆様ご存知の通り、ご期待に違わぬ、ですよ! 角を曲がれば双子が現れ、エレベーターの前に立ちすくんでいたら血の濁流に襲われ(他の仲間たちおよび観客の我々は「シャイニング」を観てるから「そこはダメーーー!!!」ってなるのが最高!)、237号室に入ってしまえば勿論そういう。「共通言語としての映画」をこれでもかと認識させられる瞬間でした。全世界でこの興奮を味わえるんすよ。映画ってすごい!

公開直前に読んだスピルバーグのインタビュー記事でご本人がさらっと「シャイニングの世界に入るんだ」みたいなことを言っていて、あら、これ結構なネタバレじゃないの?と思いつつ期待値上げて楽しみにしてたんですけど、期待の遥か上でした。こんなにしっかり「入る」なんて! こんなに楽しい映画体験ができるなんて…! 「シャイニング」観ててよかったー!

そういえば先日アニメ「ポプテピピック」でも「シャイニング回」があって、なんだよ流行ってんのかよって感じなんですが、本作と共通するのは「お客様シーンをやらない」ことですね。あそこはなんか手を出しちゃいけない領域なんでしょうかね(笑) その代わり迷路でがっつり斧振られてましたけど。こえーこえー。

結局ここでは、館内のダンスホールでサマンサがある人物をエスコートすることにより鍵をゲットするのでした。…ダンスで思い出したんですけど! 「シャイニング入り」するちょっと前だったかな? ウェイドが「ゼメキスのキューブ」っていうアイテムを使うシーンがあるんですよ! どんなアイテムだろう?と思ってたらBTTFのテーマが流れてきて「時間を1分巻き戻せる」んですよ! なおこれ大事なこととして本作の音楽はBTTFと同じくアラン・シルベストリでして、セルフパロディがとにかくニクい! BTTFにおいて音楽がいかに大きな演出効果をもたらしていたかということを再認識できるシーンが、このあともちょいちょい登場します。

スピルバーグサマーウォーズを作ったら

全体通して細田守監督の名作「サマーウォーズ」のスピルバーグ版って感じだなーと思っていたのですが、第3ステージではさらに「サマーウォーズ感」が増します。オアシスがクラッキングされ絶望感が漂うなか、ウェイドがユーザーに向けてスピーチをするシーン。少し間を置いて全世界のユーザーが地響き立てて集結するシーン。あったあった!こんなんあった! そんでもって頼みの綱であるウェイドの「プレイ」にユーザーたちが唾を飲み、鍵が刺さらない、刺さらない、刺さってくれ、ッよろしくお願いしまああああああす!!!!!(enter!)

と書いたものの、細田監督は宮崎駿ほどのビッグネームではないと思うので影響のほどは不明。1983年の「ウォー・ゲーム」という映画が元ネタになっているそうで(すみません未見です。早速借りてきたので観ます→観ました)もしかするとそちらのほうが大きいのかもしれません。ただ、仮想現実の世界観はじめ、おそらく「ウォー・ゲーム」よりも現代ナイズされているであろう(推測に推測を重ねる…笑)「サマーウォーズ」の影響は少なからずある…と日本人的には信じたい!


うっかり書き忘れそうになりました。この第3ステージ、これまた日本人的に、今度は確実に、超誇らしい展開がスクリーンに映し出されます。まず、いいですか、敵キャラがメカゴジラ!(アラン・シルベストリによる「ゴジラのテーマ」変奏付き) そして森崎ウィン演じる日本人の仲間トシロウがこう叫びます「俺はガンダムで行く!」はいガンダム! このシーンを目の当たりにしたときわたしゃ「なんて時代だ…」と思いました。スピルバーグが??2018年に公開した新作映画で??メカゴジラガンダムが闘ってる???? はい意味わからない!

わたしゴジラガンダムもさほど思い入れないほうなんですが(シンゴジラとターンAなら思い入れがある異端)、泣く子も黙るスピルバーグがこんな映画を撮ってくれたのって、めちゃくちゃすごくないですか。めちゃくちゃすごいと思うんですけど。

ちなみに原作ではアイアンジャイアントウルトラマンだったらしいのでもしそこが実現していたら大変なことに…。円谷プロなんで断ってんの…と地団駄踏みつつも、アイアンジャイアントでよかったと思います。バランス感覚というか。オール国産アベンジャーズだとスケール小さく感じちゃうし。ていうか本作アベンジャーズよりよっぽどアベンジャーズじゃないですか来週のアベンジャーズ霞みませんか大丈夫ですか。

そんなわけで鍵を3つ集め、ラストへ向かっていきます。ここでじつは劇中2回目となるワード「バラのつぼみ」が再登場。オーソン・ウェルズ監督の超代表作「市民ケーン」からのネタです。この映画「新聞王だったケーンという人物が死に際に遺した『バラのつぼみ』という不可解なワードの意味を探る」っていう物語でして、ざっくり本作と似たような筋でもあります。あとね、最後にあの人が「ソリ」で来るしね!(これは今気付いて興奮しているところです)

市民ケーン [Blu-ray]

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このように知ったかぶりできますし、謎のワードにモヤッとしないで済みますし、とりあえず名高い名作なので観ておいて損はありません。「市民ケーン」の事前視聴、おすすめしておきます。「しちょう」で思い出しましたがガレージに市長選のポスター(from BTTF)貼ってあるのアツくない???

わりとあからさまにネットモラル教材

本作おもしろいなと思ったのは、なにかとネットモラルやSNS時代の注意事項を教えてくれる作りになってたことですね(笑)

  • ネット上で個人情報をむやみに明かさない
  • パスワードは付箋に書いて貼らない
  • 課金のしすぎに注意
  • アバターに恋しない
  • 女だと思ってたら男かも(逆も然り)
  • 大人だと思ってたら子供かも(逆も然り)

ぜひお子様とご覧ください。パスワードの件は年上の方にも教えてあげてください。

スクリーンの前の君へ

未知との遭遇」で思いっきり現実逃避を許したスピルバーグが、時を経て本作では「現実逃避しながらでいいけどさ、現実もちゃんと生きな、ね!」というメッセージで幕をおろします。映画館へ現実逃避しにきた観客をある意味突き放すようなラストです。この日わたしはまさに現実逃避の極みみたいなメンタルで「金曜礼拝」に行っていたので、目の前が一瞬真っ暗になりました。思いもしなかった「衝撃のラスト」と言えましょう。

バックボーンの薄い監督にこれをやられてしまうとムッときたのかなと思いますが、なにせ現実逃避の極みみたいなスピルバーグ大先生に言われるとですね、ガツンとはくるものの前向きな気持ちで椅子から立ち上がることができました。じつに健全な映画だと思います。


以上、初回鑑賞で興奮冷めやらぬ書き殴り感想文でした。知識欲を満たしてくれるパンフの熟読と、ついでに「アイアン・ジャイアント」の鑑賞をしてから、吹き替え3Dで再鑑賞してくる予定です。…もしもここまで読んでくださってまだ本作未見の方がおられましたら、悪いことは言いませんのでぜひ「シャイニング」だけは観た状態(時間がなければorホラー怖ければ予告編だけでもOK)でご鑑賞いただけると何倍も楽しめます。この場を借りて、かつてわたしに「シャイニング」の鑑賞をすすめてくれた知人に感謝いたします。

(2018年78本目 劇場鑑賞)