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主に映画のあらすじと(まとまりのない)感想文

ROOM237(2012)

ROOM237 DVD

ROOM237 DVD

ジャケットかっこいい〜!

あらすじ、っていうか概要

スタンリー・キューブリック監督の名作「シャイニング」に取り憑かれた人々が、「ホテルの間取り」から「アポロ計画の陰謀」まで好き勝手な考察を展開するドキュメント風ファンムービー。実際の映像をふんだんに使いつつも「無許可」な、キワドい作品。

ポプテピピック」「レディ・プレイヤー1」への連続登場により世間のサブカルクソ野郎どものなかでは最近ホットワードになっているかと思われる「シャイニング」。先日TSUTAYAへ行ったら6本くらい用意された在庫が全部ありました。世間ってのはそんなもんか!!(悲しみ)

ROOM237

このタイトルにピンとこない方はまず手に取らないであろう作品ですが、一応解説すると「シャイニング」に出てくる「特別な部屋」の番号です。要は女の人が出てくる部屋です。なおMr.335ことラリー・カールトンの名曲「Room 335」とは関係ありません。

Room 335 (Long Version)

Room 335 (Long Version)

353ことわたくしは、ラリー・カールトン氏のサイン会で御本人から「353はだめだ、335にしなさい」と改名を迫られたことがあります(自慢)。超脱線。

DVDのジャケットになっているカラフルな模様は、その部屋があるホテルのカーペットの柄。このカーペットいいですよね。部屋に敷きたいです。夢見が悪くなりそうだけど。なお同柄のマットがAmazonに存在しているも品切れな様子。

正統派から過激派まで

「この映画の中身はキューブリック関係者から承認も是認もされてないし提携もしてないよ〜何もかも好き勝手に言ってるからごめんね〜」という旨の注意書きが、目に焼き付けろと言わんばかりに冒頭20秒くらい映されます。そしていきなりトム・クルーズ登場。「アイズ・ワイド・シャット」の映像をコラージュして、トム・クルーズが「シャイニング」のポスターを見てる風なところから始まります。なかなかイカす。のと同時に「そんくらいのやりたい放題ね、OK」と理解させられるシーンです。

シーンとは言ったものの、これはいわゆる「映画」ではないです。フェイクドキュメンタリーとも言えないし、なんなんだろう、憶測と仮定だけで構成されたドキュメント風味の作品なんですけども。遺作「アイズ〜」を筆頭にキューブリックのどうやら全作品が映像で登場しているようですし、毛色もコンセプトも全然違いますがMGMミュージカル作品の歴史を当事者たちが案内してくれる「ザッツ・エンタテインメント」シリーズを連想しました。


そんな本作、何人もの「こじらせ」たちが次々と持論を披露してくれます。ホテルの間取りや、少年が三輪車で走り回るルートを分析したような純粋に面白いものもあれば、「アメリカ先住民の虐殺」「ホロコースト」などのヘヴィな考察、しいては「アポロ月面着陸映像の捏造にキューブリックが関わったことの暗示」といったもはや都市伝説レベルのものまで多様です。スローモーション、クローズアップは常套手段、「再生と逆再生を同時に重ねた映像」なんてのまで見せてくれます。

期待していた「考察」はどちらかというと「間取り」みたいな方向性のほうだったんですが、都市伝説レベルの過激な考察もおもしろいのは確か。ギリギリなラインだと、「タイプライター」と「ホロコースト」の関係性、「黄色いワーゲン」と「赤いワーゲン」の対比、あたりがシンプルに楽しめました。意外と、どれも「本当かも…」なんて思っちゃいます。なんせキューブリックですしね(で全て腑に落ちる便利な監督)。

シャイニング [Blu-ray]

シャイニング [Blu-ray]

というわけで、もちろん「シャイニング」未見の方はまず本家を鑑賞してくださいませ。正面から見るとキューブリックにしては分かりやすいただのホラー作品にも思えますが、ではそれを上や横や裏から見たらどうなっているのか、それは本作をご覧ください。ただし信じるかどうかはあなた次第。です(笑)

たった1本の作品でこんな考察映画を作ってもらえるキューブリック、さすがであります。

(2018年92本目)