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主に映画の感想文を書いています

JAWS/ジョーズ(1975)

f:id:threefivethree:20190421194151p:plain午前十時の映画祭10-FINAL」にて鑑賞。オープニング作品「未知との遭遇」に続いてのスピルバーグ特集で、本作と「E.T.」が現在上映されています。

サメ映画には縁遠かったわたし。この「ジョーズ」、恥ずかしながら全くの未見なのでした。こんな機会でもないとスピルバーグ作品とはいえあまり積極的には観なかったのではないかと思われるので、ありがたいところです。人生初のジョーズを映画館で、それも立川シネマシティの極爆で観れるなんて超幸せ者じゃあないですか。

あらすじ

ある初夏、海辺の町アミティで人喰いザメと思われる被害が確認された。ニューヨークから異動してきた警察署長ブロディは海水浴場の封鎖を指示するが、市長はじめ町の人々から猛反対を受ける。アミティは夏場の海水浴客を大きな収入源としており、その封鎖は住民にとって死活問題だったのだ。

結局、ブロディや海洋学フーパーの忠告を無視して海開きは決行された。しかしその日のうちに紛れもない人喰いザメの被害が発生したことから、市長は認識を改め、ブロディとフーパー、曲者なベテラン漁師クイントにサメの捕獲を依頼する。

ただのパニック映画じゃなかったごめんなさい

人喰いサメが出ようとも風評被害を恐れてそのまま海開きしようとする町の人たち、よそ者扱いされてしまうニューヨーク出身の警察署長、昔気質な漁師vsハイテク学者のバチバチ火花。ただのパニック映画だと思っていたので、思ってたジョーズとだいぶ違う人間ドラマっぷりに驚きました。

もちろん「思ってたジョーズ」もちゃんとあって、しっかり怖いです。スピルバーグのホラーは予想しやすいのにまんまとびっくりさせられちゃって悔しいです。2回くらい飛び上がってしまった…。

印象的だったのは、各所で効いていた「見せない」演出。例えば、とても直視できないのであろう第一被害者の見せ方。浜に打ち上がった遺体の「オーケー、画面に映せない感じなのはよくわかった」なあの感じ。遺体保管所で明らかにサイズ感のおかしいトレーに入って出てくるあの感じ。遺体の状況を記録がてらの言葉で想像させられるあの感じ。

主犯のサメも長いこと姿を現さないものの、ジョン・ウィリアムズによる有名な「ジョーズのテーマ」という「音」だけで(来た……)と思わせる演出の巧さ。もしかしたら「未知との遭遇」における地響きのような周波数と同じく、この(来た……)感は映画館じゃないと味わいにくいかもしれません。

死亡フラグは外れたのに…

後半で舞台は大海原へ移り、警察署長と海洋学者とベテラン漁師の凸凹コンビが誕生します。このベテラン漁師クイント、最初は確実に死亡フラグビンビン、絶対こいつ死ぬやつですよっていう感じだったのが、いつしかお互いを認め合い、いい感じになっていくわけです。これはフラグ外れたな、と思ったわけです。途中からめっちゃかっこよかったもの。戦闘モードに入るところの描き方とかフェチが凄すぎでしょ。

ところがどっこい残念な結果になりまして、おまけにきっとあれブロディに爆破されました??? えぐ、エグい…。いくらヒロシマへの原爆運んだ過去があったからって、黒板キィィしたからって、とほほ。なんとなくあの3人で帰ってきてほしかったのでそこは若干残念でございました。

どメジャーな大作こそスクリーンで

日曜の朝に行きましたが、立川シネマシティは入場列ができるほどの大入り。Tシャツやキャップなどジョーズグッズを身につけた人をちらほら見かけて、コアな人気を実感。客層は均等に老若男女。親子で来ている人も多く、前に座っていたリアルタイム世代の人は「お客さんいっぱいでよかったなあ。ガラ空きだったらがっかりだったもんなあ」と嬉しそうにしていました。

今回の「午前十時の映画祭」はスピルバーグ特集に始まり「バック・トゥ・ザ・フューチャー」3部作で終わるという、「今更」と思ってしまうほどの王道ラインナップ。でもこういう「今更」なラインナップって、じつは金曜ロードショーくらいでしか、良くてDVDくらいでしか見たことなかったりするはず。

テレビで見慣れた映画も、スクリーンの大画面と大音量で観ると全く違って感じるということをここ最近すごく実感しているので、好きなタイトルがあったらぜひ早起きして足を運んでみると、期待以上のものを得られるんじゃないかと思います。

ジョーズ」は全国の「午前十時の映画祭10-FINAL」加盟劇場にて5/16まで上映中です!

(2019年44本目/劇場鑑賞)

ジョーズ (字幕版)

ジョーズ (字幕版)