NY旅行記7本目。この記事の続きです。
前回までのあらすじ:記事6本ぶんもかけてニューアーク・リバティ国際空港まで到着!
ニューアーク空港からマンハッタンへ出る方法
ニューアーク空港からマンハッタンへのアクセスにはいくつかの方法がありますが、公共交通機関の利用は電車のみにとどめておきたかったので「エアトレイン+NJトランジット」という方法に決定。こちらの記事を大いに参考にさせていただきました。 エアトレイン(AirTrain)は空港のターミナル間を移動する無料の電車。NJトランジット(ニュージャージー・トランジット)は、空港直結の駅から乗り換えてマンハッタン方面へ行くことができる有料の(普通の)電車。エアトレインからのNJトランジット乗り換えでペンシルベニア駅(Pen Station)まで行けばゴール、憧れのマンハッタンど真ん中に出ます。所要時間40分ほど。
さてそれでは文体を日記調に戻し、リュック背負ってスーツケース転がしたキョドり気味353氏の旅をお楽しみください。
不安げにきょろきょろ歩いてはいけない
まっすぐ前を見てざくざくと歩き、いかにもニューアーク慣れてます感を醸し出さねばならない。「AirTrain」のサインを頼りに迷うことなく進む。迷った。サインが途中で途切れた。むしろサインがわたしからはぐれたのではないか。
いかにも迷ってます感を醸し出しながら他所のバゲッジクレームをぐるぐる彷徨っていると、はぐれたサインと再会した。どうやらエアトレイン乗り場へは大きなエレベーターに乗って向かうらしい。どこかの国のご夫婦がエレベーターの前で空港スタッフと談笑していた。案内してくれているようなので便乗する。ちなみに空港に限らず、こっちの施設職員的な人は基本姿勢が「壁に寄っ掛かりながらケータイ」だ。日本なら有り得ないが、ここでは「なんかいいなあ」と思ってしまう。
エレベーターの中でご夫婦と目を合わせ、ホッとしたようなそぶりをし合った。まだガチガチなので口から何か言葉が出ることはなかった。
エアトレインの駅でNJトランジットの切符を買う。出た、予習したやつだ。やってやろうじゃないの。抜かりなく「NY/Pen Station」を選び、クレジットカードをディップする。ディップとは、自分で刺して自分で抜くこと。こっちでは手動でやるのがメジャーなのである。と得意げに解説してみたところで、ディップに失敗。迅速に気持ちを切り替えて現金を投入。
出た、予習したエスカレーターだ。特別なにがどうというわけでもないのだが重厚だ。これに乗るとエアトレインのホームに出る。
前の人の万有引力が気になる。おかげで早速一本逃してしまった。どちらにせよこういう状況においては慎重にならねばならぬ。少しして到着した次のエアトレインに乗り込み、NJトランジットの駅と直結した"Newark Liberty International Airport Station"で降りる。エアトレイン乗り場よりもここで切符を買う人が多かったので、先にエアトレイン乗り場で買ってしまうというのがやはり賢い選択なのだろう。改札へは切符のバーコードをかざして入る。
見よ、この重厚さを。これがNJトランジットだ。ただしお察しいただけるかもしれないが、ドアが閉まっている。重厚さに気を取られ、またしても一本逃した。次が何分後に来るのか知らないが、待つ。
到着時はまだ明るかったのに、そういえばもう暗い。それと、ただでさえこの駅は暗い。はじめてのニューヨークで電車待ちをするにはなかなか心細いシチュエーション。おまけにこんな貨物車が普通に置いてある。
この日はとても寒かった。正確には記録していないが氷点下だったのは間違いない。まだ飛行機仕様でそこまで厚着をしていないため、凍りつきそうな寒さ。肩をすぼめながら空を見上げると、煌々と輝く月。今この場所で唯一わたしと面識のある存在。日本でもお会いしましたよね、と知人ヅラをしたくなる。ちょっと頭のトんだ発言をしてしまう程度には寒く、心細い。
結局かなり待って、ようやく乗車。二階建て車両なので上を選んだ。果たしてこの電車で正しかっただろうかと今更不安になりながらの発車。前に乗っていた旅慣れてそうな白人女性が「次で降りるの?」と誰かに訊いて、「次はニューアーク・ペンステーションだよ! ニューヨーク・ペンステーションで降りなきゃだめだよ!」と教えてもらってる。
空港から乗る電車だもんな、大半の人が自信なく乗っているのかもしれない。成田から東京に出ようとしている外国人も心細いんだろうな。千葉だもの。
ニューヨークへ来ようという場合、ニューアークにしろJFKにしろ東京における成田や羽田と同じく(そこまで遠くはないが)少し離れたところに空港がある。その点、唐突で恐縮だが福岡空港はよい。ニューヨークで福岡空港ばりの立地を実現しようとしたらさしずめセントラルパーク空港ってところだろうか。ちょっと狭いか。
着くんだろうかこれという強烈な不安を乗り越え、無事"Pen Station"到着。ペンシルベニア駅、とも言う。このへんの駅は呼び方が数種類あって、よそ者はすぐ自信を失う。阪急梅田みたいなものか。名駅みたいなものか。そしてここから地下鉄の駅"34th Street - Pen Station"に乗り換えのため向かう。京王多摩センターみたいなものか。
このペンシルベニア駅はおそらく東京だと渋谷駅か新宿駅ぐらいのポジションにある駅。なかなかお目当てに辿り着けず、迷う。
寿司屋に遭遇し、心細さから思わず撮ってしまう。
マンハッタン・カウントダウン
渋谷か新宿ならば、地上に出たらそこは大都会トーキョーど真ん中である。ならばここでも地上に出たらマンハッタンど真ん中である。明らかに地上へと繋がった出口があったので登る。GoogleMapでの事前散策によれば、ぐるっと見渡せばどこかにエンパイアがあるはずだ。つまりあと数段登れば、この目でエンパイアを拝めるということになる。否が応でも高まる。
地上に出た。右を見る。ない。左を見る。ない。正面を見る。いた。
わたしが初めて見たマンハッタンである。
到着日編②へ続く。