NY旅行記6本目。この記事の続きです。
from everywhere.
飛行機はあっけなく飛び立った。
成田の滑走路で急加速した機体がふわっと地面を離れた瞬間、旅に出るって言ってたのは本気だったのね、とまるで他人ごとのように思った。
わたしに大きな影響を与えた一冊、坂本真綾の旅エッセイ「from everywhere.」の書き出し。飛行機旅をするとちょっと大袈裟な気持ちになるもので毎回この文章が頭に浮かんでいたのだけれど、今回ほど強く意識したことはなかったかも。
- 作者: 坂本真綾
- 出版社/メーカー: 講談社
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さてさて、飛んでしまえばこっちのもん。12時間強のフライトを楽しむべし。
普段LCCの国内線ばっかりで画面のついてる飛行機なんて乗ったことのないわたし。画面、それだけでテンションが上がってしまう。しかもなんかいい具合に青色LEDが仕事していたりして、うまいことテンションを上げてくれるつくり。ユナイテッド、いいじゃないか。おまけに、流れてる案内ビデオは音楽が「ラプソディ・イン・ブルー」だったり。ブロードウェイの申し子、ガーシュウィン。
席は3-4-3の中央4列シート端っこ。しかも、隣がいない! これはかなりの良席。外人さんだらけの機内だけれど、ひと席あけた向こう側には日本人の女子二人組。ちょっと安心する。もう片側の隣には、なかなかに過ごし方がフリーダムな白人女子。すごいフォルムで寝てたかと思うと、消灯された機内でひとりライトつけて分厚い本を読んでたりする(体育座り)。枕を落としたので拾ってあげたら微笑まれてときめく。今回出会った印象深い外国人のひとり。
機内食
10年以上ぶりの機内食。高度が安定した頃、最初の機内サービス「Asian-style Snack mix」配布。おかきと言ってほしい。続けてドリンク。行きの乗務員はほとんど外国人だったので、お茶ひとつ頼むにもちょっと緊張する。紅茶が飲みたい。「Hot Tea」が通じた、それだけで嬉しい。また少ししてから今度は夕飯。そう、カレーである。真ん中の中華風っぽいものが美味しかった。再度「Hot Tea」を頼むが今度は通じず。自信プラマイゼロ。紅茶すら満足に頼めない男。
食後、さらにアイスが出てきた。なんでも出てくるな! 日頃国際線を使わない者としてはカルチャーショックである。搭乗前に買い足した水とお菓子とパンなどは完全に無用であった。長時間の国際線に飲食物持ち込みは不要と学んだ。
天空映画館
国際線で映画を何本も観ながら過ごすというのは、ちょっとした憧れだった。もっとたくさん観れるかと思ったけれど、眠かったりなんだりで結局観れたのは2本。「スカイスクレイパー(2018)」と「クワイエット・プレイス(2018)」。
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追記:書きました。
スカイスクレイパー(2018) - 353log
クワイエット・プレイス(2018) - 353log
ミッドナイト・イン・ユナイテッド
17:45の離陸から2時間ほど、日本時間20:00。機内は一旦消灯。寝ようと思うもなかなか眠れない。無印のフード付きネックピローと耳栓の合わせ技でパーソナル暗闇を作り、ようやく入眠の兆し。
日本時間23:50。突如配られる謎バーガー。ハムとチーズが挟まった、かつ冷たい、謎バーガー(withキットカット&おかき)。こんな夜更けにバーガーかよと思った。もう0時になるが、やむなくコーヒーをもらう。帰りの便でも同じく深夜帯にヘヴィーなものが出てきた。着いたらまた寝なきゃいけないんだからそろそろ起きとけよ、という時差ボケ対策なのだろうか。
この時間帯、窓はシェードを下げるように言われている。ということは外は明るいのかな。トイレに立ちがてら、そのへんのシェードをこっそり上げてみた。日本時間01:50。外はどこかの朝だった。
ニューヨークはお昼頃。今飛んでるところは9時くらい。サンフランシスコとかならもう着いてる頃なのか。アメリカは大きいな。
何ご飯?
日本時間04:00。なんか、またご飯が来そうな予感がする。来た。「ヤキソーバー&◯◯」「ヤキソーバー&◯◯」……困った、◯◯が聞き取れない。徐々に近づいてくるカート。しかし未だにヤキソーバーまでしか聞き取れない…。番ぎりぎりのところでやっと把握、マッシュルームオムレツだった。ヤキソバに対していきなり発音のハードル上がりすぎ。
問題のマッシュルームなオムレット、優しい味で胃が助かる。ところでこれは何ご飯なんだ。二度目の夕ご飯なのか。国際線ってこんな正月の実家みたいに食わされるもんなのか。胃薬持ってきてよかった。
憧れの街はすぐそこに
日本時間04:30。税関申告書が配られる。手荷物とスーツケース両方に入れてきた種抜きカリカリ梅は果物に入るのか、行きも帰りも不安になりながら「持っていない」に丸をつけた。今のところ、しょっぴかれてはいない。
日本時間05:50。着陸態勢。行きも日本人のCAさんはいたのだが、頭にサングラス乗せてるようなつまりそういうナイズドされた系の日本人だった。着陸体制でシートベルトを締めながら「すっごーい吹雪? 吹雪いてるよねこれ?」などとはしゃいでいた。よく見えなかったが吹雪いていたらしい(そして後ほど、納得する)。
気付けば窓の向こう、低い位置に街並み。続けて「左側の座席の方はご覧ください。ニューヨークの街並みです」とアナウンス。このとき小さな窓から見えたマンハッタンは忘れられない景色のひとつ。エンパイアっぽいシルエット、みっちり並んだビルディング、手前にあれは多分ハドソン川。憧れの街へ実際に飛んできてしまった。
ちなみにこのへんで「西荻窪大崎間のSuica落ちてるよ」とアナウンス。きっともう会社行きたくない人だったに違いない。
着陸そして入国
日本時間06:00、現地時間16:00。予定より30分ほど前倒しでニューアーク・リバティ国際空港へ着陸。ボーディングブリッジへ足を踏み出し、ついに来てしまったなと不思議な感覚になる。アメリカってどんな匂いがするんだろうと常々思っていたが、意外と無臭だった。
大きく無骨な星条旗が出迎えてくれる。ここからTwitterにて「#353inNY」のタグをつけて投稿開始。あまり旅の予定を事前に言うのが好きでないわたし。今回は結局6月のパスポート云々からずっと黙っていた。やっと解禁。#353inNY 始まります。お騒がせします。 (@ ニューアーク リバティー国際空港 in Newark, NJ) https://t.co/TeJbjc3TbG pic.twitter.com/V6bmQKO6Wh
— 353 (@threefivethree) 2018年11月21日
旅メモ: 着陸早々、Wifiは繋がったけれどGPSが機能しなくてかなり焦りました。この旅でGoogleMapが使えなかったら死も同然だし、大好きなSwarmチェックインもできない! これは困ったぞ。焦って調べたところ、Bluetoothが切れているとGPSが正常に作動しないこと判明。つけ直したら無事、ニューアークにピンが立ちました。呼吸できました。
不安の種だった入国審査。言葉もさることながら、えらく並ぶと聞いていた。が、運良くまったく並ぶことなく、あっという間に審査通過。スムーズすぎて「Sightseeing」すら言ったかどうか定かでない。あんなに「Purpose」覚えたのに。言う側じゃないけどやたら発音良く言えるようになったのに。こわばった笑顔で「Hi」とあいさつして指紋取られて写真撮られて、それだけ。初めましてアメリカ! 入国!
そのままバゲッジクレーム(荷物が出てくるところ)へ。果たしてあの子はちゃんと同じ飛行機に乗ってきたのかしら…と不安になりながら待つ。途中、黒人の空港職員さんが陽気に歌いながらカートを押してくる。始まってる………ニューヨーク始まってる………。もうしばし待って、待望の我が子にご対面。傷だらけで出てくると聞いたけれどそんなこともなく綺麗な姿で。お疲れさん。
最後に税関の検査を通り、職員さんに「ダイジョビ!」とイテラシャイされて、さあ冒険の始まり。ホテルを目指せ!
到着日編①へ続く。