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主に映画のあらすじと(まとまりのない)感想文

アデル、ブルーは熱い色(2013)

アデル、ブルーは熱い色 スペシャル・エディション [Blu-ray]

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ずっと観たかったのだけど3時間コースで躊躇してた作品のひとつ。ここんとこレア・セドゥづいていたのでタイミング逃すなかれと鑑賞。

あらすじ

アデル(アデル・エグザルホプロス)は文系クラスの高校2年生。ボーイフレンドとの待ち合わせに向かっていたある日、道ですれ違った青い髪の女性が気になり、頭から離れなくなってしまう。後日、何かを感じて入ったレズビアン御用達のバーにて彼女と再会したアデル。彼女の名前はエマ(レア・セドゥ)で、美術大学に通う4年生だった。アデルはボーイフレンドと別れ、心身ともにエマとの距離を詰めていく。

雑感

好きなタイプの、ずっと観てられるタイプの映画でした。全編通してとにかく会話が心地よく、3時間という尺を感じさせません。心地よさのわけは、同調せずとも尊重する基本姿勢でしょうか。本作の登場人物は当然みんな価値観や嗜好が違うのですが、会話において他人のそれを否定しないのです。お互いノーなところはノーと言って、でも尊重することは忘れないのです。

レズビアンもの」のイメージが強いかと思われる本作ですけども、個人的にはそこまでこの「レズビアン」要素は重要ではなく、味付け程度のものかなという印象を抱きました。3時間まるっと「多様な価値観や嗜好を尊重してくれている映画」であり、異性愛も同性愛も関係なく誰でも感情移入のできる恋愛模様を描いた人間ドラマでもあると感じました。

物語はアデル視点で進み、高校生から社会人までのアデルがシームレスに描かれます。女子高生だったはずの彼女がいつの間にか実家を出ていて、いつの間にか社会にも出ている、なんの説明もなく時が過ぎている、ちょっと独特な編集です。その数年間のなかでエマが「ブルー」であるのも、じつは結構限られた時間のみ。青春の瞬き、って感じがよいです。恋愛ってそんなもんだよな〜と。「えっ、そこで」と椅子から飛び上がりそうになるビターなラストシーンもよかったです。

少し前に公開されていた「君の名前で僕を呼んで(2018)」も、思い返してみると似たような映画だったかも。男性同士の絡み描写が受け付けなくて個人的には入り込めなかった作品ですが、あれを女性同士に変えて、あとアプリコットを牡蠣に変えたら完全に本作じゃないですかね(笑)

君の名前で僕を呼んで [Blu-ray]

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牡蠣ね、ほんとインパクトありましたね。あっちでは牡蠣っていうんだ〜、何をとは言わないけど〜。それからボロネーゼね! めちゃくちゃボロネーゼ食べたくなる映画ですよ、「わんわん物語」に並ぶパスタ映画ですよ。さっき仕事帰りにサイゼ行ってきちゃいましたもん。

女優ふたりのことを少し。アデル役のアデル・エグザルホプロスさん(すごい名前だ。恐竜みたい)は、とにかく泣きが上手い! いざ泣くとなればぐちゃっと顔歪ませて鼻水垂らして前髪を食べながら、という完璧さ。エマと大喧嘩するシーンで急に泣き崩れる顔とかほんとお見事だし、それ以前の各種失恋シーン等々での泣きっぷりも最高です。あと無造作ヘアの申し子っぷりも。なにかと清潔感抑えめなのに溢れ出る謎の魅力。

彼女の惚れた腫れた系で一番きついなと思ったのは、「つい盛り上がっちゃって」の彼女案件。いや〜、あの流れは目覚めちゃうでしょーし、せっかく「見つけた…!!」ってアデルに光が射し込んだのに「ごめんそんなつもりは」ってそんなお前!橋本愛みたいなミステリアス美少女!このやろ! あそこが一番、エグかったです。はい。

レア・セドゥさんはですね、思ったよりボーイッシュというか、タチっていうんですかね、男役だったので、わたしのレア・セドゥ需要を満たすものではなかったんですが、普通にイケメンでしたね。後半のエマはMR.BIGエリック・マーティンみたいな感じで、めっちゃモテそう。

わたしこれ、結構な18禁映画(実際はR-15)かなと思って観始めたんですけど、予想よりもずっと人間ドラマだったのでわりと万人におすすめできます(お茶の間で観るやつではないです)。「スパニッシュ・アパートメント」シリーズが好きな人とか、特に合うかもしれません。

(2018年175本目)