ご紹介、ではないです。初見です。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の記事から言っているとおり、「パルプ・フィクション」しか観たことないよ状態で「ワンハリ」に臨んだわたくしでございます。この機会にクエンティン・タランティーノ監督作品、ちゃんと観よう!ということで順番は前後しつつも雑感投げていきたいと思います。
まずはデビュー作のこちらから。
レザボア・ドッグス(1992)
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回想は交えつつも、ほとんど倉庫の中という限られたシチュエーションで、あそこまでしっかり「うわー面白かったわー」という後味を提供してくれるのはさすがの一言。「え!どうなったの?!どうなったと思う?!」なラストも、鑑賞後にわいわいできてじつにエンタメです。
スーツにサングラス姿で歩くスローモーションな男たちのOPは、大杉漣さんの遺作となったテレ東ドラマ「バイプレイヤーズ」OPの元ネタだったんだねとか、やっぱそうだよね、あの人「サンジ」の元ネタだよねとか、処女作でありながら後世への大きな影響を感じられる作品でした。
続きまして、だいぶ後のこちら。
イングロリアス・バスターズ(2009)
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理由として大きそうなのが、まずフランスを舞台としていること。タランティーノ・ビギナーながら言わせていただくとお話自体は通常運転のタランティーノ的なところだと思うんですが、舞台となる地が美しいことで映画としての見た目がすごくいいのです。ちょうど「ミッドナイト・イン・パリ(2011)」が、お話はいつものウディ・アレンなのに異常なほど見た目がいい映画なのと同じように。
それから、これでもかと美しく銀幕に映し出される女性たち。冒頭まだこれがハリウッドデビューだという数分間のレア・セドゥ(「ミッドナイト〜」でも少ない出番で魅了してくれました)から始まり、ヒロインのショシャナを演じるメラニー・ロラン、ドイツ人女優ハマーシュマルクを演じるダイアン・クルーガーと、画面映えする魅力的な女性のオンパレード。
特に映画館の丸窓にもたれて一服する真紅ドレスのショシャナは、わたしがタランティーノだったらこのシーン撮れた時点で悔いなく引退するねってくらい五億点のシーンです。
男も負けてはいません。この映画のMVP、ナチス親衛隊大佐ランダを演じるクリストフ・ヴァルツさま。この方の怪演がすごい。正味20分弱の「第一幕」が終わったところでこれはもうスタンディングオベーションです。密室会話劇の最高傑作と言えましょう。その後も、「ワンハリ」でいえばスパーン映画牧場のシーンに通じる(とタランティーノ本人が言っている)、曰く「輪ゴムを伸ばし続けるような」緊張感のシーン各種がいや〜な汗をかかせてくれます。
ちょっと残念なのが、せっかくブラッド・ピットに割り当てられ、それこそタイトルにもなっている「バスターズ」の活躍が少ないこと。それとショシャナの結末。あれはショックだった。ブラピがキービジュアルほどど真ん中の主役としては描かれて(描き切れて)いないだけに、最後持ってくのずるくない?? ショシャナさんのいいとこ見たかった!!とぶーたれてしまうのでした。
まあなどなど完璧に好きなわけではないながらも、丸窓ショシャナの五兆点と「第一幕」の素晴らしさ等々で帳消しなわけです。晴れて、もしかしたら「ワンハリ」も抜いてしまうかもしれない「めちゃくちゃ好きなタランティーノ映画」になりました。この後これを抜く作品は出てこない気がするのだけど、どうでしょう。楽しみです。
(2019年92・95本目)
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