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映画「ファーストミッション(2022)」感想|じつは今きっと日本一アクションがすごい映画

シネマ・チュプキにて10/15(土)まで上映中の映画『ファーストミッション』を観ました。ジャッキー・チェンではありません。2022年の新作でございます。


映画「ファーストミッション」ポスター
映画「ファーストミッション」ポスター


こちら、SNSで評判を見ていると『カメラを止めるな!(2017)』や『ベイビーわるきゅーれ(2021)』などと併せて語られる傾向がありまして、その辺りのタイトルにピンとくる、ときめきを感じる方にはですね、ぜひ観ていただきたい作品です。

ちなみに、主演と総監督をつとめるHAYATEさんはアクション俳優/監督/コーディネーターであり、さらに古流空手の免許皆伝!という経歴もお持ちなのですが、じつは映画ファンであれば誰でも馴染みのある超有名作品を手掛けておられます。それが、これ。


はい、映画泥棒ですね。この新バージョンのパルクール・コーディネートをされているそうです。一気に親近感が湧いたのではないでしょうか。というわけで、今回はそんな『ファーストミッション』について、なるべく手短にプッシュしてまいります。

まず、どのようなお話か。妹思いのお兄ちゃんの話です。スーパーヒーローに憧れる妹。船橋の平和を守りたい! ダメだよ妹ちゃんそんなの危ないから他の人にやってもらったほうがいいよう。えーやだやだ。うーん仕方ないなあ。っていうお話です。もっと本質を突くと、〝ファーストミッション〟の「とある和訳」、それが答えです。

では早速プッシュに入りますが、ここは思い切ってひとつのポイントに絞ってしまいましょう。それはずばり——

「アクションがすごい」

そうです、アクションがすごい。映画『ファーストミッション』は、とにもかくにもこれに尽きます。現在公開されている日本映画の中で一番すごいアクションが見れる、と言ってしまってもいいのではないか。許可します。

しかしながら、いきなり覆すようですが、わたしはアクションにあまり興味がありません。基本的には人間ドラマや会話劇が好きで、いざバトルシーンが始まると一気に何も感じなくなるタイプです。少年ジャンプではなく萩尾望都全集を読んで育ちました。

とはいえ、それこそ『ジョン・ウィック』シリーズとか「さすがにこれは面白いわ」と釘付けになっちゃうアクションも稀にあって、『ファーストミッション』の冒頭、20分超の長回しアクションシーンはそれなんです。

聞くところによればiPhoneで撮ったというこの長回し。ああ、『カメ止め』ってそういうことね〜などと思いながらふんわり観ていると、いや、ちょっと、低予算な絵面に対してアクションのクオリティがエグくないか…?? ていうかこの長回し、どこまで続く…?? 隅々まで計算し尽くされたような振り付けが無限に続いていくんですけど…?? 『1917 命をかけた伝令』も真っ青なんですけど…??

ダッサいヒーローコスチュームを纏った妹ちゃん(演じるのはアクション俳優の小玉百夏さん)と、スマホ撮りの映像。一見「ナメる」ポイントしかない当該シーンなのですが、だからこそ「お口あんぐり」していく体験をぜひ皆々様にしていただきたいです。真面目な話『ジョン・ウィック』と同列に語れます。

あと、秀逸すぎるアクション振り付けをさらに輝かせているのが「音」ですね。殴る、蹴る、折る、「痛そう」な音の数々がめちゃくちゃばっちりハマっていて、音響効果の力ってすげーーーと感服いたしました。こちらに関しましては『NOPE/ノープ』と同列に語れます(つまりジョン・ウィックとNOPEを連想した映画、それがファーストミッションなのです)。

もうひとつ、最初のほうに名前を出しました『ベイビーわるきゅーれ』。これは連想とかいうレベルではないです。伊澤彩織さん、出ます。伊澤彩織さん、ラスボスです。伊澤彩織さん、オーラがすごいです。しかしさらにすごいのは、伊澤彩織さんというスーパースターの強さを知った上でも、小玉百夏さん扮する妹ちゃんヒーローが全く見劣りしないことです。この映画はすげえのです。

と、いう、ことで、手短に(手短に?)ご紹介してきました『ファーストミッション』。現時点でソフト化・配信の予定はなく、映画館でのリアルな映画体験のみとなっております。チュプキでは10/15(土)まで、「アトロク」でもお馴染み檀鼓太郎さんのプロレス実況モードな音声ガイド付き(しかも日替わり3種!どういうこっちゃ)でご覧いただけます。まだお席余裕ありますのでぜひ!観に来てくださいませ!


(2022年176本目/劇場鑑賞)