Netflixで配信されているドイツ製のドラマ『DARK/ダーク』のシーズン1を観ました。シーズン2(2020年4月現在最新)をまだ観終わっていないためネタバレ雑感はまた後日ということにして、ここではシーズン1時点での感想やらなんやらをネタバレなしで書いていきます。
観始めたきっかけ
特になし。海外ドラマ観まくりたいモードで次の作品を探しているとき、なんとなくこれかなーと思って選びました。わたしあんまり「明るく楽しいやつを観て元気出そう!」っていうタイプじゃないので、むしろその逆なので、タイトルからして暗そうなやつ、君に決めた。
ざっくりどんなお話か
舞台はドイツ、原発のある小さな町。2019年に発生した少年失踪事件を調査していくうち、33年前に発生した同じく未解決の失踪事件と繋がりがあるのではということになり──
この町で生まれ育ち死んでいく、小さなコミュニティの中で何世代にも渡って繰り返されてきた奇妙な出来事を巡る物語。
のめりこみ記録
各所でこのドラマとても評判が高かったんですが、一様に「難解」と書いてあるんですね。一話目は耐えろ、とか、相関図でおさらい、とか。ちょっと躊躇するも、自分がかの『ゲーム・オブ・スローンズ』を乗り越えた民であることを思い出し、えいやっと足を踏み入れました。
確かに最初は全然わからないし、暗い。いかにもドイツ、と偏見たっぷりなことを思ってしまう程度に陰湿。登場人物の顔がいちいち好きじゃないな〜とか、典型的なホラーじみた音楽がいやだな〜とかケチも付けつつ、第一印象は「嫌いじゃない」。
以降、第二話をベッドで観て完全に寝落ち、しかし第三話では「ゴリゴリのSFだ」とやや意外そうな感想を残し、気付いたら第五話あたりで引き返せなくなっていたようです。
Netflixで配信してるドイツ製ドラマ「ダーク」、よくわからんなーと思いながらなんとなく観続けてたけどs1の折り返しあたりから引き返せなくなってきた。これ超ダークなバック・トゥ・ザ・フューチャーだわ…。https://t.co/4p6dEGRWRC
— 353 (@threefivethree) April 5, 2020
そう、これ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なんですよ! それもタイトルの通り、超ダークな。
シーズン1では、話が進むにつれて「3つの時代」が登場します。物語開始時点での「現在」である2019年、そして1986年と1953年。これらの時代は33年ずつ間隔があいています。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』においては2015年、1985年、1955年と30年間隔の「3つの時代」が登場するわけで、BTTF好きには早速たまりません。
で、そうなるともちろん本作もタイムトラベルのお話になってくるんですが、これが一筋縄でいかない! お馴染みのBTTF的タイムパラドックスは「過去を変えることで未来も変わる」というものです。しかしどうも本作のそれは、そんなに単純なものではないらしく。
上記の「引き返せなくなってきた」ポイント、多分第五話あたりで、その決定的な何かが明かされるんですね。「えっ、そういうこと?!」と。「BTTFで習ったやつじゃない!」と。こうなってきたらもう、食い入るように続きを観ていくのみでございます。おめでとう!ハマりました!(何かにハマる瞬間が、わたしはすごく好き)
相関図の必要性
本作の特徴として、人物ひとりを世代ごとに2〜3人の役者が演じているというのがあります。別に珍しいことではないんですが、いくつもの時代が常時切り替わっていく構成のため、とにかく慣れるまで誰が誰だかわからない! ただでさえわからないものが、よりわからない!
そんなわけで、写真付きの相関図や、人物ごとに詳細を記した資料などの助けが必要です。懇切丁寧な解説ブログ様も複数ありますし、一番いいのは自分で書いてみることかもしれません。この複雑さ、どちらかというと『ゲーム・オブ・スローンズ』よりも、映画『裏切りのサーカス(2011)』を思い出しました。一度の鑑賞では全く意味がわからず、自分で相関図を書いて二度目を観て、ようやく楽しむことができたときの爽やかな感覚。ああいう映画がお好きな方はツボかもです。
今すごくモヤモヤすることも多いですけど、こういう、脳味噌のリソースぜんぶ持ってかれるような作品を観るとですね、余計な考え事をしてる場合じゃなくなるのですごくいいと思います。ダークなことより『ダーク』のことで頭いっぱいにしましょう。取り急ぎ、おすすめです!! では、引き続きシーズン2観てきます!