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「アースクエイクバード(2019)」雑感

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ここのところ一気に増えてきたNetflix映画。『アースクエイクバード』を観ました。アリシア・ヴィキャンデル小林直己(三代目JSB)主演、リドリー・スコットが製作総指揮とのこと。

あらすじ

1980年代の東京。日本に長く住む外国人女性ルーシーアリシア・ヴィキャンデルは、カメラが好きな禎司小林直己と恋仲になる。あるとき、訪日したばかりのリリー(ライリー・キーオ)という女性と懇意になったルーシー。しかし禎司とも親密になろうとするリリーを次第に疎ましく思うようになり──

雑感

日本が舞台の外国映画ということで真っ先に「不安」がよぎるところですが、聞いていた評判どおり確かに違和感の少ない、きわめて自然な日本描写と日本語でした。日米合作というわけではないようなのですけども、エンドロールのクレジットで日本人の占める率が高く、そういったかなりの部分を日本人スタッフが担当していたんでしょうか。

頑張ってるな、徹底してるな、というのを隅々から感じる作りで、なかでも懐かしいフォルムの新幹線200系が走っているシーン、「80年代の日本をちゃんとやるぞ」な本気を見せつけられました。おそらくアーカイブ映像を使っているのだと思いますが、ワイドなアスペクト比で見る200系はなんだか不思議な感じです。

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アリシア・ヴィキャンデルさん演じる主人公ルーシーが非常に日本人ナイズドされた外国人女性役なのも興味深いところで、ステレオタイプな外国人女性リリー、日本人離れした体格・顔立ちの禎司と対照的に、劇中で最も日本的なキャラクターになっています。多部未華子さんとか、そういう雰囲気。台詞の大半を占める日本語も、どれだけ頑張ってくれたんだろうという流暢さ。長回しの独白シーンには息を呑みました。素晴らしいです。

違和感を覚えたのは取調室の刑事くらいで(ここだけは「洋画における日本人」を感じてしまった。惜しい…!)(しいていえば禎司ルームのロケーションが意味不明)、あとは本当に首をかしげるような日本描写は無に等しく、それこそ『ブレードランナー』的になることもなく、トンチキJAPAN映画やだよ〜という人でもだいぶ穏やかに観ることができる作品になっていたと思います。

また個人的には、昨年ニューヨーク旅行をして以来考えるようになった「自分の住む国は誰かにとっての異国であり、誰かにとっての憧れの地かもしれない」みたいなことを感じさせてくれる映画になっていたのがよかったです。日本語に対する憧れ、半信半疑で発した日本語がちゃんと通じたときの感動、あのあたりの表現がとても心に残りました。

意外な人物と出来事がキーとなって感情が溢れる、というラストも巧みな構成だと思いました。引き際のいい映画が好きなので、あの終わり方には名作の風格を感じました。

(2019年154本目) 寝正月のスマホ鑑賞映画、くらいのポジションでおすすめです(わたしは風邪っぴきの寝スマホ鑑賞だった)。