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主に映画の感想文を書いています

「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019)」雑感

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今年は本当にいろんなシリーズが完結する年でした。『ゲーム・オブ・スローンズ』に始まり『アベンジャーズ』『X-MEN』、そして泣く子も黙るスター・ウォーズ』。なんなら平成も終わったし2010年代もおしまい、はてなダイアリージオシティーズもサービス終了。なんだ今年は。

というわけで「終わり年」こと2019年の締めくくりに『スター・ウォーズ』シリーズのエピソード9となる『スカイウォーカーの夜明け』観てまいりました。初日に観るつもりで予約までしておいたのに忘年会が急遽入ってチケット1枚無駄にしてしまったりなど(大手シネコン様、どうかキャンセルできるようにしてください…)、そんなこともありつつ公開翌日にリベンジ。この時期だと同じような方、きっと多かったですよね。

※以下、ネタバレ配慮せず書いています。



わたし『スター・ウォーズ』シリーズに関してはそこまで熱量の高いファンではなくて、嗜みとして一応全部履修済みではありますよという程度。かつ前作『最後のジェダイ(2017)』がまあ、「エンドロールのキャリー・フィッシャーに泣かされた」以外の感想が出てこないくらいだったので今回の期待値もかなり低かったのですが、どっこいとても良かったです。

まずそもそもですね、1977年の第一作公開から40年以上も経っているのにオリジナルキャストで完結編を迎えられる奇跡! と言うとやや語弊はありますが、キャラクター的に霊体化しようとも、役者的に霊体化(アーカイブ出演)しようとも、マーク・ハミルキャリー・フィッシャーハリソン・フォードが出てるってもうそれだけですごいことです。

そして意外にしっかりスター・ウォーズ終わった」感があったこと。どう終わらせるんだろうと思ってたんですけど案外終わりましたね。これは、旧三部作にあった「軽さ」と「大団円ムード」がエンディングに向けて戻ってきたのが大きかったのかなと思います。そうそうスター・ウォーズって元々これくらい軽かったよね、っていう。んでもって最後にあの家を再訪して「スカイウォーカー家の物語、ここに完結」とわかりやすいピリオドを打って。きれいな最終回でした。

エンドロールで指揮者が見えた話

お話自体のあれこれを語るにはあまりにもライトファンなので(子供の頃から観てるわりに、さほど思い入れがないという)、あんまり他の人が書かなさそうな感想をひとつ。今回のエンドロール、最後で感無量な指揮者の背中が見えたんです。

というのはですね、メドレーのように次々とジョン・ウィリアムズの名曲たちが奏でられて、最後またテーマ曲へ戻るじゃないですか。で、その最後の最後、タメが、伸ばしがものすごく長かったんですよ。これはもう、まさに「フィナーレ」だと。アンコールはないからな!という気持ちがこもった演奏だったなと思ったんです。

わたし、この最後の「伸ばし」を聴いて涙が出まして。映画音楽に泣かされることはあれど、この泣かされ方は初めてでした。今でもあのリタルダンドを思い出すだけで目頭が熱くなってしまいます。rit泣き。

と、ここまで書いておきながらなんですが、調べてみるとじつは各三部作の三作目で毎回この終わり方をしているということが判明しました(一・二作目はファンファーレに戻らずふわっと終わる)。時系列順にAppleMusicリンク貼っておきます。

マジかよ、なんだ毎回そうなのかと。でもやはり今回のフィナーレ感は尋常じゃなかったぞと。過去二回のはもうちょっと淡々としてたんじゃないか?と。思いたいわけです(笑) なので終結部に差し掛かる特定の箇所(『スカイウォーカーの夜明け』サントラでは9:37時点)から余韻込みで時間を測って検証してみました。結果はこちら。

  • エピソード3【1:07】
  • エピソード6【1:01】
  • エピソード9【1:10】

びみょっ(笑) Ep.3と今作はもはや誤差レベル。ただ、Ep.6と比べると間違いなくフィナーレフィナーレしてる結果となりました。さらに、Ep.9版の9:52あたりからのリタルダンドは他の版より明らかに強めで、この印象が結構大きいんじゃないかと思います(わたしは実際この部分で「おや?」となりました)。加えて、最後のドラムロールに被さってくるサスペンド・シンバルの音量もEp.9版が段違いに大きいです。そんなわけで結論としては間違いなく今回のフィナーレが一番もったいぶってる、ということになりました。そうしましょう。

ついでに、今回わたしがこの部分でこんなにも感動してしまった理由を考えました。おそらく、映画館でこのエンドロールを観たのが初だったからじゃないかと思います。旧三部作は当然観ていない、新三部作の頃は興味なくて観に行ってない、続三部作と言われるEp.7〜9とスピンオフの合計5本は映画館で観ているが、前述のとおり「この終わり方」をする作品は今回のEp.9だけ。「ジャン!」と終わるスター・ウォーズを初めて映画館で観たっていうこと。なるほど…。

以上、ややニッチな感想でした。音楽の力は偉大です。

はみ出し感想

  • アダム・ドライバーよかった。初めてカイロ・レンというキャラクターが好きになれたし、死なないでほしいと思えた。蒼いライトセーバーがダブルになるシーンはカタルシスがあった。

  • レイは相変わらずいつも同じ顔をしている。貨物船を爆破してしまった時の「チューイ!!!」という叫びが金切り声だったの、よかった。生半可な叫び声だったらそこで冷めてたかもしれない。

  • 年齢層高めの回で観たのだけど、ソロの登場で涙してると思わしき人を数名見かけた。オリジナルキャストで最後までってすごいよなと、この時思ったのだった。

  • あのオープニングを映画館で観るのもこれが最後か…とおセンチになったりした。パルパティーンは生きていた!ってめっちゃ早々に明かしてて笑った。

  • 復習として人物相関図書いてから観に行ったのだけど、パルパティーンとレイの位置をかなり離してしまったため、あとから線で繋げることが困難だった(笑) スカイウォーカー家とは近かった。やったね。

  • ポーたちが「両親たちの戦いを無駄にしてはいけない」な旨のことを言うところ、真っ先に『ローグ・ワン』の人々が頭に浮かんだ。あれはよいスピンオフだった。

  • 民間船ドーン!のくだりは完全に『ダンケルク』。

  • 王座はどうしても『ゲーム・オブ・スローンズ』感。ポーが「Not Today=まだ死なぬ!」な発言をしているシーン、よかった。

  • ポーと元カノ的なひとが最後の大団円中に(キスしても?)(だめ)(ほーい)なやり取りをセリフなしでやってるの好き。しかも片方フルフェイスだぞ。演出がうまい。

  • タトゥイーンのラストシーン、ベタだけどよかったですなあ。二つの太陽がBB-8に重なるニクさよ。満足!満足です!って感じ。

などなど。とてもよい最終回でした。それなりにスター・ウォーズ好きだったんだなって気付かされました。4日ほど経った今でもまだ余韻ありますもん。

(2019年153本目/劇場鑑賞)