353log

主に映画の感想文を書いています

アラジン(2019)

f:id:threefivethree:20190626191339j:plain 忙しさから解放されたのでTOHOシネマイレージデーなども活用しつつ新作追っかけております、まずはアラジン!

青いウィル・スミスが話題をかっさらった予告編で「めちゃくちゃ楽しいやつじゃん」と期待値上がりまくっていたものの、実際のところはややスロースターター気味というか、冷静に観てる時間のほうが長かったかもしれません。ので、まあ一応そのへんから先に。

ノりきれなかったところ

ひとつめ。なんか、導入の引き込み力が弱い。元のアニメ版が90分なのに対し40分くらい時間取れてるはずなのに、なぜか90分版より分かりづらい(笑) こねくり回し方があんまり上手くないのかな〜という印象を受けて、冷静に観ちゃうきっかけになってしまいました。ジーニーが出てきてからも、「フレンド・ライク・ミー」あたりはまだノれなかった(アラジンでそれは致命的)。

ふたつめ。既存曲のアレンジが結構強い。これわたしカヴァーとかでもそうなんですけど、コード進行変えられるのすごく嫌で。他は何変えてもいいからコード進行だけは変えてくれるな!曲が変わってしまう!派なんですよね。よく耳にした「ホール・ニュー・ワールド」がもう既にだいぶコード感変えられてたので、まあ覚悟はできてましたが。あと、わりかし「原曲はお馴染みだからもうメロディ全部崩していいよね」みたいな歌い方になっちゃってる感があって、特にフレンドライクミー。もうちょい残してほしかった気もする。

みっつめ。ジャスミンの新曲がなんか異質。昨今の世相が反映されてる系で、いや別にいいんですけど、かっこいいし、眼を赤くして熱唱するジャスミンがすごく印象的な曲なんですけど、新曲作ってまで「アラジン」にその露骨なメッセージ性いるかな…。っていう気分になりました。なんか、現実に戻された感じになっちゃう。そこだけ会議室が見えちゃう。

よかったところ!

なんといってもジャスミンが魅力的! 思うところあれど、ヒロイン良ければすべて良し! 褐色中東系ヒロイン、いいですなあ。「ノートルダムの鐘」のエスメラルダ好きとしては、制作されているらしい実写版でのエスメラルダにも期待が高まってしまう今回のジャスミンでした。捕まえられたいわ〜。

音楽も、なんだかんだ言いつつ「アリ王子のお通り」とかめちゃくちゃゴージャスで楽しかったです。そうそう、アラジンは個人的には今回のが一番イケメてて好きでした。あれは惚れちゃうのもわかる。ターメリックの香りムンムンな新感覚ダンスパーティーのシーンなんかは「バーフバリ」のヒットも絡んでたりするのかな、などと思ったり。

ジャスミンの設定(思想)をちょっと変えてることで、ホールニューワールドのシーンにもカタルシス的なものが加わって、すごくよかったです。キスの味を噛み締めながら部屋に戻るジャスミンと、天にも昇る気持ちで絨毯に倒れこむアラジンのとこもキュンキュンしちゃう。今回多用されてる《テラスから落ちたと思ったら下に絨毯がいて…》みたいなのは「バック・トゥ・ザ・フューチャー(パート2かな?)」をつい連想してしまうんですが、元祖はどこなんでしょうね。

まだまだゲームオブスローンズ脳なもんで、海に面した城下町アグラバーがキングズ・ランディングに見えちゃったり、最初に訪ねてきたどこぞのチャラい王子がラムジーに見えちゃったり、となるとエイダン・ギレンのジャファーとか見てみたいな…なんて妄想が膨らんだり、虎を手懐けるジャスミンはデナーリスに見えるし、ホールニューワールドんとこはジョンとドラゴンツーリングしてるやつにしか見えなくなってくるし、つまりはミュージカル版GOTが観たい…???(わけでは多分ないと思う)

ラスト、カーテンコールもよかったです。カーテンコールこそ「終わり良ければすべて良し」ですからね、ずるいですよね。好きです。テラスの雰囲気のせいか「マンマ・ミーア!」感がありましたけど。あんなカーテンコールあったよね。ブロードウェイ版のカーテンコールも楽しかったな〜と懐かしく思い出しました。

というわけで、手放しで楽しめたわけでもないけど、やや引っかかるところもあったけど、でも楽しかったし、まあとにかくジャスミン最高!って感じです。わたしは今ジャスミンに恋しています。

(2019年53本目/劇場鑑賞)