【ネタバレ】ゲーム・オブ・スローンズ最終章エピソード3「長き夜」雑感
「ゲーム・オブ・スローンズ」最終シーズン(シーズン8)エピソード3の感想記事です。ネタバレを大いに含みますので未見の方はご注意ください。
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「決戦前夜」だった前話の続きから夜明けまでの「長い夜」をみっちり80分超の長尺で描いたエピソード3。全世界が覚悟して臨んだエピソード3。とりあえず、お疲れ様でした。
で、観終わってまず叫んだのがこれ。過激派御免。
シ、シオ、代わりにジョン死ねよおおおおおおおお
— 353 (@threefivethree) 2019年4月29日
も〜とにかくジョンにムカついて。あんだけ下界でみんな死闘してるのにお前そんな昨日の今日でターガリエンぶってんじゃねえぞ?!と頭に血がのぼるレベルでして。
これはもう一度冷静に観直してから感想書いたほうがいいな、ってことで、2回観たうえでの雑感文です。
何もしてないジョン・スノウ問題
冷静に観直したとはいえ、さして大きな活躍も見せていないのが事実。
戦いの序盤でデナーリスと組んでることについては、まあ対ナイトキング要員ということで納得したんですけどね。プッツンしたデナーリスがドラカリスしに行っちゃった後もわざわざ若葉マークのドラゴンで振り回されてるもんだからイライラしちゃって。あなたまだ全然ドラゴンキャラじゃないよ?? 陸で戦ったほうがいいんじゃない?? と常に安定供給されるイラみ。
あえてジョンを活躍させないのは制作側の狙いらしいのですが、さすがに3エピソードも休場されちゃってると北の横綱もなんだかねえって感じですよ。よほどのことがないと残り3エピソードでジョンの株を上げるのは難しいと思うんですよ。
まあしかしここまで丁寧に描いてきた超メインキャラ、「まさかここまでジョンの株が上がるとは……」と驚愕するようなことが今後起こってくれても、それはそれでいいんですよ。期待してます。
ラッセンよろしくパズルにしてほしいシーンNo.1。
悲しい戦い
デナーリスに関しても、ジョンほどじゃないけどパッとしねえなこのカリーシ様は!どうしたよ!という感じだったんですけども。これは2回目観たとき、だいぶ受け取り方が変わりました。
いつもならジャスティス!な表情でドラゴンに乗っているデナーリス。ですが今回はその顔もいまひとつ冴えません。それもそのはず、そもそもこの戦いはデナーリスにとってかなりナーバスなこと。なにせ、ゾンビと化した「我が子」と戦わなければいけないわけだから。
そのうえドスラキ軍は犬死し、アンサリードも危ない、そんな状況で我が子すらも敵に回さねばならないつらさ。デナーリスからしたら、ものすごく悲しい戦いだったはず。
さらに、彼女にとって最も近しい存在であるジョラーの死という悲劇。ただの女の子だった頃に出会い、「ただの女の子」の顔を見せられる唯一の存在だったかもしれないジョラー。息を引き取った彼の上でえぐえぐと泣くデナーリスは、ただの女の子に見えました。
常に予想を裏切ってくるこのドラマですが、ジョラーの最期だけはきっと全世界の希望通りだったんじゃないでしょうか。彼が死ぬとしたら、それはデナーリスを護った結果の死であり、デナーリスの腕の中で息を引き取るべき。そうなってくれてよかったです。ジョラーおじさん、大好きでした。どうか安らかに。
シオンの最期
シオンはとにかく人徳のある人でした。あれほど悪い行いをした過去がありながらも、「もう勘弁してあげて、もう禊は十分よ……」と思わずにはいられなかったリーク時代。
だから今回ウィンターフェルへ帰ってきてサンサに跪いてからは、二度目の人生をやり直して欲しいと切に願っていました。悲しい。まだまだ才能のあるアーティストが若くして急逝した時のような気持ち。これからのシオンが見たかった。
黄泉ウェスタロスでみんなと楽しくやってることを祈ります。なんだかんだ大好きでした、シオンもどうぞ安らかに。
で、そんななかブランは鴉飛ばして何やってたのーーー!!というのが現時点でのモヤっとポイント。アベンジャーズ/エンドゲームを観に行っていた説が濃厚らしいですが…。ふと思ったけど、この先「三つ目の鴉」じゃなくて「素のブラン」が帰ってきたとしたら。泣いちゃうかも。
ご武勇に敬礼
リアナ様、ショックでした。でもそれ以上に勇ましかった。到底敵うはずのない巨人に向かって特攻の雄叫びを上げるリアナ様、本当に勇ましかった。
正直ここに至るまでさほど推してこなかったのですが、あの誇らしい最期を見たことで推しリストの殿堂入りしました。あっちの世界では大歓声で迎えられていることでしょう。どうぞ安らかに。
幼き犠牲者といえば、これまでで一番ショッキングだったのはシリーンの死かも。多分ネッドやレッドウェディング以上に「鬼畜!!」と思いました。あの時のシリーン様は、リアナ様と同じくらいの歳、かな? そしてあの出来事といえばそう、メリサンドル。
でも嫌いになれない紅の女
今回何気にメリサンドル回だったんですよね。シリーン様の仇ではあるものの、メリサンドル好きなんですよ。老いていく姿を直接は見せず、綺麗な最期を演出してくれて嬉しいです。しいていえば明け方の去り際、死体の山に火をつけていってくれたらみんなの手間が省けてよかったんじゃないかな! ナイトキング亡き今、もう燃やす必要はないんでしょうか。
ちなみにドキュメントによるとウィンターフェル外堀の火は本物だそう。メリサンドルがドスラキの刀に次々と点火していくシーン超かっこよくて好きなんですが、あれも実写なのかな〜。このドラマ、とにかく火に関しては本物を使いたがりますよね。人も本当に燃やすしね。
元夫婦のささやかなロマンス
ちかごろティリオンを再評価する発言が目立つサンサ。今回も地下でちょっといい感じになります。ああいう状況なら誰でもいい感じになれそうな気がするけど、というのは置いといて。
ここ最近たまに見られる、氷が解けたようなサンサの表情は本当に魅力的。ちょっと前までスターク姉妹ではアリア激推し派でしたが、今はとにかくサンサが幸せになってほしい気持ちでいっぱいです。かといって別にティリオンとまたくっついてほしいわけでもなく、ただ漠然と、幸せになってほしいだけです。
Not Today
ヒーローなのは十二分に知っていたけどまさかそこまでとは、という大活躍を見せてくれたのがアリア。っていうかナイトキングとの戦い終わっちゃったよ!!
ダガーを持ち替えるシーン、最高に興奮しました。これ、あれですよ、ブライエニーとご挨拶がてら一戦交えたときの技を思わせるやつですよ!
いやはや、あの絶望からのNot Today。アリア様どんだけですか。ベリック(RIP。エッドもRIP)が幾度も生き返らされた理由がこのためなのだとしたらメリサンドルの予言、思った以上に重要っぽい…。あんま覚えてないけど…。
ラスボス変わる
というわけであと3エピソードも残した状態で、ラスボスと思われていた対象が消えてしまいました。するってえと、ここ2エピソード一切出てこなかったあの人、そう、南のゾウ女ことサーセイがどうやらラスボスだった模様です。
正直ナイトキングって悪役としていまひとつピンとこないところがあったので(今更)、ドロッとした人間対人間のバトルに戻ってくれるのはある意味嬉しい。最近のデナーリスがパッとしない原因のひとつと思われる「冬服あんま似合わない問題」もここにきて解決の兆しです。パーッとやってくれよお姫様!
ただ舞台があっちに戻ると、今度はジェイミーやティリオンあたりの命がだいぶ危なくなってくるんですよね。例の詩的正義感とやらがね。怖いですね。
どうなることですやら。また来週!です。いや気付いたらもう明後日だわ…。
入りきらなかった雑感箇条書き
アリアがサンサに渡したドラゴングラスは、ジェンドリーに作ってもらった着脱式タイプの先端だったのかしら。
「尖った方で刺すの」なんか既視感が、と思ったらアリアがジョンからニードルを貰ったときの台詞だった。
死と火ですっかり戦意喪失しちゃったハウンドがアリアのサポートには飛び出していくの胸熱。
ホーンテッド図書館の出口でアリアが出会い頭にぶっ刺した死者(あれアリアが殺られたと思うよね)。剣を抜いた後、せめて人としての尊厳を守るかのようにゆっくりと地面に死体を寝かせるアリア、すごくいいシーンだった。
屍が屍を越えていくシーン、先日読んだアウシュビッツの本にあった「焼却穴に死体が詰まりすぎると火力が落ちる」っていうのを思い出しちゃった…
サムは前話で恩人ジョラーにタリー家の剣を託した。ジョラーはその剣でデナーリスを護った。かつてデナーリスはサムの兄と父を殺した。複雑。
シーンの順序的には、ナイトキングが倒された後にジョラーが息を引き取る。このあまりにも悔しい感じ、やっぱり「七人の侍」的である。
シオンは短剣タイプのドラゴングラスを持ってなかったのか問題。
「暗くて見えない」問題につきましてはみなさん、部屋を真っ暗にして見ましょう。
etc...