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主に映画の感想文を書いています

「シャザム!(2019)」雑感

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ハーレイ・クイン(略)』の公開前にDCエクステンデッド・ユニバースの未見作をもうちょい追っておこうということで、一昨前にあたる『シャザム!』観ました。これは公開当時うっかり行きそびれてしまった作品。行かなかったことを後悔してます。めちゃくちゃ良かった!

あらすじ

幼い頃に母と生き別れた少年ビリーは、里親のもとを度々抜け出しては母親探しをしていた。今日もまた新たなグループホームに渋々入った彼だったが、時を同じくしてひょんなことから無敵のスーパーヒーロー「シャザム」になる能力を授けられてしまう(ちょっと何言ってるかよくわかんない)。血の繋がりに囚われた少年が、真の家族を見つけるまでの物語。

雑感

ワンダーウーマン』『アクアマン』と良作続きの後だったので間違いないだろうとは思っていましたが、それにしても良かったです! というか好きでした。すごく。

好きなポイントをどんどん挙げてみよう!

古き良きエンタメ大作の香りが好き
主人公が子どもであることからくるアットホーム感だったり、なんかそれっぽい劇伴だったり、非常に「古き良きエンタメ大作の香り」がする映画でした。姿を変えることで人間関係を深めるというシナリオ的にも、リブート版『ジュマンジ』の2作目『ジュマンジ/ネクスト・レベル(2019)』が特に印象として近かったかなあ。実際の「古き良き」よりも、その雰囲気を継承した最新の「古き良き」感が絶妙!って感じです。

能力を授かる異世界の神殿みたいなところに導かれる流れとかもいちいちいいんですよね。乗ってた自動車や電車から突然人が消えて窓の外が凍っていって…、もしくはどこでもドアみたいな「扉」が現れて…、わくわくする! わくわく大事!

主人公の顔が好き
シャザムに選ばれた少年ビリーを演じるアッシャー・エンジェルくんが、わたし普段あまり同性にこういう感覚は覚えないんですが、すごい顔が好き!と開始早々に思って(笑) その理由がですね、『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズのアリア・スタークことメイジー・ウィリアムズに似てるから!っていう。

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上が初登場シーンのアッシャー・エンジェルくん、下がメイジー・ウィリアムズ(女の子です)。太い眉、垂れ目、鼻、口元、めっちゃ似てるじゃん!と。特にこの、不敵な笑みをしたときがそっくりで。メイジー好きなわたしとしては同種のお顔が刺さってしまったのでした。ちなみに本作でも一瞬『ゲーム・オブ・スローンズ』ネタ出てきますね。そんな陰湿な家じゃなかろうて。

義理の家族たちも好き
本作ですごいなあと思ったのが、軽いテイストでさくさく進んでいくわりに人物描写がしっかりしていること。グループホームの最年長メアリーを例にとってみても、大学進学が決まったときにちゃんと「寂しさ」が伝わってくる。そこまで細かく描かれているとも思えないのに。

これはひとえに、グループホームの空気感作りが成功しているからなのでしょう。登場シーンこそ各々さほど多くないのに、初対面にして親近感と居心地の良さを覚えさせられてしまう奇跡的なキャスティング! 『ストレンジャー・シングス』シリーズのウィノナ・ライダーとホッパー署長を彷彿とさせる家主夫妻と、絶妙なキャラ付けの子どもたち。あの家に入った瞬間、もう大丈夫だという安心感がすでに出来ている。そのおかげで、のちのメアリーの「あの家を出たくない」気持ちがすんなり理解できる。すごい…!

先日『ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018)』の感想で親子の関係とかあんま興味ない〜〜と書いていたわたしですが、疑似家族には弱いなあと思いました。血よりも濃いものが好き。

斜に構えてないヒーローが好き
本作のヒーロー「シャザム」は、まあとにかく斜に構えてなくて、自己肯定感も高くて、見た目は究極にダサいけど好感しかない存在でした。見た目は大人、中身は子ども、ってのがじつにうまく作用してました。なんなら元のビリー少年より頭悪そう。身体能力と引き換えに知能奪ってそう。ヒーローにありがちな葛藤とか無縁ですからね。いいですね。

さっき「どこでもドアみたいな」なんて書きましたけど、どこか適当に思い浮かべて!と言われたシャザムら一行の「飛んだ」先がストリップクラブ、とかいうのも、まさに毎回しずちゃんのお風呂へ飛んでしまうのび太と同レベルのお話で。あー楽しい。平和でいいわ。

そんな具合に、とにかく好みな温故知新のファミリー・ヒーロー映画でした。近年のアメコミ映画でも屈指のバランス感覚を持った作品だと思います! ちなみに「シャザムはキャプテン・マーベルだった」、という複雑なエピソードも。アメコミの世界は深いですね。 最後にあるザッカリー・リーヴァイの発言がすてきでございます。これを読んだので、今回もつい何かと比べたくなってしまうところ、ぐっと我慢しました(笑)

(2020年45本目/Netflix

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