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主に映画の感想文を書いています/NY旅ブログも連載中

シュガー・ラッシュ:オンライン(2018)|ディズニーが強すぎる

キャンペーンがあるということで、ようしここはいっちょ小粋な文章を、と勇んで観に行ったのですが、ディズニーの強さにノックアウトされてふらふら帰ってきました。「ディズニーが強すぎる」の10文字で済んじゃう。さよなら小粋な文章。


予告編で興味をそそられたシーン、なぜか勢揃いなディズニープリンセスたちに取り囲まれた主人公ヴァネロペ、の構図。これは客寄せプリンセスなのかな?と思っていたらどっこい、あの予告で感じた「おもしろそさ」が何倍にも膨らんだような映画でした。

シュガー・ラッシュ」ってそもそも観たことないけどなんであの子がプリンセスの一員になってるの? と疑問を抱く人も多いかも。そこはやっぱり前作を観ておいたほうがしっかり楽しめると思うのですが、ここでその内容に触れてしまうと前作のお楽しみが減っちゃうのでぜひご覧くださいませ。一時間半くらいで観終わる信頼のディズニー映画。とってもおすすめです。

なんて言いつつ、わたしも前作を観たのは「オンライン」を観に行く前日。というか、前作がことのほかよかったので間髪入れず観に行ったのでした。

一応ざっくり前作からの世界観だけを説明すると、ヴァネロペたちは老舗ゲームセンターのアーケードゲーム機で暮らすキャラクター。夜になりお店が閉まると、ゲーム機の繋がれた電源ボックスにはいろんなゲームの住人たちが「トイ・ストーリー」さながら集まってきます。

ある日、電源ボックスに新しいプラグが差し込まれて、新しいゲームだ!と盛り上がるヴァネロペたち。でもそれはゲーム機ではなく、Wi-Fiルーターでした。ウィーフィー? なんじゃこら? というのが今回の「オンライン」なお話。


前作があまりによくできた作品だっただけに序盤こそ「ちょっとヌルいんじゃないの」なんて思ったりもしましたが、こちらも予告で印象的だった「インターネットの世界」が視界いっぱいにひらけると「はいもう好きー」っていう感じで無条件降伏しちゃいます。

身近だけど目に見えない世界が可視化されるのって、単純にめちゃくちゃ楽しい。「サマーウォーズ」しかり、それこそ「はたらく細胞」とかもそうかな。

サマーウォーズ

サマーウォーズ

初めて開通するシーンのジェットコースター的演出がまたうまくて。落ちるッ…!と思ったらそこはまだ静まり返ったルーターで、でも次の瞬間にはネットの波にドドンパされてスパーンッ!はいこれがインターネットでーす!!っていうあの快感。映画館でこそ得られるエンタテインメント。「サマーウォーズ」を公開当時に観れなかった悔しさがやっと成仏したかもしれない。

馴染みのいろんなものが擬人化?アバター化?されてるのもいちいちツボで、ポップアップブロッカーさんとかですね、通知くんとかですね、検索エンジンさんのサジェストっぷりとかですね、そういえば確かにお礼言ってないなあとかですね、このへんの感覚はやはり「はたらく細胞」のそれですね。

前作公開の2012年から6年でインターネットもだいぶ変わってます。本作では「人気YouTuberになってお金を稼ぐぞ!」というすっかり今っぽい展開も。こういう要素ってまた6年後に観たらどう見えるのかな、使い捨てエンタテインメントになってやしないかな、と思わなくもないですが、まあ今現在全力で楽しいエンタテインメントは正義だよね、ってことで。

で、そう、限られた時間で「いいね」を稼ぐためにヴァネロペがひとり「アドっ娘」として飛ばされた先が、ディズニーチャンネルみたいなとこだったわけです。このくだりがとにかく「ディズニーが強すぎる」。正確には「今のディズニーのコンテンツ力が強すぎる」。スターウォーズとマーベルを手にしたディズニーの「全部入り」は、やばい(語彙力)。

スターウォーズはまだしもアベンジャーズディズニープリンセスが共存している世界の絵面はこれ、たいへんですよ。先日あっちのユニヴァースに旅立たれたスタン・リー御大も、こんなに早くCGの姿でお会いできるとは思いませんでしたよ。マーベル好きな人ならきっと本作、楽しい以前にまず嬉しいです。

そして、あの「プリンセス部屋」からの展開がまた、完璧! メタ認知したディズニーが強すぎるのは「ウォルト・ディズニーの約束」などでも思い知らされたことですがその比じゃない。予告編の最後に出る「ディズニー、ここまでやる!?」の煽りはダテじゃない。特に「あの最重要パーソンの起用」は最強に「ここまでやる!?」じゃないでしょうか。総じて豪華すぎるエンドクレジットにご注目を(ヒント:音楽)。

既存のコンテンツを再利用してカタルシスを生み出すタイプの映画、例えば今年大いに楽しませていただいた「レディ・プレイヤー1」みたいな作品が増えてきていて、前述した「使い捨てエンタテインメント」の懸念を感じたりもしつつ、予備知識を前提としたエンタメ作品というのは昔からずっとあるものだし、今の時代をかたちづくっている文化がこうやって歴史に昇華していくのかなとも思います。

音楽のカヴァーと同じで、それまで手に取ることのなかった作品に触れる機会になるのもいいですよね。わたしの場合は、あのディズニープリンセスたちのメタな会話にもっと笑いたい。彼女たちの映画をちゃんと観なければ。

というわけで、相変わらずあっちへ行きこっちへ行き、小粋とは無縁な感想文。まとまらない感想をつらつらと書くのは楽しい。なんだかんだ今年は250本近く映画を観て、そのすべてに感想ブログを書きました。この捌け口、インターネットがなかったらどうしてたんでしょうね。ヴァネロペ同様、インターネットに出会えてよかった人です。

と、それっぽく締めておきます。

(2018年243本目 劇場鑑賞)

映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」の感想 #シュガラお題

sponsored by 映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」(12月21日公開)