ウォルト・ディズニーの約束 MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2014/08/06
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メリー・ポピンズ 50周年記念版 MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2014/03/05
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あらすじ
1961年。ウォルト・ディズニーは、20年前からあたためていた「メリー・ポピンズ」映画化計画を本格的に進めるため、原作者のP.L.トラヴァースをロサンゼルスへと招く。しかし念願叶って対面した彼女は想像以上に頑固で厄介な原作者だった。契約書にはサインをしないまま、脚本や設定、楽曲、そもそも映画化という行為自体にダメ出しを重ねる日々。「ディズニーさん」の口約束を確実なものとするため、ミーティング部屋では常にテープレコーダーも回っている。さすがのウォルトも頭を抱えるが、自分自身も「ねずみ」に彼女と同じようなこだわりを持っていたことを思い出し、粘り強く対応する。
「頑固な原作者」を貫くトラヴァースには、それなりの理由があった。時は1907年へと遡る。
雑感
タイトル自体は目に止まりやすいので知っていたのですが、「メリー・ポピンズ」について扱った映画だということはつい最近知りまして。「メリー・ポピンズ」を観たあとだと「Saving Mr.Banks」という原題めちゃくちゃいいじゃん!と思うんですけど、おそらく欧米ほどに「メリー・ポピンズ」のお話が浸透していない日本においては「バンクスさんをたすけて!」とか言われたって目にも止まらないんじゃないかと。ということではまあ、目には確実に止まるのでこの邦題でよかったのでしょう。
ですがやはり本作の内容は「メリー・ポピンズ」を観ている知っていることが前提だと思うので、となると「Saving Mr.Banks」でもいいんじゃ…まあいいか(笑)
細かいことは抜きとしまして、とても素晴らしい映画でした。ウォルト・ディズニーの伝記映画であり、P.L.トラヴァースの伝記映画であり、シャーマン兄弟の伝記映画でもある本作。特にシャーマン兄弟が大きく関わっていることで、往年の伝記映画っぽさが強まって個人的に好みでした。リチャード・ロジャースとロレンツ・ハートを描いた「ワーズ&ミュージック(1948)」、ハリー・ルビーとバート・カルマーを描いた「土曜は貴方に(1950)」など、作詞作曲コンビの伝記映画、好きなんです。
ウォルト・ディズニーの伝記映画というのはこれが初なんだとか。ウォルトを演じているのはトム・ハンクスですが、トム・ハンクスってすごいですね。「ハドソン川の奇跡(2016)」もそうでしたけど実在の人物を演じさせたときの「トム・ハンクスじゃなさ」が見事というか。憑依とかいうのともまた少し違う、なんの違和感もなく「本人」だと思って見れる感じというか。元々あまり好きじゃなかったトム・ハンクスに最近だいぶ感動させられてます。
P.L.トラヴァースを演じるエマ・トンプソンも、じつに憎たらしい頑固ババアを好演してらっしゃいまして。ホテルにチェックインしたときの「ディズニー流ルームメイク」をボッコボコにdisるくだりとか最高でした。あれが公認とは、意外とディズニーやわらかい…。ビジュアル的にはなんとなくトラヴァースご本人よりもジュリー・アンドリュース=メリー・ポピンズ寄せ?みたいなキャスティングに感じました。
でまあ驚いたのがトラヴァース女史の半生。あんな映画みたいな過去があったとは、そりゃ映画にもなります。1907年の美しくも悲しいパートがあることで生じる独特な雰囲気が本作の魅力です。幼少期を演じる女の子も名優だし、トラヴァースの父を演じるコリン・ファレルもよかった。シーツのシーンも相まって、すごくP.T.バーナムっぽいなと、「グレイテスト・ショーマン(2017)」っぽいなと思ったりもしました。
本作、もし未見であれば「メリー・ポピンズ」を観てから、だいぶ前に観た気がする〜程度であればやはり再度鑑賞し直してから観ることをおすすめします。こんな「戦い」の末に生み出されたのがこの「メリー・ポピンズ」なのか、ということの感慨深さはかなりあると思います。そしてもう一度「メリー・ポピンズ」が観たくなるはず。「2ペンスを鳩に」や「凧をあげよう」が涙なしには聴けなくなってしまう、はず。ええ、泣けます本作、はい。ちょっと反則的なところはあるけれど。
というわけで、ノンフィクションとフィクションの塩梅が絶妙な、「ウォルト・ディズニーの約束」というゆるっとしたパッケージングがもったいなく感じる良作でした。ところで、「雨に唄えば(1952)」でもチャイニーズ・シアターが出てきましたが、やはりプレミアといえばチャイニーズ・シアターなんですね。いつかあそこで映画観てみたくなりました。
(2018年179本目)