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主に映画の感想文を書いています

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017)

f:id:threefivethree:20190306191419j:plain大統領の陰謀」という1976年の映画があります。1972年に発生したウォーターゲート事件についていち早く調査・報道したワシントン・ポスト紙と記者たちのお話です。

この映画が公開されてから40年、スピルバーグ監督が「レディ・プレイヤー1」を作りながら器用に平行製作した本作「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」は、「大統領の陰謀」の前日譚にあたります。

ペンタゴン・ペーパーズ」でストーリーの中心となるのは、1971年当時まだ地方紙だったワシントン・ポスト紙の女性社主キャサリン・グラハムと、編集主幹のベン・ブラッドリー。ベトナム戦争のさなか、今おこなわれている戦争に大きく関わる超センシティブな情報を報道するか否かの決断をしなければいけなくなった報道人たちのドラマです。

大統領の陰謀」がま〜おもしろい映画で、銃のドンパチはないけれどタイプライターと電話で壮絶なバトルが繰り広げられる、そんな映画だったんですけども。本作も冒頭いきなり「ベトナムの戦地とタイプライター」という構図から始まるあたり、大いにリスペクトを感じました。

この感想記事でも結構細かく書いていましたが、電話の内線芸だとか、フェティッシュにクローズアップされた写植機や活字だとか、そういったところもしっかり継承されていて、「大統領の陰謀」が好みだった人にはドンピシャリ刺さる映画に仕上がっていると思います。すごく地味だったはずなのにいつのまにか身を乗り出すほどおもしろくなってて戸惑う映画です。

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大統領の陰謀」より。他人の通話を内線で聞きながらリアルタイムに調べたりする「内線芸」が頻繁に登場する。ボタンを押す様など、いちいちかっこいい。

主役のキャサリンとベンはもちろんそれぞれ実在の人物です。ベンは「大統領の陰謀」にも登場します。ここからちょっと、わけのわからなくなる画像を次々と掲載します。

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実際のキャサリンとベン

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ペンタゴン・ペーパーズ」のキャサリンとベン

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こちらも実際のキャサリンとベン、とさっきの内線芸してた二人(の本物)

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同じような顔ぶれの、こちらは「大統領の陰謀」の劇中シーン

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こちらは「ペンタゴン・ペーパーズ」の劇中シーン

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上と同じアングルの「大統領の陰謀」の劇中シーン

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大統領の陰謀」の編集部シーン

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ペンタゴン・ペーパーズ」の編集部シーン

いかがでしょうか。よくわかりませんでしたね。個人的にはこういうの大好きなのでひとりめちゃくちゃテンション上がっております。楽しい。

そういえばキャストすら書いていませんでしたが、キャサリンを演じるのはメリル・ストリープ。ベンを演じるのはトム・ハンクス。どちらも流石の大ベテラン、素敵です。トム・ハンクスはとにかく実在の人物をやらせるとトム・ハンクス臭さが薄れて非常に好き!というのを何度も書いている気がします。

物語の面では、報道に携わる人間としてのプライドが非常に痺れる映画です。メディアと政治家の関係っていうところは特におもしろくて、ベンは生前ケネディ大統領と親しくしていたけれど、そのうえで「最高機密文書」の内容を知ってしまった今どうすべきなのかという話とか、唸らされてしまいました。

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劇中にも登場したケネディ夫妻とベン夫妻?の写真

会話の中でベンが何度も「ジャッキー」の話をしていて、これがケネディ大統領夫人のジャクリーン・ケネディを指しているということは「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命(2016)」を観ていなかったらピンとこなかったかもと思うので、観ててよかったナタリー・ポートマン

少しずつ強くなっていくメリル・ストリープのキャサリンもようございました。男たちに囲まれ威圧されながら毅然と決定を下したあとの「私は寝るわ」が、かっちょえ〜。

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1971年み溢れるこの写真、最高によい。

というわけで「大統領の陰謀」とごっちゃ混ぜで書いてきましたけども、前日譚というのはどれほど前日譚なのかというと、これは完全に狙ってのことだと思うんですがずばり「大統領の陰謀」のオープニングと同じシーンで終わります。えっまじか!!ってなります。To Be Continuedです。

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おまけになんと今、映画館で「大統領の陰謀」が観れます! 毎度お馴染み「午前十時の映画祭」、今年度の最終枠です。言ってしまえば映画館で「ペンタゴン・ペーパーズ」の「続編」が観れます! 2019年3月28日まで!

それからさらにもう一本、また違う視点から作られた関連作品があるようなのでそちらのほうも近々観てみるつもりです。こういろいろ繋がってくると映画は俄然楽しいのです。

(2019年25本目)

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