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主に映画のあらすじと(まとまりのない)感想文

リトル・ヴォイス(1998)

リトル・ヴォイス [Blu-ray]

リトル・ヴォイス [Blu-ray]

ブラス!(1996)」のマーク・ハーマン監督作品。「ブラス!」はだいぶ前に観たけどどんな話だったか思い出せない…。ダニー・ボーイか、あれか。

あらすじ

大好きだった父親に先立たれ、粗暴な母親と暮らすローラ。すっかり口もきかなくなった彼女のことを母親は「LV=リトル・ヴォイス」と呼び、彼女はそんな母親から逃れるように二階の部屋へこもっては父が遺した古いレコードを大音量で聴いていた。

ある日、母親が家に連れ込んだ男は二階から聞こえる歌声に耳をとめる。ブレーカーの落ちた家に響く声の主はローラだった。レコードを毎日聴いているうち、彼女はジュディ・ガーランドマリリン・モンローなど往年のスターそっくりに歌えるようになっていたのである。業界関係者だった男は、彼女をステージに上げて一山当てようと目論む。

ユアン・マクレガーも出てるよ!(あらすじに入り込む余地がなかった)

デス・ヴォイス気味の文章で失礼します

素人が一躍スターになるわけでもなく、どうにか説得して一度はステージ立たせてみたものの「一度しかやらないって言ったもん。もうやんないもん。わたしハトさん飛ばします」って伝書鳩トレーナーのユアン・マクレガーんとこ行って終わり、っていう。な、なんだったんだ…!

設定はおもしろいと思ったんですが、いざ観てみると「うん? なかなか独特な味だね…!」と言葉を濁したくなるような映画でした。他の方の感想で「この映画はとても出来が悪い」というのを見かけて、ああそうなんだよなあという気持ちに。つまるつまらないというよりも「素材はいいのに料理がお下手」っていうタイプのやつかなあと。もしくは、最初にキャビアどーん!フォアグラどーん!って見せといて結局食卓には登場しないとか。あれは??あれは出てこないの??みたいな。なんかそういうとこあるなあって感じです。

主演のジェーン・ホロックスさんは本当にジュディ・ガーランドマリリン・モンローの声色が出せる人で、映画の元となった舞台も彼女のために当て書きされたされたものなのだとか。つまり歌声は吹き替えではない本人のもの、ということになるんですが、そのへんの活かせてなさがまず残念です。せっかくお膳立てしたショウもブツ切りでしか見せてもらえないし。せめてそこくらいは見せてよ! キャビア乗せた皿ちらっと見せてからまた厨房に戻すのやめてよ!(喩えがよくないかもしれない笑)

あとはその往年の名曲たちの使い方がやはり雑というか。ひたすら「目配せ」されるだけというか。序盤でジュディ・ガーランドverの「ザッツ・エンタテインメント」が流れたときは興奮したけれどかたや画面では「そっちの〝お楽しみ〟かよ」とか、全体的に「オズの魔法使(1939)」ネタを盛り込んでるっぽいけど火事のシーンで逃げ遅れながらの「おうちが一番!」とか、普通に狂気! お熱いのがお好きとか言ってる場合じゃないから!

キャラクターも、ローラとユアン・マクレガーの内気カップルが微笑ましく愛を紡いでくれるぶんにはいいのだけれど、なにせ外野がうるさい(笑) ただでさえ彼らリトル・ヴォイスなもんだから完全に潰されちゃっておる。ちょいとすみません汚い言葉を使うと、性欲ババアがうるせえ! いやはや、ちょっとしたアクセント程度だったらああいうキャラもいいですよ。しかしああも出ずっぱりだとしんどいっすね。そらリトル・ヴォイスにもなるわ。そこんとこのちょっとしたカタルシスはよかったです。「オズ〜」の魔女とかイメージしたのかなあ…。

なんか書いてるうちに言葉を濁すどころじゃなく不満たらたらになってきましたが。そもそも強引にスカウトしてきていきなりアカペラで舞台に放り出すとか、ひどいじゃん。そら歌えないじゃん。っていうかそんな状況でもしっかり「ハッピーバースデー・ミスタープレジデント」とかシャレの効いたやつ盛り込んでるんだから評価してあげるべきじゃん。ローラかわいそすぎるじゃん。

エンドロールが「ショウほど素敵な商売はない」なのもモニョッとします。なんとなく使いたかっただけちゃうん。だめだ、全部イラついてきた(笑)

というわけで非常にモニョッとしますがヒロインのジェーン・ホロックスさんはとても可愛らしいですし正直いてもいなくてもいいんじゃね?って感じのユアン・マクレガーもたいへん好青年で好感持てます。願わくばこの若い二人だけの映画が観たかったです。ぜひ一度ご鑑賞ください! シネマハスラーみたいになっちゃった!

TAMAFLE BOOK 『ザ・シネマハスラー』

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(2018年146本目)