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主に映画の感想文を書いています

バーレスク(2010)

歌手のクリスティーナ・アギレラが主演をつとめたミュージカル映画

あらすじ

歌手になるという夢を叶えるため単身ロサンゼルスへ出てきたタフなアイオワ娘、アリ。職探しの最中に出会った「バーレスク」という店で彼女は自分を猛烈に売り込み、念願のステージデビューを果たす。抜きん出た歌唱力とパフォーマンスで一気に店のトップへと登りつめるアリだったが、資金難により存続の危機にあった店を救うにはまだ力不足だった。そんなある日、店の正面にそびえる高層マンションを見上げたアリは妙案を思いつく。

物語はハッピーエンドがいいよ

LAを舞台にした夢追い人の物語ということで(しかもヒロインの本名が思わせぶりにアリス*1)、どうせビターな味わいのやつなんでしょ!と身構えながら観ていたら、まさかのハッピーエンド。「マルホランド・ドライブ(2001)」みたいな臭いを漂わせているくせに、これは嬉しい誤算です。

ビターな映画は好きですけども。ですけども。そういう味付けの作品ってとにかく多いんですよね。なんかもうLA舞台だったら大体バッドエンド夢エンドだろうと思ってしまうんですよ。そんななか、夢追い人のくせして妄想に逃げ込むこともなくストレートなハッピーエンドを果敢にも選んだ本作、それだけで貴重な作品だし、細かいことは抜きで素晴らしいです!

ショーパブ的なお店での華々しいステージと、バックステージでの人間模様。いろいろありーのハッピーエンド。この感じはそれこそ1930〜40年代の量産型ハリウッドミュージカルスタイルと言えるかもしれません。露出度高めな環境のわりにこれといった濡れ場がないのも共通点(笑) そういえば「ラ・ラ・ランド(2016)」も意外にベッドシーンのない映画でした。あれも、昔のミュージカル映画に対するリスペクトだったのかも。

ずっと「ムーラン・ルージュ」の冒頭だけを観ていたい

のっけからダイヤの曲を歌ってるもんで、連想するのはやはり「ムーラン・ルージュ(2001)」じゃないでしょうか。あれも本作と同じようなテイストで華々しく始まりますが、まあもう、そのうちビターになっていくわけで、最初のほうの感じで最後まで観たいなあとわたしは思ってしまったりします。そんなときは「バーレスク」だ! はい、本作は最初から最後まであの華々しさが続くので、いつまでも「ムーラン・ルージュ」の冒頭だけを観ていることができるのであります。ありがたい。

いまいち正式な邦題がわかりませんが「ダイアモンドは女の親友(Diamonds Are a Girl's Best Friend)」はほんと、心踊る楽しい曲ですね。この曲が好きで、かつ未見でしたら「紳士は金髪がお好き(1953)」の鑑賞はマスト! 嫌味がないのにフルスロットルで可愛い最強のブロンド、マリリン・モンローを堪能できます!

ブロンドといえば主演クリスティーナ・アギレラも素敵なブロンドで、照明の当て方がうまいな〜〜と惚れ惚れしちゃいました。ジェニファー・ローレンスとか、こういうちょっと薄めでファニーフェイス気味なブロンド女性好きなんですよね。途中で出てきたショートボブのウィッグ姿も破壊的に可愛かったですが、ゆるふわにおろしてる系がやはり特によいですね。

音楽に関してはアギレラやシェールさんの歌声含めそこまで好みではなかったので特筆しませんが、やたらとドラムのタムの音が良くて「おおっ」となりました。ちゃんと音に合わせてるのか、すごい深胴のタム使ってるんです(でも一度だけ違うドラムセットになってるっぽいシーンがありました。ミス…?)。あと「憧れのバーレスク」、これも好みの問題かとは思うものの、ずっと作ってた曲がそれ???っていう拍子抜け感がわたし的には少々。

いい意味での拍子抜け案件は「空中権」ですかね。まさかの、そういう解決策にいくんかい!っていう。ちょっと作品のテイストからは浮いてない???っていう。ただ、そこが良かったとこでもありまして、なんせハッピーエンドに慣れてないもんだから…。思い返してみれば最初からしっかり伏線は貼ってあったし、なかなかおもしろい展開だったと思います。なにより人が死ななくてよかったよ!

(2018年120本目)

*1:不思議の国じゃなくて「鏡」の国だったのかなあ、とか思ってみたり。