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あらすじはあるようなないような
舞台は北イタリアの小さな港町、1935年くらいらしいです。春の訪れから始まり、春夏秋冬駆け巡ってまた春が来て終わります。「アマルコルド」というのは「私は覚えている」という意味の言葉で、フェリーニ監督の若い頃の記憶を描いたような作品なのだとか。
物語の中心にはチッタという少年が一応いるのですが、「まだ半ズボン」な彼が性に目覚めまくっていたり歳上の女性に恋心を抱いていたり、という感じ、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の「マレーナ(2000)」に強い影響を与えてるのかな?と思いました。
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「ジンジャーとフレッド(1985)」という映画を撮っているフェリーニですが、劇中で一度だけでっかくフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのポスターが出てきます。絵柄的に「艦隊を追って(1936)」かなと思いつつ、少し見えている文字から調べてみたところ「Voglio danzare con te=踊らん哉(1937)」のようでした。どちらにせよ微妙に1935年じゃないけど、そこはまあイメージか。
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不意打ち名シーン
フェリーニにありがち、ちょいちょい眠くなりながらの鑑賞。が、油断してるとたまに名シーンっぽいのが現れます。要注意。まず、真夜中に手漕ぎボートから豪華客船を見送るシーン。突然スケール外になります。未知との遭遇か!っていうレベルの映像体験になります。不意打ちすぎ。「レックス号」と呼ばれるこの豪華客船は実在した船のようです。
それから、雪のなか舞い降りてきた孔雀のシーン。いきなり孔雀???ってなりますが、細かいことはさておき、雪と孔雀のマッチングはとても美しいです。ただ、孔雀は不吉な鳥でもあるのだとか。このすぐ後に主人公の母親が死んでしまうことと無関係ではないのでしょう。
他にも、前半でやたら意味ありげに登場するアバズレ女みたいな人とか、何度もやたら爆走しては去っていく重量感200%のバイクとか、たまに登場してはメタ的解説をしてくれる謎のおっさんとか、突然挟み込まれるインド映画みたいなのとか、巨乳大攻撃とか、木の上で「女が欲しい!」と叫び続ける40代男性とか、すげえフェリーニっぽいラストの結婚式シーンとか、好きなシーン、もしくは好きでもないけど印象的なシーンってのが数多くありました。
フェリーニって、好き嫌い関係なく印象には間違いなく残るのよね…。彼そういうところあるのよね…。だから懲りずに観てしまうのよ…(しくしく)。
(2018年117本目)