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主に映画の感想文を書いています

3人のゴースト(1988)

3人のゴースト [DVD]

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ビル・マーレイ主演のクリスマス映画。うん、また中途半端な時期にクリスマス映画を観てしまった…。

あらすじ

人のことなど一切思いやらないクソ人間な社長が、現在過去未来を強制的に見せられて改心する話。

クリスマス・キャロル」のストーリーを現代風にアレンジしたものだそうですが、わたし「クリスマス・キャロル」の内容を知らないので普通に「おお、なかなか斬新」と観てしまいました。どこまでをこの映画の感想として語ればいいのかが微妙にわからん。あと、同じ時期に「ゴーストバスターズ」にも出てるビル・マーレイ、ゴーストに人気あり。

主人公のフランクは、若くして大手テレビ局の社長となった人物。仕事が一番、出世が一番、視聴率が一番。とにかく自分のことしか考えていない無慈悲な男。ていうかほんとクソなの。クソ・オブ・クソなの。

クリスマス・イブのテレビ特番として「スクルージ(はクリスマス・キャロルの主人公の名前だそう)」という生放送のショウを企画していたフランク。でも彼自身はクリスマスが大嫌い。クリスマス精神とは真逆の言動をしまくります。そんな彼のもとに「過去のクリスマスのゴースト」「現在のクリスマスのゴースト」「未来のクリスマスのゴースト」が次々に現れ、現在の彼を形作った過去のあれこれ、起こりうるであろう近い未来のあれこれを強制体験。たまらず心を入れ替えたフランクは、生放送の最後にカメラの前に立ちはだかりクリスマスの何たるかを熱弁します。どの口が言ってんだ!

クリスマスとタイムスリップ

素晴らしき哉、人生!(1946)」といい、これはいずれも「クリスマス・キャロル(1943年出版)」の影響下にあるということになるのか、クリスマスとタイムスリップというのは相性がいいんですね。本作でも特に「過去のクリスマスのゴースト」で出てくるタクシー型タイムマシンがいい味出してて好きです。最初に1955年へ戻るのって「バック・トゥ・ザ・フューチャー(パート1/1985)」オマージュだったりするのかしらん。あと、数年前にやってたバカリズム脚本のドラマ「素敵な選TAXI」もこのへんが元なのかなとか。

テレビという媒体をうまく使ったストーリー展開はうまいと思うんですが、みんなが同じテレビを観てたような時代じゃないと成立しないお話ではありますね。大晦日に紅白で愛の告白をしたとて、想い人はガキ使を観てるかもしれない時代ですからね(笑) それでもまだテレビ観てるだけマシか。

日頃から善行の塊だった「素晴らしき哉、人生!」の主人公と違って本作の主人公はクソ・オブ・クソなので、そんな白昼夢レベルのやつで改心する??ほんと??明日には戻ってるやつでしょ??とか疑わしく感じてしまって、おもしろかったけど「いい映画!」ってほどではないな、って感じでした。わたしにクリスマス精神が足りてない。6月だから仕方ない。

(2018年116本目)