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主に映画の感想文を書いています

坂本真綾LIVE TOUR 2011 "You can't catch me" / 中野サンプラザ(2011/03/31)

坂本真綾(Vo)
北川勝利(Gt/Band Master)
奥田健介(Gt)
扇谷研人(Key)
千ヶ崎学(Bass)
佐野康夫(Drums)
ハルナ(Chorus)
戸田和雅子(Chorus)

震災の影響で仙台および札幌公演が中止になってしまった坂本真綾LIVE TOUR 2011 "You can't catch me"。決断までには多くの葛藤があったと思われますが、そのあとの大阪名古屋、そして東京公演は決行となりました。ただし、大掛かりな舞台セットは排除(トラックを三台から一台へ)、機材の電源も電源車から供給させる方式での開催です。

入り口では坂本真綾本人からの、ライブ開催にあたって彼女なりの考えが書かれたメッセージを配布。チャリティーグッズの販売や、募金箱も設置されていました。そんな少し特殊な状況でのライブのレポートを、うまくまとめられないかもしれませんが書いてみます。

寒かったので開場と同時に入場。舞台には、演奏者用の小高い部分があるのみ。本来はジャケ写にあるロンドンバスの頭がど真ん中にあったり、スクリーンも置かれていたようですが、そのような舞台セットは排除されていました。でも会場の少しおしゃれな緞帳のおかげか、貧相な感じはありませんでした。なかなか内容の濃いパンフを読んでいたら一時間はあっという間に過ぎ、開演時間に。

ほぼ定刻、客電が落ちると真綾を先頭にバンドメンバーが袖から歩いて登場。演奏には入らず、まず真綾がゆっくりと話し始めます。「こんばんは、坂本真綾です。数ある選択肢のなかから、今日ここに来ることを選んでくれてありがとうございます。仙台と札幌の公演は中止となってしまいましたが、たくさん考えてツアーを再開することにしました。再開にあたっての私の気持ちは、お配りした紙に書いてありますのでよかったら読んでみてください。今日ライブのなかでそのことについて特別にお話しすることはもうありません。今日、今しかできないライブをしていくのでよろしく!」。本当ならあったはずのオープニングムービーをカットしてこのような言葉から始まったこのライブ、まだ一曲も始まらないうちから、今日は特別な日になる気がしました。

ちょっと油断していると、スピード感のあるピアノのフレーズが繰り返し鳴り響き、ライブスタート。ここからはまともに文章書いてると収拾つかなくなるのでセットリストを追って記憶にあることをちょこちょこと書いていくスタイルでいきます(ちょこちょこ、で済む気は全くしていないが)。

01. eternal return

最新作「You can't catch me」より、一曲目を飾るピアノロックがそのままライブの一曲目に。イントロのピアノは倍の長さになっていました。力強い曲だけど一曲目からでどれくらい声出てるかなと何様的な心配をしていたのも束の間、あまりに力強く覇気のある歌声に圧倒。坂本真綾ってこんなに歌える人だったんだ…と、本当に失礼ながらそれが率直な感想でした。でも多分こんな状況だったからこそ、ツアー前半の「eternal return」とは全く違う「eternal return」だったのではないかなと勝手に思っています。

02. 秘密

こちらもアルバムの流れ通り。パワープッシュされてたわりには僕のなかで地味な曲なのでそこまで記憶はありませんが、ただひとつ覚えてるのは途中のドラムソロ(というか長いフィル)の部分、CD音源のカースケさんのフレーズをそのまま叩くのかと思いきや、佐野さん全く違うソロを叩いててゾクッ。ふわわわたまんねえ…。なお、ライブ中は基本、真綾と佐野さんをなるべく同時に視界に入れるスタイルで鑑賞しておりました(笑)

そのまま三曲目突入。とぅーるるっとぅるっ、とぅーるるっとぅるっ……この曲なんだっけ……うわなんだっけこの曲、いかん知ってるけど思い出せない…。メロディからして間違いなく菅野さん時代の曲だけど…ええと……、やさしーいーキミド…キミドリ!キミドリ?!ええっ?!

03. キミドリ

というわけで、いきなりものすごくレアっぽい曲来ました。キミドリっていつの曲なんだっけか? ファン失格だなと思いながら調べる。「白中探険部」というゲームの主題歌で(本人曰くゆるーいゲームらしい。ナップルテールといい、そういうゲームに縁があるようですな)、「ニコパチ」が初収録のようだ、カップリングとかじゃなかったのか。本人コメントでは「10年後の私たちへ」と書かれている。まだ8年ぐらいだけど、やるタイミングとしてはまあ近いか。

さておき! キミドリ格好良かったです。地味な曲だと思ってたけど一気に好きになってしまいました。

ここでMC。「こんばんは、坂本真綾、31歳です!」。そう、この日は真綾の誕生日! 「去年は30歳になってすごく嬉しかったんですけど、今年は31歳で、さんじゅういちってなんか…微妙ですよね」と誕生日早々自分の年齢にケチをつける真綾w なにはともあれ、誕生日公演が無事に開催できて良かったなあとわたしは思ったのでありました。

今日は懐かしい曲もたくさんやっていきます、ということでキミドリの説明。実際これニコパチ持ってないと知らない曲だと思うので、知らない人も少なからずいたんじゃないかなあ。ここで真綾、かつて所属していた「劇団こまどり」という劇団についての話を始めます。ほうほうと聞いていると、「もう分かった人もいると思いますが(笑)」む、まさか…「こまどり…こまどり…キミドリ!」ということで、この曲は「こまどり」のメンバーに向けた卒業ソングだったのだそうな! 「優しいキミドリ」は「優しいこまどり」なのだそうです。「そろそろ明かしてもいいかな?と思いまして」とのこと(笑)

キミドリだけでこんなに書いてしまって先が怖いところですが次の曲いきましょう。「久しぶりに菅野よう子さんと一緒に作った曲です」。

04. 美しい人

遣唐使船プロジェクトのイメージソングとなったこの曲、歌詞にも中国語を一部使っており、「昔とったチャイ語がこんなところで役立つとは思わなかった」そうなw CD通りのオケでしたが、印象的な笛のトラックは流してませんでした。佐野さんは「奇跡の海」的にマレットでタム中心のプレイ。

05. みずうみ

新作より、多重コーラスがとても印象的な曲。ライブでは多分ふたりのコーラス隊のみで補っていたと思いますが、ちょっとライブ向きじゃないかもと思いました。基本ものすごく完璧だった真綾の歌唱も、この曲の冒頭だけはしばらくフラットしていて少々心配でした。そんな揚げ足取りな記憶しか残ってなくてすまん許せ!

そしてそこからの……

06. アルカロイド

ほええ!アルカロイドきたー!!! だ、だいすきなの…! 神アルバム「Lucy」から、去年の0331スペシャルメドレーにもちょびっと組み込まれていたキュートな曲。生で聴けたのすげえ嬉しかったです! このあとのMCでもアルカロイドについてちょっと触れてました。

軽くメンバー紹介をしていたのはこのあたりだったかな。デビュー当時からの精神的支柱(などとは言ってませんでしたがw)佐野さんを紹介しつつ、「皆さん去年の武道館のDVD、観ましたか? 佐野さんの、ドラムソロ。かっこよかったですよねえ…。あれ見ながらお酒飲んだら最高だと思う。あの、スティック折れちゃって投げるとことか、あそこだけコピーしたいぐらいですよね」みたいなそれはそれはもう重度の佐野ファンっぷりをアピールしていてですね、さすがだ真綾わかってんな!と。会場全体がダブルの意味で大きく頷いた瞬間でした。

他にもこのへんでいろいろおもしろい話してた気がするんだけど忘れてしまった(中野は庭よ!とか、はじめての中野サンプラザ加山雄三だったとか)。まあいい、次の曲いきましょう。

07. スピカ

今すごく歌いたい、伝えたい曲だということで、「風待ちジェット」カップリングのスピカ。なんとなくいい曲だなぐらいの印象でしたが、生で聴いて、しかもこのタイミングでとても響く歌詞だったため自分のなかでのポジションがかなり変わりました。

08. 手紙

新作より、映画「キミとボク」主題歌。バンマス北川さん作曲の、とても素朴な曲。聴けば聴くほど味わいを増す曲です。

09. キミノセイ

こちらも新譜より。スネオヘアーによるポップな曲。この曲では奥田さんのギターが吠えまくり! アウトロで真綾がステージを去ってからしばらくバンドだけで演奏が続くのですが、とても真綾のライブとは思えないほど強烈な奥田さんのギターソロが印象的でした。ノーナリーブスの奥田さん、どっかで聞いた名前だと思ったら最近ではYUKIの「うれしくって抱きあうよ」で弾いたりしてる方なんですね。あのギター好きなので、今回のライブでまさにその系統のプレイがたくさん聴けて幸せでした。

ここで、いわゆるお着替えタイムでバンドフィーチャーなコーナー。扇谷さんがなにやらジャジーでオサレなピアノを弾き出したと思ったら、む、これはどっかで聴いたことがある……えっ!!!

10. ねこといぬ

始まったのはまさかの、アルバム「DIVE」よりまーーったりなジャズっぽい曲「ねこといぬ」。歌は無しで、ピアノ、ギター、ベース、ドラムによる超オサレなインストに生まれ変わっておりました…。優雅すぎて溜め息が出た。めーっちゃくちゃ優雅。ブルーノートとかでカクテル飲みながら聴きたいような、猛烈に高品質なジャズでした。扇谷さんすげえ。

11. Remedy

そこからの「Remedy」。質素な茶色系のワンピース?ドレス?に身を包んだ真綾が中央の小高いステージから登場。ちょっとだけ「丘の上から」気分ですね(笑) すっかり定番曲となっていますが、改めて本当にいい曲です。まだ「菅野よう子から離れた坂本真綾」をいまいち認められなかった頃の僕が、初めて「いいな」と思えた曲です(今ではもう何でも来いですよ!)。生で聴くと、より良かった。歌詞がまた、今の状況に響くのよね…。

ここで改めて扇谷さんの紹介。扇谷さんは今回ツアーメンバーに決まったときに初めて知った方なのですが、調べてみるとなんと野呂さん(CASIOPEA)のソロプロジェクトで鍵盤やっていたり、デラルスにもおられた方のようで、おおおこんなとこでまた繋がった!とかなり嬉しかったのでありました。そんな扇谷さんをフィーチャーするよ、ということで次の曲。

12. 悲しくてやりきれない

初のカヴァーシングル「DOWN TOWN/やさしさに包まれたなら」より。この曲は、真綾が幼いころお父上がお風呂でよく熱唱していたということで、真綾にとっては「フォーククルセイダーズよりも父の声のほうがオリジナル」なのだそう(笑) 一聴すると絶望的な曲のように思えるが、「この燃えたぎる苦しさは明日も続くのか」という最後の歌詞には、「明日」が来ることを認めた上でそれでも頑張っていこうとしている前向きな思いを感じる。よってこの曲は前向きな曲だと私は解釈している、とのこと。

アノトリオ編成で演奏されたこの曲、もちろん演奏も素晴らしかったのですが特筆すべきは真綾の歌声。目をつぶって聴いてみたら、CDよりも遥かに良くて涙が出そうでした。このひと、こんなに歌うまかったんだ…とただただ感動しました。言葉では説明しようがないけれど、ほんっとうに素晴らしい歌声でした。

13. ムーンライト (または"きみが眠るための音楽")

新作より。CDでは「いかにも冨田ラボ!」な綿密アレンジでしたが、今回は扇谷さんのピアノだけのアレンジに。しかしやはりピアノという楽器はすごいです、オーケストラです。一台で上から下まで完全にカバーできてしまうのです。なんとニクい楽器だ。

14. ユニバース

続くこちらもピアノのみのアレンジで。グッときます。言葉にならない。

ところで、味噌汁の話とかしてたMCはどこだったかなあ…。節電の話で、真綾も自宅で暖房をつけずに厚着して過ごしたり、シャワーのタイムトライアルをしたりしているという話になって。ある日、とっておきの高級だしを開封して「よーしお姉さんおいしい味噌汁作っちゃうわよ」と意気込み、出来上がったものをよそったら湯気がすごかったんだそうです。で、「すごい…、高級だしは湯気まで違うのね…!」と感動していたんだけども、よく考えたら部屋が寒かっただけだというしょーもない話w

地震の影響でライブやCDリリースなど楽しみが延期になってしまった人も多いと思うけれど、そんななかで少しでも楽しい思いをしたいと思ってみんな今日この場に来てくれたと思う。だから思いっきりいっぱい楽しんで帰ってもらいたいです、私も全力で歌います、というようなMCがどこかにあったはず(曖昧)。

15. 風待ちジェット
近年を代表するほっこり系楽曲。ライブではだいぶヌルい振り付けが定番となっているようで、DVDなど観ている限りでは「これちょっとサブいな…ライブ行ってもやりたくないな…」なんて思ってしまっていたわたしですが、ついついまわりの空気に流されて「手を、手を」とやってしまったわけです。そしたらなんか、うん、サブいはサブいのだけれど、なんか妙に楽しかったなというw B'zで言う「恋心」の振りみたいなもんですかねw

16. Private Sky
17. Get No Satisfaction!
18. マジックナンバー

ここからはラストスパートのいわゆるアゲアゲなコーナー! B'zで言うところの(またか)「ultra soul」と来て「juice」と来て「ギリギリchop」と来るような畳み掛けだと思っていただければOKです。

「Private Sky」は武道館のDVDで観て「確かに盛り上がりそうな曲だけどサビちょっとメロコアっぽいしなんか真綾っぽくはないなあ…」なんてこれまた思ってたわけですが実際ライブで聴くと違うね、めっさくさノるね! 一気に体温急上昇でヤバかったです。「Get No〜」「マジックナンバー」と続く北川さん楽曲は言わずもがな! 説明不要の最高に楽しい楽曲たちでした。このへんの純粋に爽やかでアッパーな曲って菅野さんには作れないと思うので、菅野よう子プロデュースに一旦蹴りをつけた真綾の英断が酬われている瞬間だなあとしみじみしました。

19. 光あれ

そこからの、前ぶれなく「光あれ」。今度はこれぞ菅野よう子にしか作れない超名曲。いつだって特別な気持ちが込められまくっていて聴く側も覚悟していないといけない曲ですが、今回も半端じゃない気持ちが込められていたと思います。恒例である後ろからの真っ白な光が脳裏にこびりつきました。

「次が最後の曲になるんですが」とさらっと言いつつ−

20. トピア

新作の最後を飾る曲。歌詞に「東京タワー」が出てきます。真綾の歌詞にこういった具体的な地名が出てくることは極めて稀であり、東京以外の人からしたらいきなり「東京タワー」なんて単語が出てくる時点で「関係ないわ」なんて思ってしまったりするかもしれないのだけれど、そこは皆さんにとっての「帰ってきたと思える場所」に置き換えて聴いてみてください、と。

真綾がステージから去ってもしっとりと演奏は続き、まだまだ終わらんよ!と言わんばかりにおとなしく本編は幕を閉じたのでした。

座る人は座って、アンコール待ち。最終日だからか、手拍子は未だかつて体験したことがないほどの速さw 真綾ファンは基本おとなしめだと思うのですが、こんなとこで地味にアツい思いを炸裂させていたのでしょうかw 腕つるよおおおおと思いながら叩きまくっていると、真綾登場。

すごく個人的なことを話します、と言って話し始めたのは自身のお兄さんの話。大学生の頃、お兄さんが交通事故に遭い、一ヶ月ほど意識が戻らないことがあったのだそうです。予断を許さない状況でずっとそばに居てあげたかったけど、当時ももちろん仕事人間だった真綾は翌日にも歌う仕事があり、こんなときにも歌わなくちゃいけないのか、歌手って一体なんなんだ、とかなり苦しい気持ちになり。でも親からは、こんなときだからこそいつも通り仕事に行っていつも通りのことをしなさい、お兄ちゃんは回復までこれからかなり長い時間がかかるかもしれないけど、そのお兄ちゃんを支えるためには周りの人間は極力普通の生活をしていないといけないんだよ、というようなことを言われたそう。

細かいことはもう覚えていないのですが、今の状況においてとても響く話でした。普段もライブってこういう話がなされること多々あると思います、でもただの日常を過ごしているだけの状況で聴くそういう話は「ただの『いい話』」で終わりがちです。しかし今回は、会場にいる誰もがつい数週間前に人生観を変えられるほどの経験をしているわけです。なので本当にこういう話が心から響いて、特別な空間でした。うまく文章にできないのがもどかしいのですが。

そしてここでもうひとつ、真綾がパーソナリティをつとめているラジオ番組に寄せられた、仙台に住む18歳の子からのメールについて。地震でなにもかも変わってしまった。でも元気にやっているよ、大丈夫だよ。だからもうブログとかには悲しいことを書かないでほしい、むしろ今日は何を食べたとか何が楽しかったとか、そういう話が欲しい。こっちにはあまり楽しい話題がないから、そういう話を聞くと日常に戻る目標になる。不謹慎だけど、今の歳でこんなことを経験してしまったのは、もしかしたらラッキーかもしれない。今後どんなことがあっても乗り越えられる気がする。 そんな力強いことを彼は書いてくれました、と真綾。

「彼は、将来こんな大人になりたい、こんな仕事がしたい、こんな国に行ってみたい、そんなことを沢山書いてくれていました。今回ツアーで演奏していたのだけれど、地震があって、さすがに今この曲はまずいだろうと一旦しまった曲があります。バンドメンバーみんなこの曲が好きで、この曲やるとキュンキュンするね、といつも楽しんで演奏していた曲だったので、セットリストから外れて残念がっていました。でもある日、北川さんから『やはり今だからこそやるべきだと思います』というメールが届き、そうかもしれないと思い直し、やることにしました」

この時点で僕は「なんだろうなーミライ地図あたりかな…」などと思ってたのですが(ただ単に、間違いなくやるだろうと思ってたミライ地図をまだやってなかったから。結局ミライ地図、やらなかったですね)、そのあとに真綾はこう続けました。

「こんな服を着て、こんなデートをして、こんな風に生きて、という曲をやります」

えっ!!!!!

21. ボクらの歴史

そらもうびっくりしましたよ、声に出して「えっ!?」って言いましたよw まさかこんな曲が来るとは思わないじゃない! いやほんとにもう! この曲はもう13年とかそれぐらい前の曲で、多分ものすごくレアです(過去の演奏曲までは把握してないので自信ないですが、そうそう演奏される曲ではないでしょう多分!)。ちょうどライブ前日に、寝ながら「ハチポチ」でこの曲聴いて「うわー、恥ずかしいけどめっちゃいい曲だな…」とキュンキュンしてたところだったので、あまりの偶然に腰抜かしました。菅野さん史上最もキュンキュンですよこの曲は。間違いない。

そしてこの曲が終わったところで本来なら「じゃーん」と伸ばすはずだったらしいのですが、お決まりなサプライズでHappy Birthday! 「あらっ?」と傾く真綾を笑いながら、みんなでHappy Birthday to Maayaしました。おめでとう微妙な31歳!

来年もできたら誕生日にライブしたいなあ、と真綾。絶対行くけどもうちょっと大きいところにしてねチケット取れないからね!

22. everywhere

「今日でちょうど1歳の曲です」ということで、初めて真綾が作曲し、一年前に発売されたベストアルバム「everywhere」に収録されたこの曲を。今回はピアノもちゃんとプロの方です(笑)

どこだったかな、「ライブ、やって良かった」と堪えきれず声が震えるシーンがあってグッときました。基本、強くかっこいい女を演出しようと頑張ってる真綾さんなので舞台で泣くなんて言語道断よ!というスタンスのようですが、たまにこうやって感情出されるともらい泣きしますな。ライブ、やってくれて良かった。本当にいっぱい力をもらいました。今度はこっちからたんまり力をあげる番よ!

23. ポケットを空にして

坂本真綾のライブは必ずこの曲で終わります。1stアルバム収録の素朴な名曲で、普段からライブでは観客に歌わせる部分があるのですが、今回は伴奏も控えめに「フルコーラス歌っていいわよ!」というお許し付き! 待ってましたとばかりに大合唱の客席。もとから大好きでたまらない曲でしたが、実際こうしてみんなで歌うことで一生忘れられないレベルの大切な曲へ昇華した気がします。こうこうと点いた客電の下、真綾とみんなで歌う「ポケ空」、この上なく幸せでした。

溢れんばかりの幸せムードななか、「eternal return」が流れ出し、大音量の手拍子に飲み込まれる会場。真綾とメンバーにこれでもかというほどの拍手喝采を浴びせ、3時間近くに及ぶ素晴らしいライブは終了しました。

終わってただただ思うのは、本当に素晴らしいライブだったということと、歌の力はすごいなということ。ファンでありながら、坂本真綾という人は果たしてどれほど「歌手」なのか、ということについては自分のなかで確信が持てていませんでしたが(彼女は声優でもあるからです)、今回こうして初めて彼女のライブに参加したことで確信しました。坂本真綾はこの上なく素晴らしい力を持つ歌手です。

「またひとり、一生ついていかなければいけない歌手が増えた」

整理できない想いをいっぱいに抱えながら、まずはそうTwitterに呟いて僕は中野を後にしたのでした。

相変わらず途方も無い文章を読んでくださった方がおられたら感謝です。これでも書きたいことの半分ぐらいしか書けてない気がしますが、とりあえずこれで良しとします。じつはまだ追加公演も残ってますが、そっちはさすがにこんなには書かないはずです(笑) ひとまずこれで気持ちに整理をつけた! よし!