コンセプトアルバム「Driving in the silence」発売を前にして、「3rdコンセプトアルバム『Driving in the silence』(2011年)、『30minutes night flight』(2007年)、『イージーリスニング』(2001年)の全ての収録曲を演奏する奇跡のライブ開催!」との謳い文句で突如発表された鬼のようなライブ。銀河劇場はキャパ746席。×5公演で、参加可能人数は4000人にも届かず。なんとまあ貴女…というような企画だったわけですが、どうにか運良くチケットを手にすることができたので初日行ってきました。今回あまりうまいこと感想を書ける気がしないのですが、なるようになってみましょう。
銀河劇場は、小林賢太郎氏の舞台を観に来て以来半年ぶりぐらい。天王洲という場所だけあって、なんとも雰囲気のいい会場です。緊張感高まります。今回のチケットは「プレゼント付き」ということで、入場時になにやら頂く。なるほどクリスマスですね、という感じの靴下っぽいなにかと、ポストカード。ポストカードのほうは1日100名限定で直筆サイン入りだったそうです。かなりの確率。さすがにここは外れました。これ以上運使うと死にます。なんせこの日はただでさえ前から2列目…。
入場すると、ステージには白い垂れ幕。スピーカーからはそわそわさせるヒーリング系サウンド。二階三階席は身を乗り出したりしないでね、というようなアナウンスが入り、まあ一階席でも立つことはないんだろうなと思いながらそわそわ待っていると、恐らく定刻通り客電が落ち、開演。
Maaya Sakamoto
Live 2011
in the silence
タイプライターのように、幕の中央に文字が打たれていく。
easy listening
おお…いきなり容赦ない始まり方。なお今回はラジオなどで「アルバム3枚分をリリース順、収録順に全曲やります」という情報が本人の口から出ており、異例のセトリ完全ネタバレ公演となっております。MCはあるの? アルバム間のつなぎは? ポケ空やるの? などなどそのへんは未知ですが、次第に分かることでしょう。というわけで、2001年リリース1stコンセプトアルバム「イージーリスニング」スタート。
幕はまだ下りたまま。どこからともなく飛んでくる白い鳥。そして大きな白い鳥かご(というかシルエットだったので基本全て白です)。鳥かごがどんどん大きくなっていき、ステージ全体を包むように。そして2列目だからモロに見える。幕の後ろに、本日の「鳥」がスタンバイ。マイクを持ち…
easy listening
01. inori
02. blind summer fish
03. doreddo 39
04. afternoon repose
05. bitter sweet
06. another grey day in the big blue world
07. birds
アルバム通りだから当然と言えば当然だが、SEもなくカウントもなく歌声からライブはスタート。「inori」。幕はまだ下りたまま。初日でしかもボーカルのソロからということで、さすがの坂本真綾もかなり緊張していると思われる。伝わる。途中一箇所、歌詞を飛ばす。やむない。ひたすら打ち込まれるバスドラムの四つ打ちに、客席も静かに高まる。ラスト、フェードアウト部分はわりとヒネリのない終わり方だったような記憶。
拍手が沸き起こるなか2曲目「blind summer fish」。ここでようやく幕が上がる。服飾のことは全く無知なので表現できないが、真綾は「イージーリスニング」のイメージカラーをそのままミニドレスにしたような、まあ売り物ではないであろう服をお召しに。髪型はここ最近のステージ仕様と変わらず。今回のサポートメンバーは以下の通り。
河野伸(Piano & Keyboards)
海老沼崇史(Bass)
石成正人(Guitars)
坂田学(Drums)
三沢泉(Percussions)沖祥子(1st Violin)
下川美帆(2nd Violin)
梶谷裕子(Viola)
森田香織(Cello)KAZCO(Chorus)
ハルナ(Chorus)
なんと豪華な。銀河劇場のステージにこの人数はかなりきゅうきゅうではなかろうか。ステージ上、向かって左側から順にストリングス(後列)、キーボード&グランドピアノ(前列)、パーカッション、ドラム、コーラス(後列)、ベース&ギター(前列)、という感じの配置。要は武道館と同じ配置…かな?
そのまま「dreddo 39」へ。照明が一気にカラフルになる。セットというセットはなく、スクリーンなどもないため(そりゃ、スクリーンなど必要ない狭さの会場でやってるわけですからね)、演出は基本的に照明のみ。真綾ライブの照明演出は毎度安定のクオリティなので結構楽しみにしてます。
ベースをウッドベースに持ち替えたりなどしているなか、ここでMC。そうか入るかMC。「もう二度とないかもしれないライブの初日へようこそ」「初日ならでは、の緊張感でお送りいたしております(笑)」「今回ライブをするにあたり、この3枚の曲たちを混ぜて演奏することは考えられませんでした」「まずは、『イージーリスニング』の世界を味わってください」 てな感じの。例によってMCは全く覚えてないのでニュアンスです。
これは生で聴けたら至福、「afternoon repose」。ただ、もともとあまり調子が良くないのか未だ緊張が続いているのか、やはり喉の具合は絶好調とは言えない。何気に富岡なんかでもかなり調子良かったりしていて、不調気味な真綾はご無沙汰だったので、ちょっと心配に(と言うほどこの曲が調子悪かったわけでもないが、流れ的に今書いておく)。5日間、無理はしないでほしいけど良い方向にシフトしてくれるといいな。
ラスト、コーラス2人とのハモりが格好良かった「bitter sweet」からの「another grey day in the big blue world」。この曲じつはタイトル覚えてないので、どうにか覚えようと今回はコピペを禁じて努力の直打ちをしているところ。この曲は格好良い、格好良いが、願わくば次は佐野さんのドラムで聴いてみたいところ。ちょっとこの件に関してはあとでねちっこく書くかも。
再びMC。この「イージーリスニング」というアルバムは「かごの中の鳥」というコンセプトで創られており、歌詞にも普段なら使わないような言葉、言い回しなどを多用している。「鳥」という単語も頻出するが、アルバム最後の曲はまさにその「鳥」がタイトルになっている…ということで、このブロック最後は「birds」。
コンセプトは知っていながら、この「birds」が「かごの中の『鳥』」であるという認識は全く無かったため(恥ずかしながら)、おおおそうなのかと今更な感動。流し聴きがちな曲だったけれど、今度しっかり流れを意識して聴いてみよう。そう思わされただけでも価値のあるライブ。
歌い終わり、ステージを去る真綾。バンドは延々と演奏を続ける。ギターソロが入り、サビのコード進行に戻り、と予想を超えてエスカレートしていく演奏。正直、かなり圧巻。これは良い…。延ばしに延ばした後奏が終わると共に、素早く幕も下りていく。本編内を明確にブロック分けして幕で仕切りなおす方式は先日の東京事変ライブでも観ることができたが、個人的にとても好み。メリハリがあるし、各ブロック間の映像演出のおかげで客側としても全くダレずにノンストップで楽しめる。今回もその恩恵を強く感じた。
幕には再び「かごの中の鳥」。鳥がかごから飛び立っていくと、一旦遠ざかった鳥はその姿を飛行機に変えて戻ってくる。
30minutes night flight
休憩を挟むことなく、2007年リリース2ndコンセプトアルバム「30minutes night flight」スタート。幕の中ではバンマス&Keyの河野さんが「30min〜」のイントロダクション部分を長めに演奏中。いや演奏してないかもしれない。どうも河野さんは同期大好きらしく、流せるもんはシンクで流しちまおうというスタンスらしい。アコギを弾いている姿のほうが多かったかもしれないぐらい。思うところがあったりなかったりなのだが、まあ河野さんのことは大好きなので何も言うまい。
08. 30minutes night flight
09. ドリーミング
10. 記憶 - there's no end
11. 僕たちが恋をする理由
12. セツナ
13. ユニバース
14. 30minutes night flight - sound of a new day
音源通りのフレーズに差し掛かり、バスドラムの八つ打ちからの四つ打ち。「30minutes night flight」。そしてステージ後方、00:00:00からまさかのカウントアップ開始w 始まる前に「東京事変の『能動的三分間』のごとくライブ中ずっとカウントダウン出てたら嫌だなw」などと勝手な妄想をしていたのだが、まさか現実になるとは。やたら事変と被るのは偶然か。ただし、まあわりと予想通りではあるがこのカウントはしばらくすると自然消滅。30分後まで姿を隠しているのであった(せこー)。あ、申し遅れましたがこのアルバムはその名の通り「30分間の夜間飛行」がコンセプトです。
武道館と同じく、今回も石成さんのハイセンスなリバースエコーソロが光る。リバースエコー(リバースディレイ)というのはギターにかけるエフェクトのひとつで、逆再生された山びこが返ってくる、という不思議なアイテム(一般的には原音は出力しない)。指と音が合ってなくね?と思ったら、それが正解。
音源では幾層にも重なったコーラスからシームレスに次曲へ繋がる部分。コーラスを残してバンドがフェードアウトするアレンジなので、さてどうするかなーと思っていたが、バンドの演奏をスパッと切ったうえでのコーラスソロに。うーむ絶品。これが生で聴けたのは嬉しい。そしてもちろんシームレスに「ドリーミング」へと突入。
この曲は「地味に好きな曲ランキング」で上位に来るタイプの曲なのだが、やはり良い。そうそう書き忘れていたけれど30minステージにおける真綾の服装は、秋冬めいたタータンチェック柄のラフ(?)なワンピ。これが非常にわたくしの好みであり、しかもこのあたりから坂本さんたらステージ上を右へ左へ動き回りつまるところ目が合うぐらい目の前までも来てくれるようになったりなんだりして骨抜きだったでござる、…である。顔の筋肉が緩もうとも、なるべく文体は固く保ちたい。
どんどん演奏は続いていく。「記憶 - there's no end」。これは冗談ではなく記憶に無いぐらいの地味曲ポジションだったのだが、よく聴いたら妙にいい曲だった。というか多分ライブ映えするのだろう。途中のコーラスワークも印象的。続く「僕たちが恋をする理由」は、先日の富岡でも披露されたばかり。河野さんとのデュオで始まり、後半からストリングスが入ってくる。後ろにオリオンが投影されていたようないないような…。
曲は好きなんだけど歌い方がどうも好きになれんなあと思っていた「セツナ」。果たして今の声で歌うのか、それとも音源のイメージのまま歌うのか(真綾はこっち派な気がする)じっくり聴いてやろうと思っていたらコーラスチームに手拍子を煽られ、坂本さんにおかれましてもまた目の前来てくれちゃったりして結局冷静には聴けませんでしたとさ。ライブ向きだと思うのでまた別の機会に演ってもらいたい。
意外と記憶に残っていない「ユニバース」が終わると、特にアウトロを延ばすこともなく再び幕が下りていく。「30minutes night flight - sound of a new day」が流れるなか、セコい感じで再登場したカウントアップは残り約1分。30:00:00でプツッと音が切れると、カウンターの向こうから謎の白線が近づいてくる。おお、地上だ。滑走路だ。飛び立っていたことなどすっかり忘れていたがいつの間にやら着陸のときが来たらしく、我々を30分乗せてくれていた飛行機は滑走路に無事着陸。
操縦席の視点から少しずつ引いていくと、乗っていたはずのそれは飛行機ではなく自動車になっていた。ブロロロロと音を立てて走る真っ赤な(はずの)ジャガー。
Driving in the silence
遂に三枚目に達してしまった。終わりが迫ってくることが正確に予測できるこの感覚、なんとも言えない。不思議なライブだ…。ここで幕には初めての実写映像が流される。恐らくアイルランドで例のジャガーから撮ったのであろう、静かな車窓。それをしばらく観ていると、幕の後ろで河野さんがピアノを弾き始める。うっすら河野さんに当てられるスポット。幕ではずっと車窓が流れ続けている。少しすると三沢さんのパーカッションソロも加わる。足に付けた鈴をドンドンと踏み鳴らす。そんな演奏がしばらく続いたところで、耳馴染みのあるピアノのフレーズ。2011年リリース3rdコンセプトアルバム「Driving in the silence」スタート。
Driving in the silence
15. Driving in the silence
16. Sayonara Santa
17. Melt the snow in me
18. homemade christmas
19. 今年いちばん
20. たとえばリンゴが手に落ちるように
21. 極夜
22. 誓い
23. Driving in the silence -reprise-
三回目のお色直し。真綾の衣装は、ウェディングドレスのような真っ白なドレスに、真っ赤なビロード(かな?)のミニポンチョ。そうくるかーと思わず息をのむような、素敵な衣装。一曲目「Driving in the silence」、冒頭のコーラスは倍ぐらいに延ばし、気持ち新たに最新アルバムの世界を歌い始める。…が、初演の緊張があるのか、だいぶ馴染んでいた喉もまた元通りの不調気味に。少々心配。
そのままカウントなし、アカペラの歌い出しで「Sayonara Santa」。音源ではかなり声質を弄ってあるので、ナチュラルな声で聴くとかなり雰囲気が違う。そしてまたもコーラスチームから手拍子を強いられるw 曲の途中で、舞台袖から小さなシャボン玉が無数に! サプライズではないだろうが、真綾も思わずびっくりしたような表情を見せ、手に取ろうとしながら歌ってみたり。シャボン玉演出は初体験だったなー。曲の最後はバンドがスパッと切っており、格好良かった。
眠りについてしまいそうな心地良さの「Melt the snow in me」では、石成さんがE-BOWを使用。なんとなくサウンドハウスにリンクを貼ってみたけれどこれもまた妙なアイテムで、弦に蒼い光を当てると音が出ます。永遠に出続けます。みたいなモノ。有名どころでは、Coccoの「強く儚い者たち」のギターはこの音です。使いこなすのは難しいアイテムだと思うのだけれど、流石の石成さんは完璧に使いこなしており、本当にプロだなあとつくづく。
「お久しぶりです(笑)」 ここでかなりご無沙汰だったMC。「今回は本来ならばMC無しで通したかったんですが、あまりに自分がいたたまれなくなるのでどんどんMCを増やしていきました(笑)」「本当は安室ちゃんみたいに『ありがとう』だけのライブがやってみたいんですけど」 この「安室ちゃんみたいに」発言はまたあとでも登場。よっぽど安室ちゃんみたいになりたいようだ。
「これまで冬にアルバムを出してもクリスマスソングはなんとなく気恥ずかしかったりして避けてきたのですが、16年目にして初めて! クリスマスソングというものを作りました」 ということで「homemade christmas」。石成さんがマンドリンで、河野さんがアコギ。海老沼さんのチョッパーなベースもバキバキで格好良し。ベースをウッドベースに、マンドリンをアコギに持ち替えて「今年いちばん」。この曲も生が至福。寝る…。
「はい、また喋ります(笑)」 再びMC。あんまりクリスマスっぽくないとの指摘を受けた次の曲について解説を開始。「クリスマスの日に、仲間内や家族なんかで暖炉の前に集まってだらだら。そんななか一人がギターを爪弾きだすと、まわりもスプーンやらなにやら叩いたり歌い始めたりして− そんなシチュエーションを思い浮かべて作った曲なんです」 てなわけで「たとえばリンゴが手に落ちるように」。暖炉の前のお客たちは手拍子を担当。坂田さんもドラムから立ち上がり、横にあるパーカッションを叩く。のどかで、いい曲。
石成さんがギターを持ち替えている間、気付くと赤いポンチョを脱いだ真綾。上半身は黒いため、一気にシックな雰囲気に。そしてその雰囲気に相応しい曲、「極夜」。この曲で印象的だったのは、「明るくならない照明」。なるほど、極夜だものな…。ずっと薄暗いまま、どこかからわずかに光が漏れている程度の雰囲気のまま進行。曲が激しく盛り上がっても明るくならない照明というのはなんとも斬新。曲の終盤、朝日のような深いオレンジ色の光に包まれるのも非常に美しかった。なお、気になるドラムはあの変態プレイを完全無視したオーソドックスなプレイ。好みが分かれるところだろう。
いよいよライブもクライマックス。ソファー音が鳴り響き、「誓い」へ(正確には、ソファー音の代わりに小さいハンドドラムを叩いていたのだが、ここはむしろ音源そのままの音を流して欲しかったという個人的意見)。本来ならここで「涙腺が」とか書く予定だった。が、しかし、妙に構えてしまったためかこれといった感情を抱くことなく曲が過ぎていってしまい、正直じつに悔しい。気付いたときには歌い終わった真綾がペコリとお辞儀をし、去っていくところだった。誓いというのはそう生半可なものじゃない、ってわけか。
予想通り、バンドは延ばしに延ばしたアウトロを情熱的に演奏し続けている。歌い終わった真綾がお辞儀をして拍手喝采、バンドはそのまま演奏を続ける− これは完全に予想通りの流れだった。なんというか、最前列レベルの近さではなくて一歩引いたところからこの光景を観たかったなという気持ちがある。多分ちょっと近すぎた。願わくばこの公演、後ろの席からもう一回観てみたい。がらりと違う印象を持てると思う。
情熱的な演奏もいよいよ終わり、最後の音を延ばしながら幕が下りる。ジャガーが走り去り、repriseが流れるなか幕に文字が打たれる。
Merry Christmas!
鳴り止まない拍手は次第にアンコールの手拍子に。会場が小さいだけあって、未だかつて聞いたことがないほどピッタリな手拍子。しばらくすると幕が開き、黒いミニドレスの坂本真綾31歳登場かわええ。これはかわええ。静まりかえった客席からひとり「かわいい」と呟く女性の声。「かわいい?! ありがとう(笑)」と真綾。
「今年はいろんなことがあって、でもどんなときでも自分は歌うことが大好きなんだなということが分かった」「今年リリースとか多くて、みんな大変だったでしょう?(笑)」「今年の大きな目標はこれで終わってしまうけれど、来年もまた特別な一年にします!」
「はー。コンセプトアルバムのライブということで坂本さん世界作るのに必死で、ようやく気が楽になった(笑)」「そろそろ、もう一回バンドメンバーを呼んでみたいと思いまーす」「初めましての方から『あっ、この人DVDで見たことある!』って方まで」 てなわけでメンバー呼び込みタイム。
まずはお馴染みギター石成さん。そして「ついにこの日が来てしまいました…。今回のメンバーのなかで最年少です!」とベース海老沼さん。なんと26歳! 若い! 「ビッグになっても坂本さんとやってくれるかな〜。今のうちに優しくしておこうね〜」とのことw 続けてドラム坂田さん(前日がお誕生日だったとのこと)。ひょこっとお辞儀をしてドラムへ急ぐ。シャイなのかしら。
「暗くて見えないから2人いっぺんに呼ぶよー、コーラスKAZCO、ハルナー!」 元気に出て来たふたり、立ち止まっていきなり謎のキャイーンポーズを決めるw 「なにそれ!(笑)」と真綾。ハルナさんはYccmツアーでお馴染みだけど、KAZCOさんは武道館のメンバーだったんですね。髪が真っ赤になってたりで分からなかった。谷間の目立つ服を着ていたので、「胸に目がいっちゃうんですけど」と真綾がボヤくとドヤ顔で寄せ上げするKAZCOさんw
続けて呼んだパーカッション三沢さんも可愛くキャイーン。危険な流れができはじめるw 沖祥子カルテットの4人も1人ずつ呼び込み。1人ずつキャイーンポーズを決めるw 「みんなやるの?!(笑) これ…嫌だなあバンマス呼びたくないなあ…。バンマス…河野伸!」 冷静に、しれっとニコニコ出てきた河野さん……キャイーン。どさくさに紛れて真綾も同時にキャイーンw 「私も一緒にやってしまいました。はい、ということで…」 謎のコーナーを終えて無事全員集合。
「ここまでコンセプトアルバムの曲を演奏してきましたが、せっかくなので、今年リリースした2枚のシングル曲も聴いていただこうと思います」おおーーー! というわけで「Buddy」。生はこの日が初、だよな? これはやっぱりライブいいですなー。ちなみにこの日は客席にsfpメンバーが居たとのこと。
生「Buddy」良かった、良かったのだが、ただ、ドラムが物足りなかった。言ってしまうと坂田ドラムが個人的には全編通して非常に物足りなかった。おいしいとこ全部もってく、ひたすらニヤケさせ系ドラムな佐野康夫に慣れすぎているという不幸。やはり坂本真綾のライブには佐野ドラムが必要不可欠だと、失礼ながら本編中ずっと思っていた。じつは今回どうも「大満足!」とまでいけなかった節があり、それはこのことが主な理由だと考えられる。これもやはり近すぎたのが悪かったかもしれない。もっと全体を鑑賞するべきだった。
ねちねち終わり。
続けて「おかえりなさい」。これは富岡での印象が強すぎてちょっとやそっとでは更新されない。喉もあのときほど絶好調ではなかったので、僕にとっての「おかえりなさい」は、あの濡れ真綾が一番である。
演奏が終わり、ちょっと「うーむ」な気持ちになりつつもふと石成さんを見ると、アコギからエレキに持ち替えていた。あれ、ということはポケ空なしか? 果たして何の曲をやろうというのだ?などと思っていたところに爆弾発言。「五日間同じセットリストでやるつもりだったんですけど、スペシャルなライブなので、最後に一曲ぐらいその日しかやらない曲をやろうと」 なにいいいい日替わりいいいいいいい?!
どよめく会場。「冬の曲を、何か一曲やります。ドキドキしてるだろおー(笑) あの曲かなー? あの曲かなー?」「というわけで、今日はこの曲でお別れです!」 本日いちばんぐらいの心拍数で迎えたアンコール3曲目。…これはなんだ…? あれっ、知ってるような…知らないような…。…分かった「真昼が雪」だ! おお!
まさかの日替わりアンコール、本日の一曲はアルバム「少年アリス」より「真昼が雪」。もとが打ち込みメインのアレンジなのに対し、この日の「真昼が雪」はかなりアレンジされており、ファンキーで非常に、非常に格好良かった…! これといって思い入れのある曲ではなかったけれど、大満足でした。いいものを聴いた…。なおこの翌日は「冬ですか」だったそうな。あと三公演、果たしてどの曲が来るのか…。あの曲が、あの曲が来たら僕は死んでしまう(悔しくて)。
本当にポケ空なしで、メンバー全員前に並んで終演! ついに「ポケ空なし」という選択肢を使ってきたかー。今後どんなふうにポケ空の有無が使い分けられるか、興味深いところである。全力で手を振って、さようなら真綾。また2月に会おう。
encore
24. Buddy
25. おかえりなさい
26. 真昼が雪
貴重な公演に参加できたのでなるべく細かく書こうと思いつつも、徐々に私情が入ってぐちゃぐちゃしてくるのはじつに自分らしくて嫌いではないです。もうちょっと仕上げないといけない気はするものの、ひとまず書き終えた今とてつもない眠気に襲われているので一旦ここで締めることにします。
【追記】無事全公演が終了しました。気になる日替わりラストの全貌が明らかに!
1日目: 真昼が雪
2日目: 冬ですか
3日目: Rule~色褪せない日々
4日目: 木登りと赤いスカート
5日目: ポケットを空にして
3日目にかなり大本命な「Rule」が登場。なおこの日は収録日だったようです。そして4日目、個人的にハンカチ噛んでも噛んでもやりきれないほどの大好きな曲「木登りと赤いスカート」が…。聴きたかった…。最終日は、意外とも納得とも言える「ポケ空」。やっぱり一番最後はこれで締めたかったんでしょうね。基本着席鑑賞だった今回のライブですが、この曲ではオールスタンディングになったとか。さぞやいい雰囲気だったことでしょう。
というわけで以上、いろいろな意味で果てしなく稀なライブの記録でした。