こんな既視感は嫌だ|映画「コンテイジョン(2011)」雑感
状況が状況でございますので、まあパンデミック映画の一つも観てみようかという気にもなったりするわけです。そこで手始めに、近頃よくタイトルを聞く2011年の映画『コンテイジョン』を観てみました。初見です。
出演はマット・デイモン、グウィネス・パルトロー*1、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウetc...そうそうたる面子が名を連ねます。監督は知らないまま観て、エンドロール冒頭の「スティーブン・ソダーバーグ」でえっ!と驚き。ソダーバーグ作品だったとは。
あらすじは書くほどでもありません。新型感染症の脅威に翻弄される関係各所と、徐々にパニックを起こしていく民衆心理のお話。つまり、我々の今。この映画がどのような意味で話題になっているのかというのは、以下の記事などを読んでいただくのが手っ取り早いと思います。
とにかくこの映画を観て思うのは、ひたすら強烈な既視感。え、これ2011年って嘘でしょ、2021年の映画じゃないの?? なんて言いたくなってしまうほど、新型コロナウイルスに踊らされる2020年をモデルとして作られたとしか思えない、そんな映画でした。
例えば序盤。感染が拡大していき、学校を閉鎖したほうがいいかもしれないという話が出る。すると「仕事を休めない親はどうするの?」と嫌な顔をされる。または例えば同じく序盤、専門家の会話の中で「クラスター」というワードが出る。後半へいくと今度は買い占めが起きたり、ドラッグストアで乱闘が起きたりする。マスクがなくてバンダナを巻いているような人もいる。
上に挙げたのはほんの一部に過ぎなくて、2020年の我々的にはもう全てが「知ってる」「見てる」状況なわけです。制作当時はあくまでフィクションであったはずの映画が、全くフィクションではなくなってしまっている怖さ。地味めな展開がさらにリアルで怖い。アメリカらしく「縮小開催」のプロムが実質ラストシーンとなっていますが、さてこれをどう見るか…という気持ちになります。
この映画を今観るメリット、それは「今この状況を客観的に見れる」ことだと思います。まあそうしたところで、ドラッグストアで乱闘してる人はこんなところ読んでないでしょうし、せいぜい「手を洗おう」くらいの引き締めですが。引き続き手洗いうがい、サバイブしていきましょう。
(2020年50本目/Netflix)
- 発売日: 2012/09/05
- メディア: Blu-ray
*1:ただしグウィネス・パルトロー目当てに観てはいけない。