353log

主に映画の感想文を書いています

YOKO KANNO SEATBELTS「超時空七夕ソニック」〜次回公演は22世紀を予定しております〜 / さいたまスーパーアリーナ(2009/07/07)

▼未だに興奮覚めやらずで完全なるタナソニ病にかかってしまったわたくしですが、気持ちの整理と想い出の記録のためにとりあえず雑然と感想を書き連ねてみることにします。あんな狂った一夜をちゃんとレポするなんてことは無理に決まってるので、頂き物のセットリストを基に一曲感想的な感じで書いていきまっしょい。かなーり長くなる&予備知識のない方には全くわからん内容になりますゆえ、興味のある方だけお読み下さいませ。

▼その前に、大切なことなので二回書いておきましょう。今回のライブ参加ミュージシャン一覧です。すごいっす。

SEATBELTS are...

drums:佐野康夫
bass:バカボン鈴木
guitar:今堀恒雄
percussion:MATARO
synthesizer manipulation:坂元俊介
horns:シートベルツホーンズ featuring 本田雅人
violin:篠崎正嗣
cello:堀沢真己

orchestra:ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団

conductor, piano, keyboards:菅野よう子

May’nシェリル・ノーム/マクロスF
中島愛ランカ・リー/マクロスF
坂本真綾
ORIGA (ex攻殻機動隊 S.A.C.)
Scott Matthew (ex攻殻機動隊 S.A.C.)
Steve Conte(ex COWBOY BEBOP
山根麻以(COWBOY BEBOP)  ほか

▼では、クソ長くなりますがお暇な方はどうぞ。

▼2009.07.07 19:00-22:00
時空をまたにかけてツアー中の菅野よう子とシートベルツがチキュウを訪れた。梅雨のさなか奇跡的に晴れた七夕のさいたまスーパーアリーナを、記憶の限り記録してみる(とか言いつつ今回はすごくテキトー)。

【00.宇宙船着陸Opening】
これまで菅野よう子の手掛けた作品が年代別にこれでもかと出てくるOP映像。映像の内訳は以下の通り。
 00-02.マクロスプラス(1994年)/SANTI-U
 00-03.天空のエスカフローネ(1996年)/FLYING DRAGON
 00-04.カウボーイビバップ(1998年)/Tank!
 00-05.ブレンパワード(1998年)/Departure
 00-05.∀ガンダム(1999年)/Moon
 00-06.地球少女アルジュナ(2001年)/覚醒
 00-07.WOLF'S RAIN(2003年)/shiro, long tail's
 00-08.攻殻機動隊Stand Alone Complex(2003年)/inner universe
 00-09.攻殻機動隊S.A.C 2ndGIG(2004年)/トルキア
 00-10.創聖のアクエリオン(2005年)/high spirit
 00-11.マクロスF(2008年)/トライアングラー (fight on stage)

始まってるんだけど始まってない、このなんとも言えない気持ちをとりあえずぶちのめすのは…。

【01.トルキア
そうきたかー! 道中SBC聴きながら「トルキア聴きながら街を見てると〜」みたいなエコー書いてたら、これだよ。びびった。まさかいきなり攻殻とは。厳密にはオープニングの一部のような扱いで、この曲とともに女性ボーカル陣全員登場。坂本真綾、May'n、中島愛、山根麻以、Origa。最後に菅野よう子(最初のシートベルツライブと同じ衣装だったような!)。そうかー、いきなり全員来るかー…。もうなにもかもがキャパオーバーである。

【02.inner univers】
恐らく事実上の一曲目はこれ。はー、生Origaですよ。生でもちゃんとあの声なのね(当然)。そして途中途中のコーラス(?)を担当するのは真綾。このあともOriga担当コーラスは全て真綾だった、かな。

こういうかたちで歌姫たちがコラボしていくとはあまり予想していなかったので、すごく不思議な気分でした。みんな自分以外の曲にもしっかり参加し、まめぐMay'nあたりはダンサーにもなりーの、とにかくみんなが菅野大先生にお仕えしております、ってな感じでした。すげえな。

【03.ライオン】
まめぐMay'n、ようやく出番。しかしあんまり覚えてないw このへんまだライブ特有の「世界に入り込めてない状態」なのでした。

【04.player】
攻殻ひいきされてんなー! 途中のハーツデイルズ部分は本人たち登場、とはならず、山根さんが煽りまくってました。

【05.Want it all back 】
【06.WHAT PLANET IS THIS.】
きたー! きーーーたーーーー!! もうね、大好きですよ! わっぱーね、いっでぃーす! シートベルツホーンズちょうかっこよかった…。しかもちゃんとオリジナルサイズで! 一旦終わったとみせかけてのあのセクションは、生で聴くと更に更にかっこええです。やべえです。一層好きになりました。ビバップならTank!よりも間違いなくこっちだな!

【07.地球共鳴 】
あんま覚えとらん! 全員で歌ってた気がする。トルキアもこれもそうですが、Gabriela Robin曲はこの頃は当然のように本人は歌っておりません☆ ふっふー。

【08.piano solo(7月のラクエン)】
ピアニストとしての菅野さんをちゃんと見たことは殆どなかったですが、うまいですなー。素敵ですなー。しかし音響的にはリフターの音がマイクに入っちゃったりハウったり(今回三回ぐらいはハウリングがあった!…まあ、地球の機材だから仕方ないかw)割とアクシデントいろいろでありました。

【09.タチコマの家出】
いきなりこれですよw

【10.はとどけい 】
ほんわかコーナー始まりw バカボン鈴木&MATARO&菅野女史によるへっぽこリコーダー&おもちゃ打楽器実演コーナー。すげえ和んだw そして今回リフターの稼働率が半端なく高くてスタッフさんグッジョブである。

【11.Cat Blues 】
ピンクパンサー的な曲なのでピンクパンサー的なネコさん登場。菅野さんとじゃれまくる。踊るヨーコ、怒るヨーコ、かわいいよヨーコw

【12.be Human 】
リフターで地味にScott Matthew登場。地味に歌って地味にリフトダウンされてくマシューw 何気に初の男性ボーカル陣登場なのに報われない扱いだw

【13.tune the rainbow
真綾、アカペラで歌うなり。このへんは予習不足だったなあ…。名前はしょっちゅう聴く曲だったのに押さえておかなかったのが今思うと痛い…。真綾系に関しては後悔が多いどす。

【14.Voices】
新居さんに代わり、まめぐによって歌われた名曲「Voices」! 前日にマクロスプラス見といて良かったぜ…。マクプラでこの曲が出てきたとき「アイモっぽい曲だからまめぐが歌ったら合いそうだなあ」なんて思っていたら本当に実現したよ! そして実際にすごくよかった。コミュとか見てもすごい好評だし、良いカヴァーだったね! そして生まめぐは意外と歌がお上手だった。そして華があった。若さか!

【15.ダイアモンド クレバス
癒されたあとは、May'nシェリルによって涙腺をやられたぜ。いやー、生で聴くとより泣けるねい。感情の込め方がすごいわ。ミシェーーーーール!!! アレンジちょっと変わってました。

【16.gravity】
ぬおお、真綾のなかでもこれくるか! じつに名曲っす。非常に嬉しかった。これやるんだったら「stray」も欲しかったなあ…。欲張り!

【17.The Garden of everything 】
き、きたー! 男性陣ふたりめSteve Conte登場。Conte超かっこいいよConte…。Conteと真綾による七夕デュエットなこの曲、生で聴けるのは本当にこれが今世紀最後だろう…。貴重なものを見た。

【18.could you bite the hand?】
ConteギターうまいよConte…。

【19.Call me Call me 】
ビバップボーカル曲はじつはあんまり聴き込んでないのです、ということを後悔した今宵。

【20.約束はいらない】
「君を君を愛している」。真綾がそう歌いだしたとき「…きたー!」。何故だろう、そこまでこの曲が好きなわけじゃないのに、やっぱりこういうレベルの名曲になると曲自体の持つオーラがすごい気がする。アカペラで歌いきって、菅野さんの指が低音の鍵盤へいったときすごい興奮したもんね。まさに「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…」ですw

そして!ここでついにワルシャワフィル登場!(いや、前から音では登場していたのだけど日の目を見たのがこのとき) 間奏で菅野さんがピアノから立ち上がってエンドステージへ向かい、ずっと降ろされていた幕が上がってワルシャワフィルのステージが登場したとき……とんでもない鳥肌がたちました…。あの鳥肌は一生忘れないな…。ライブであんなに鳥肌たったことなんてないぜ…。どんだけ豪華なんだこのライブ…。

んでま、この曲の終わりとともにまた幕は下りたんだけどなw じらしすぎだw

【21.射手座☆午後九時 Don't be late 】
「わ〜たしのうたをきけぇーーーーー!!!」。すげえな、これも同じ作曲家の曲なんだぜ…w 突如として異常な盛り上がりでした。客層変わったもんw 「もってっけー!」が野太かったしw

【22.星間飛行
生ランカと生シェリルの小芝居から、みんなで「キラッ☆」。バンドメンバー紹介でみーんな「キラッ☆」。問答無用で楽しかったっすw やっぱこれは銀河チャート総なめだな!


さて、ここからはなんともごっちゃなメドレーだよ!

【23〜40≪超特盛りメドレー≫ 】

【23.Genesis of Aquarion (Vocal:May'n) 】
コーラス隊を引き連れてMay'nが代役。AKINOは客席に来ていたらしい!大人の事情か!

【24.What 'bout my star? 】
やー、これ生でフルで聴いてみたかった!それがちょっと惜しい!無駄にテンション上がるよね!

【25.愛・おぼえていますか
【26.私の彼はパイロット 】
マクロスライブ化していますがw つーか菅野さんの曲ではないw

【27.Welcome To My Fanclub's Night 】
とりあえずマクロスライブおしまい!

【28.プラチナ 】
そっちもくるんだー!と、やはり予習の甘さを後悔。曲は知ってるけど、思い入れがまだ足りなかったよー…。惜しいことを…。

【29.rise 】
結局攻殻OP全部やっちまったのかw

【30.インフィニティ 】
【31.ヘミソフィア
【32.beauty is within us 】
【33.ELM 】
ガニメデ慕情! 結構ファンの多い曲だけれどあまり興味はなかった。でもなんだ、こんないい曲だったのか!くそ!

【34.奇跡の海
【35.After in the dark 】
ちくしょう予習不足!

【36.RAIN (Vocal:Steve Conte&山根麻以) 】
豪華だー! ちゃんと両方のバージョンで聴けちまった!

【37.蒼のエーテル
まめぐとMay'nのデュエット。普通に考えてここはまめぐ&真綾だろう!と若干遺憾に思ったのはとりあえずおいておく!

【38.Gotta knock a little barder 】
【39.指輪 】
指輪はサビだけだったのだけれど、ここで真綾からものすごいオーラが出てた…。やっぱりまめぐやMay'nとはキャリアが違うのだということを痛感させられました。歌唱的には正直まめぐあたりのほうが安定してんじゃね?と思わされるところも多々あったのですが、やっぱね…、オーラは段違いだわ。この恐らくたった数小節のサビをステージ先端で神々しく歌う真綾の姿が脳裏から離れません。

【40.THE REAL FOLK BLUES 】
あのイントロ(のさらにイントロみたいな部分)が流れてきたときすげえ興奮したなあ。やっぱりこの曲はすげえよ!歓声もすごかったし。大好きです。ビバップはこの曲がないと終わらない!

というわけでようやくメドレーおわり! そして…!

【41.BLUE(Vocal:山根麻以/Chorus:坂本真綾) 】
真綾による美しい冒頭のコーラス。そしてエンドステージに立つ山根さん。どれだけの人が待ちわびていたのだろう、伝説のBLUEでございます。僕はもともとそんなに思い入れはなかったのですが、聴くほどにだんだんこの曲の魅力がわかってきました。ていうかまずはビバップ最終回を見ることだよね!あの階段から徐々に昇っていくカメラワークがないことにはこの曲を語れない! 悲しい曲かと思いきやラストで美しすぎる展開へもっていくあたり、菅野よう子の神っぷりが遺憾なく発揮されております。ああ…、すげえや…。

そしてここで何気に本編終了だったらしい。ちょっとまて、ワルシャワほとんど出てないんだがw

まあどうせこの先長いだろうという期待を込めながら、しばしアンコール待ち。


【アンコール】
はいきました。

【EN1.Yo pumpkin head 】
…きったーーーーー!!!! えええ、この曲こういうポジションでいいの?! いいの?! うっわー、うれしいいいい!……ってなぐらい大好きな曲です。ビバップ映画版のハロウィン大行進シーンでしか使われてない曲なのにー!くそお嬉しいぞ!かっこいいぞシートベルツ!

【EN2.Tank ! 】
そしてそのままTank! 言うほど好きなわけでもないこの曲ですが、いやーやっぱり悔しいがかっこいいな! つーかほんと、このシートベルツメンバーの演奏技術が高すぎる。佐野さんのドラムかっこええよお。最後の本田さんもかっこええよお。くそー!

そして…
【EN3.ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団メドレー 】
きたー! やっぱそうですよねー!w
 ・Vision of Eascaflone
 ・White Falcon
 ・Flying Dragon
 ・地よりはずめと
 ・High Spirit
 ・Dance of Curse
 ・Shiro, Long tails
 ・Dog Fight
 ・Vision of Escaflone
 ・Story of Escaflone
これもう…素晴らしかったです…。生Dance of Curseちょちょぎれた。そして生Shiro, Long tailsはもっとちょちょぎれた。菅野オケ曲のなかでもトップクラスに好きな曲なので…。ああもう…鳥肌だったわ…。そして最後にStory of Escafloneでしょう? もう死ぬしかねえべ。幸せすぎだ。なんていい曲を書くんだ菅野よう子…。

ワルシャワフィル最高でした。ドスコナーレ!!(すばらしい!カンペキ!っていう意味らしいよ。パンフに載ってた)

んで、感動に浸ろうとしていたら、あれ?菅野さんもう一曲振るのかな?

……ちゃちゃらちゃっ、ちゃちゃらちゃっ、ちゃらちゃちゃらちゃちゃー。

ぱっぱぱっぱぱっ、ぱっ、ぱっ。どん!

【EN4.SMS小隊〜あの娘はエイリアン】
いやいやいやいやいやいやwwww ワルシャワフィルにやらせる曲じゃねえええええwww もとだって珍しく打ち込みオケなのにww 激しく噴かせていただきました。大人が本気で遊ぶと怖ぇなあw あ、ちなみにここで全員登場です。まるでサザエさんエンディングのように。

そして曲が終わり、猛烈な歓声を浴びるなか、ついに口を開いた菅野よう子

「…菅野よう子でしたぁ」

ずっこけるわw

あのとんでもない猫声、生で聴くと破壊力段違い。「菅野よう子…神か…」と思い続けていた三時間弱の空気を一気に和らげてくれました。全部このひとの壮大な遊びなんだよなー。ちくしょう。

「えー、今日は、平日だと言うのに、こんなに集まりやがって(笑」

きゅんときましたw

「準備がいるからつないどいて」とマイクをまめぐに渡し(というかもともとまめぐのマイクだったっけ)、アコーディオン抱えてアコースティックな感じでラストを飾ったのはこの曲。

【EN5.アナタノオト (出演者全員) 】
僕ね…この曲大好きなのですよ。まさかこんないいポジションに置かれるとはね…。そしてここで、グッズ「ひよこすくい」に入っているひよこ隊長が大活躍。「あひるのお〜と〜(ぷぴ〜ぷぴ〜ぷぴ〜)」異様な光景でしたw これ、ひよこすくいしなかった人は大いに後悔していたことでしょう。すくってくれたshuありがとうよー!

んでほんわか終わって(もうなんか説明がめんどくなった)、メンバー全員がステージ下に捌けていくなか、菅野さんはタオルで手を拭いただけでステージに残り、…再びピアノへ。

【EN6.End title ノスタルジーナ】
静寂する会場の雰囲気がとても好きです。綺麗だなあ…。途中、アイリッシュ(で合ってるか?リバーダンスみたいなアレね)になる部分でピアノから立ち上がり、花道を駆け抜けてワルシャワフィルのいるエンドステージへ! ここの光景が本当に「最後」って感じですごく印象に残ってます。このまま消えちゃうのかな、って思ってたけどちゃんとそのあとも振ってくれた。よかった。

ほどよい爽やかさが最後の雰囲気をいい具合に演出し、最後のストリングスを丁寧に丁寧に紡ぎ、音を封じ込めるように両手を優しく閉じて(名シーンのひとつでしょう)……この長かった超時空七夕ソニックも終わったかのように見えたそのとき…。

【EN7.MOON(Vocal:菅野よう子) 】
指揮者を交代し、その横に立つ菅野よう子。流れてくるのはかの名曲「MOON」冒頭のロングトーン。いや待て…、そこに立っているのは菅野よう子ではない。…そう、Gabriera Robin…!

というわけで、いたずら好きなひよこ隊長は最後の最後まで本命のネタをとっておいたのでした。長年明かされなかった「Gabriera Robin」という人物の壮大なるネタばらし。ずるいよな全く…w

歌手として初めての大舞台に立ったGabriera Robin、いやもうめんどくさいから菅野さんでいいんだけど、さすがにさっきまでのようなやんちゃな顔はしておりませんでした。がっちがちに緊張しておりました。あのカンノヨーコも緊張するんだ、と思いました。でも、声は間違いなく伝説のGabriera Robinでした。

最後の一節を歌い終え、指揮者台の横あたりから地中に消えてゆく菅野よう子。その背中は、全ての演目を終えて一気に軽くなったように見えました。あんだけねちっこく出続けてたのに消えるときは突然なんだなあ…。最後までニクい。ちくしょー!

ワルシャワフィルが拍手喝采を浴びる中、バックステージに徐々に浮かび上がる大きな満月。猛烈な大歓声のなか、一気に客電ON。中途半端に現実に戻された地球人たちでしたが、しかし、会場の外へ出てもそこにはスクリーンにあったのと同じ、まんまるのお月様が浮かんでいたのでした。天まで味方につけやがったよ…。


そんなわけで、おしまい。この日の記憶はいつまでも鮮明に残っていてほしいな…。僕のなかで菅野よう子という音楽家がトップに君臨した日でした。22世紀まで這いつくばって生きてやるよ!(でもひよこ隊長のうそつきを期待する♪)

以上、いまのところ人生最高な七夕の記録でした。