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【2021改訂版】動画配信サービスで観れる大林宣彦監督作品23本をリストアップ&簡単に紹介します

動画配信サービスで観れる大林宣彦監督作品23本をリストアップ&簡単に紹介します

2020年4月10日に82歳で亡くなられた映画作家大林宣彦監督。昨年その訃報に触れるまで大林作品をひとつも観たことのなかったわたしですが、軽い気持ちで手を出してみたところ自分でも驚くほど魅了され、気付けば動画配信サービスで取り扱いのある作品(当時21本)を手当たり次第に鑑賞。2ヶ月で観終えてしまいました。

そんなわけでこの記事では、主要動画配信サービスで観れる大林作品をリストアップします。また併せて、配信されている全23+1作品の簡単な紹介もしていきます。大林作品の世界へ一歩踏み込むお手伝いができれば幸いです。

※本稿は2020年6月にアップした記事「動画配信サービスで観れる大林宣彦監督作品21本をリストアップ&簡単に紹介します」の2021年4月改訂版です。

動画配信サービスで観れる大林作品リスト

以下、2021年4月10日時点の調査結果です(同内容のスプレッドシートも用意しています)。

【リスト画像】動画配信サービスで観れる大林宣彦監督作品23+1本

リストからは割愛しましたが、Netflixでは『時をかける少女』『さびしんぼう』の2タイトルのみが現在配信されています。

昨年6月時点から比べると全体的に配信作品が増えており(嬉しい!)、なかでもU-NEXTがかなり強くなっているようです。U-NEXTは基本料こそ高いですが、PrimeVideoのほぼ全作品が課金制になっていることを考えると現状一択かもしれません(課金の必要な2作品もポイントで観れますね)。
【2021年8月追記】U-NEXTに『はるか、ノスタルジィ(1993)』や『その日のまえに(2008)』が追加されていました!

注意点など
  • 2021年4月10日時点での配信状況です。
  • タイトル横の番号は公開順の通し番号です(遺作は『海辺の映画館』)。非常に多作なため、ここではWikipedia掲載のフィルモグラフィーに準拠しています。抜けている場合は「配信されていない(と思われる)作品」です
  • 二重丸は各サービスの見放題プラン該当作品。価格表記のあるものは基本料金にプラスして課金が必要な作品です(HD画質のレンタル価格を記載)。「一箇所でしか配信されていない作品」には色付けしてあります。
  • 右側の3サービスは利用したことがありません。いずれもFilmarksの動画配信案内に表示されるサービスということで参考までに「取り扱いの有無のみ」調べて掲載しています。
  • レイアウトを手っ取り早く保ちたかったため、テキストではなく画像での掲載となりました。同内容のスプレッドシートも併せてご利用ください。

配信されていない作品

全作品数が44本、配信されている作品数が23本。ということはそうです、約半分の作品が配信されていないのです。Wikipediaのフィルモグラフィーを参照してみると、80年代後半から2000年初頭の作品はほとんど配信されていないことが分かります。

そしておそらく多くの方がぶち当たることでしょう、よりによって超代表作と言われる『転校生』の配信がどこにもないのです。『転校生 -さよなら あなた-』はセルフリメイクの別作品ですのでご注意ください(よい作品ですが、1本目には不向きです)。

未配信の作品を観る手段については最後に少し書くとして、まずは僭越ながら上記リストにある各作品を簡単にご紹介していきます。私見に基づく「こんな順番で観たらいいかも」の並びにしてありますので参考にしていただければと思います。タイトル横の【雑感】はより詳細な感想記事へのリンクです。

【目次】
  1. 入門編におすすめの作品
  2. 比較的クセのない作品
  3. 優先順位は低めだけど……な作品
  4. 心して観たい戦争三部作+遺作
  5. 意外とこれは必見です(番外編)
  6. 無理して観なくてもいい作品
  7. ドキュメンタリー作品
  8. 配信されていない作品を観る手段


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インド映画「マッキー(2012)」感想|ハエを甘く見るな

映画「マッキー」ポスターインドのハエ映画『マッキー』を観ました(掴みがいい)。監督は『バーフバリ』シリーズのS・S・ラージャマウリ。すごいな、これもこの人なのか。

突然のインド映画ではございますが、先日初対面の方と映画談義をしていたらどういうわけか「マッキーはいいぞ」の猛プッシュを受けまして。そういうとこ律儀なタイプですので、次お会いした際に鑑賞した旨ご報告するべく観た次第です。

さて、ざっくりのストーリーは「悪漢に殺された男が、愛する女性を守るためハエとして転生する」というもの。同じ女性に好意を寄せていたがために恋敵として悪漢に消されてしまった主人公。恋敵なき今、悪漢は何も知らない彼女に急接近していく。ダメだ!そいつは極悪人なんだ!ああ!愛する女性が危機一髪ってときになぜ俺はハエなんだ!

悪漢とヒロイン、そしてハエ。無茶苦茶なようでいて、これがなかなかアクションもロマンスも存分に味わえるのですから珍妙です。

現実的に考えてハエごときが悪漢に立ち向かうのは無理ではないかと思いがちですが、しかし、もしもそのハエが人間の記憶と知性、復讐心を持っていたら。これは案外、人間ごときの心身ぶち壊すのも夢じゃないのでは?という感想をわたしは本作から持ちました。後半のホームアローン形式はさすがに無理かもしれない、でも基本スタイルの耳元羽音攻撃は、あれを24時間やられたらノイローゼになって発狂必至でしょう。羽虫を敵に回してはいけません。

あまり真面目に語っていくのもばかばかしい映画なので、特筆すべき名場面を一点のみ発表します。キーワードはずばり「インターバル」。部屋で一人で観ていたにもかかわらず、思わず手をパチパチ叩いて大喜びしてしまいました。最高にくっだらねえ!が、最高にアガる。心の観客賞総ナメです。これからご覧になる方はお楽しみに。

なお「ハエ映画」となると、虫がお嫌いな方は警戒されるはず。MCUの続きは観たいけど『アントマン&ワスプ(2018)』は観たくないよう〜〜とだいぶグズった当方からの情報を提供しますと、このハエは意外といける。ちょっと時々ムムッてなサブイボ要素がなくもないけれど、動きがカワイイのでわりと愛せました。個人的には全然アリです。ハエですが。

(2021年61本目/U-NEXT)

マッキー

マッキー

  • メディア: Prime Video
ちなみにU-NEXTでは「輪廻転生奇想天外抱腹絶倒コメディ」とかいうヤケ気味なコピーが付けられていて好きです。