スコセッシ週間、こちらは『グッドフェローズ』に引き続きの『アイリッシュマン』繋がりです。
あらすじ
ざっくり言って「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ラスベガス」だと思いました。かつてベガスがあった。
男だけのほうが楽しい
これ、同じくベガスが舞台の『オーシャンズ13(2007)』を観たときに「女人禁制ひゃっほーう」と思ったのですが、女性関係が絡んでくると一気に話がめんどくさく(どうでもよく)なってくるようなところあります。こういう話は男だけでむさ苦しく展開してくれたほうが好きです。というわけで、ちょっと眠くなって二日に分けた次第。なかなかの長尺ですからね。
『グッドフェローズ(1990)』から継続してタッグを組むのはロバート・デ・ニーロとジョー・ペシ。ペシが登場した瞬間「あの襟!!」と叫んでしまったのはわたしだけじゃないはず。あの襟、生理的に怖いです。
(でも好き。ペシ、好き。あのどうしようもない凶暴さが好き)
そしてデ・ニーロ。これまでデ・ニーロに対して特別な思いを抱いたことはなかったのですが、『アイリッシュマン』からの流れで何本か観ていくにつれ、今更ながら、きわめて今更ながら「ロバート・デ・ニーロかっこいい」という気持ちが溢れてます。人はいつか必ずデ・ニーロに屈するようにできているんだな…。
『アイリッシュマン』との繋がり
『グッドフェローズ』も結構繋がりがありましたが、本作のほうがより直接的に繋がっていました。なんといっても『アイリッシュマン』で物語の中心となるトラック運転手組合「チームスターズ」がずばり登場!
本作の舞台となるカジノはチームスターズの年金基金から融資を受けて作られたという設定です(というか実話。今回も実話ベースです)。演台に立っているアンディ・ストーンと呼ばれる人物のモデルはジミー・ホッファだと思っていたのですが、Twitterで教えていただいたところによるとホッファのお金関係の事務処理を任されていたアレン・ドーフマンがモデルなのだそう。確かにこのアンディ、物語終盤で「駐車場で“8発”撃たれて」死んでます(『アイリッシュマン』劇中で彼の登場時に出る死因テロップと一致)。ただ、演説しているイメージはホッファなんじゃないかと個人的には思っています。
今回はあまりマフィア寄りの話じゃないんですが、それでも「もしイタリア人なら殺されなかっただろう」だとかそういう台詞は出てきて、一貫してるなあと思いました。あと、穴掘ってから殺すシーンはこれ、それぞれ実話なんでしょうけど、本作を知った上で『アイリッシュマン』を観た人はきっと連想しちゃいますよね。
崩壊していくエンドはいろんな作品で共通ですが、『グッドフェローズ』が「クソ面白くない人生だ」という〆だったのに対しての本作は「今の暮らしに不満はない」というもので、ちょっと面白かったです。
『アイリッシュマン』から一気にスコセッシ作品を3本ほど観てきて、「お約束」が多い作風にすっかり魅了されております。受ける印象としてはやはりタランティーノ、でしょうか。スコセッシと意識せずに観ていた『ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013)』も当時の感想を見てみるとやはりノリの軽さが気に入っていたようで、今のところ『タクシードライバー(1976)』以外は相性のいい監督と言えそうです(笑)
(2019年146本目)
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