353log

主に映画の感想文を書いています

韓国ドラマ「シーシュポス: The Myth」最終話までの感想

Netflixで配信されている韓国ドラマ『シーシュポス: The Myth』全16話を観ました。というか観終わったのは先々週くらいなんですが、うっかり書き忘れておりましたね。

※この記事は最終話までのネタバレ要素を含みます。ご注意ください。 『シーシュポス』とはなんぞやという方はこちらをどうぞ。ざっくり、タイムパラドックスSFです。


では、ポスター画像に続いてネタバレ区域入ります。

「シーシュポス」ポスター


ちょっとコテコテすぎたか

当初思ったほどにはハマらなかったなというのが正直なところです。いや十分に面白いのだけど、淡白なキャラだったテスルとソヘがどんどん感情豊かになってきちゃったりして(いいじゃん)、SF要素に対して韓国ドラマ的コテコテロマンス要素が強すぎたかな〜と。

記憶に新しいタイムパラドックスSFドラマ『DARK/ダーク』シリーズとつい比べてしまうっていうのもありましたね。あっちが26話で完結させたとなると、むしろ16話は足りなかったのかもしれない。風呂敷畳みきれてない感あり。続くかもよ、みたいな不穏な終わらせ方してましたけど。

あとはまあ例によって「強大すぎる敵キャラ嫌い問題」があるもんで、シグマ好かんな〜〜ってずっと思ってました。敵キャラは好きになれないとだめ。ユ・ジェミョンみたいな人じゃないと。そういえば黒服部隊にパク・セロイみたいな奴いたよね。

などなど言いつつ、しつこいようですが楽しむには楽しんだので一応あれこれ書いてゆきます。

世界か彼女か

今後ソヘとテスルにお約束のロマンスがあるとして、時の矛盾はそれをどう阻むのか。韓国ドラマ「シーシュポス: The Myth」が面白い|タイムマシンの発明を阻止して未来を救え - 353log

前回こんなことを書いたのですけど、やはり後半の展開としてこれが比重大きめでした。かいつまむと「ダメなほうの未来から来た女性を好きになってしまった主人公。未来を良くするべく根本解決しなければならんのだが、しかしそうすると愛する彼女はタイムパラドックスで消えてしまう。世界平和を取るか、私利私欲を取るか」。

いやあこれはなかなか、侮れない問題ですよ。いつか実際にこんなことがあったとして、ぶっちゃけ世界より彼女だろ!!と我々のテスルがジャッジしてしまった場合、日本は沈むわけですよ。こわいなあ、恋。

そういえば未来の核戦争、実際は「北からの攻撃に見せかけた一発目」から誘発された、アメリカとかも巻き込んだものだったということで、こちらも全然ありそう。こわい。

あなたのSFはどこから

教会から始まる最終話一連のくだりは結構どストレートに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ的で楽しかったです。ちょっと前に戻って阻止する、防弾チョッキを仕込んでおく、同じシーンを高い位置から見ている、などなど。こういう王道がなんだかんだ一番楽しい。

また、危機一髪を誰かに助けられて「あれは誰??」「ぼくたちだ!!」っていう感じは、今ふと『のび太の大魔境』のラストを思い出したり。前回の記事でも『みどりの守り神』を連想していたので、つくづくわたしのSFルーツは藤子F作品なんだなあと思いました。

ドラえもんっていわゆるSF(≠少し・不思議)のイメージあんまりないですけど、めちゃくちゃカジュアルにタイムマシンとタイムパラドックスが存在している物語世界なんですよね。日本以外の人たちはどこでこういうSFの素養を身につけているのかな。

そうそう、あとこれ。

なのでは(大林宣彦監督作品『時をかける少女』ラストの廊下シーンで原田知世さん演じるヒロインにドリーズームがかかる件を言っています)。

そんな感じで、最終的な印象としてはやや佳作寄りでしたが楽しく観ました。何より、初めてリアルタイムで追った韓国ドラマですから。週2話ペースだと16話って全然長くないことがわかりました。今はまた別のものを観ております。