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主に映画の感想文を書いています

2018映画鑑賞記録200本記念ふりかえり

コツコツと続けて200本。100本到達が5月下旬だったので、いちいち感想文を書いているわりには結構ハイペース。 文章力がないと嘆いていましたが、相変わらず上達しません。未だ模索中ということで。今回は101本目以降の鑑賞作品を振り返り、印象に残っているものをピックアップしてみようと思います(100本目までもピックアップしておけばよかった…)。

午前十時の映画祭

クロサワ祭りのあたりから「午前十時の映画祭」に通うようになりました。 椿三十郎(1962)」で大笑いしたり、「七人の侍(1954)」で「休憩」を初体験したのはいい思い出です。もともと好きだった「雨に唄えば(1952)」や、観る機会のなかった「メリーポピンズ(1964)」「グリース(1978)」など、ミュージカル映画の名作を映画館で楽しめたのも嬉しかったです。

年末には「パリの恋人(1957)」があるので、それをものすごく楽しみにしています。ヘプバーンが!バリカワだから!みんな観て!!

X-MENシリーズ

デッドプール2(2018)」をきっかけに、それまで敬遠していた「X-MEN」シリーズに手を出してみたらハマりました。史実に乗っかった地続きの世界観、人種差別をテーマにした深みのある内容、個人的にはMCUシリーズよりも好みだなと思える内容でした。最新作まで完走して「LOGAN/ローガン(2017)」を観終えたあとの喪失感ったら…。「X-MEN」シリーズとの出会いは、シリーズものとしては今年いちばんの収穫と言っても過言ではないかもしれません。 こんな記事も書きました。「デッドプール」止まりの人にこそ、踏み込んでほしい!

社会派映画の傑作に触れる

「紳士協定(1947)」「十二人の怒れる男(1957)」「大統領の陰謀(1976)」といったあたりの作品が非常におもしろく、特にモノクロの前2作は思わず人に勧めたくなる傑作でした。 反ユダヤ主義というデリケートな論題について書くことを依頼されたライターの男が、自らユダヤ人になりきって取材を進めていく「紳士協定」。アメリカの陪審員制度により召集された12人の男たちが、ひとりの少年の生死を一日かけて議論する密室劇「十二人の怒れる男」。いずれも画面に食い付いてしまうこと必至の作品です。

ミュージカル映画の陰から陽まで

いつのまにかミュージカルが好きになって、特に1930〜1950年代あたりのクラシックなミュージカル映画はそんじょそこらの人には負けないぞってくらい観ておりますが。そんななか、なんとなく一生観ることはないだろうと思っていた「ヘアスプレー(2007)」をうっかり観てみたら、どっこい一生見続けていたいほど最高の映画だったり。 わけあって18年間もあたためてから鑑賞した「ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000)」に呆然としたり。 マンマ・ミーア!(2008)」で頭空っぽにしたり、「SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018)」でボロ泣きしたり。本当に古今東西いろんなミュージカル映画がありますね。でも、どれも好きです。

カメラを止めるな!

今年いちばん、もどかしい思いをさせられた作品です。まだ都内数館でしか上映されていないような頃に観て、ミニシアターの異常な空気感に衝撃を受けて、あの体験は絶対にするべき!!!と猛アピールをしたものの、いざ全国展開されたらされたで「やはりミニシアターじゃないとあの体験は…」とか勝手な葛藤を抱き始め、なんというか初めて「追っかけてたバンドがメジャーデビューしちゃったファンの気持ち」みたいなのを味わいました。 でも、早めに観ていたおかげで想定外の嬉しいことも。ちょうど200本達成した頃、「週刊はてなブログ(id:hatenablog)」さんがわたしの感想記事を取り上げてくださってました。怖くなったので過去記事は読み返さないことにします(笑)

などなど、他にも印象深いものは沢山ありますがきりがないので。とりあえず今後もコツコツ観続けていこうと思います。読者登録やスターなど、応援いただき感謝しております! なかなか上達しない拙文で恐縮ですが、今後とも楽しんでいただければ幸いです。

アントマン&ワスプ(2018)

「マーベル・シネマティック・ユニヴァース(MCU)」、さりげなく記念すべき20作目。「アントマン(2015)」の続編であり、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)」から続くエピソードでもあります。MCUファンの方はネタバレにご注意を。

あらすじ

前作から3年。アントマンことスコット・ラングは、「シビル・ウォー」でキャプテン・アメリカに加担していたことからソコヴィア協定に反したとみなされ、2年間の自宅謹慎を受けていた。謹慎が解けるまであと数日というある日、かつて量子世界に消えたとされていた初代ワスプのジャネットを救う手がかりが見つかり、重要な協力人としてホープたち親子に自宅から連れ去られるスコット。外出することのないよう常にFBIから監視を受けているスコットにとって、これは人生を懸けた一大事である。

バレずに無断外出して量子世界で人助けをしよう

ヘヴィー級だったMCU前作「インフィニティ・ウォー」から一転、とってもライトな、お口直し系本作です。「インフィニティ・ウォー」にアントマンが出てこなかったのは自宅謹慎中だったから。って小さいなおい(アントマンだけに)。

今回のアントマンは巨大化もできるということで、物理的にもお話的にもミクロからマクロまで幅広い、やりたい放題のエンターテインメント作品になってます。大いに姿勢を崩してコーラのストロー咥えながら「おもしれー」って半笑いしっぱなしみたいなやつです。つい背筋の伸びてしまう「インフィニティ・ウォー」とは大違いです。

MCUにおけるアントマンX-MENシリーズにおける「デッドプール」的ポジションっぽいよなと思っていましたが本作はますますそんな感じ。クライマックスの市街戦ともなると、どっち観てるのか分からなくなるほど(笑) まあ、ウィットの清潔度は両極端ですけど。市街戦といえば今回の舞台はサンフランシスコということで、地形を生かしたカーチェイスなんかは「ベイマックス(2014)」を思わせるものがありました。量子世界のあたりも雰囲気近いですしね。

アントマン&ワスプ」の「ワスプ」となるのは、前作では博士の娘に過ぎなかったホープ。黒髪おかっぱボブが印象的なキャラクターでしたが本作では前髪グッと上げて完全に別人の装い。「オーシャンズ8」のサンドラ・ブロックかと思っちゃいました。二作目でボブから活動的なルックに一転するキャラクターというと、「ジュラシック・ワールド」シリーズのブライス・ダラス・ハワードとかそうでしたね。最近の女性キャラ造形の流行みたいなとこでしょうか。

あとあの、敵役の「ゴースト」は正直、ニチアサ系の香りがプンプンしませんか。あの、お米みたいな、フォーゼ? 近年の仮面ライダー臭がすごい。お米と蟻の戦い。米唐番が出てきたら終わる。

虫嫌いなら知っておきたい! 蟻は? 大きさは? 年収は?

ちうことで、はい、わたし虫が大の苦手でして、本作を劇場で観るかどうかかなり悩みました。パスしたい気持ちが7割くらいだったけど「インフィニティ・ウォー直後だしなあ…」「20作目だしなあ…」と重い腰あげて行った感じです。あんなに気乗りのしない映画館行きは初めてだったかもしれない。

事前に「今回、虫どうすか」っていろんな人に聞いてたんですが、みんな「大丈夫だと思うよ!」みたいな返答で、ある程度それを信じて行ったらちっとも大丈夫じゃねえじゃねえかああああああ!!!!!っていう次第でございましたので一応警告しておきます。巨大化した蟻がそこらじゅう歩き回っております。

いや〜、今回ね、とにかく巨大化できるんですよ。前回も巨大化要素はあったけれど全体的にミクロ方面だったのに対して、今回だいぶ積極的に蟻さんとかデカいんですよ。人間サイズでカツカツ歩き回ってるもんだから、って書きながらサブイボ立ってるんですけどね。あ〜、無理だった、ほんと。量子世界の方にも超ミクロでマクロな奴がいますしね。や〜、痒かった。ヒアリのニュースが直視できなかった皆さんはどうかお気をつけてくださいね。

虫要素を抜きにすれば(アントマンのアント抜きになってしまい恐縮ですが)巨大化縮小化をカジュアルに使いこなす今回のアクションはかなり楽しいです。縮小化したときに質感までミニチュアっぽくなるのが、また独特のよさみありで。車を小さくするとチープな「ミニカー」になっちゃうのがね、男心をくすぐるんですよね。ドラえもんの「チョコQ」の話とか思い出しちゃいました。あーいうのが好きな人ならかなりツボると思います。

で、わたしのように虫嫌いな人は果たして本作どうするべきか。結論としてはまあ当然ですけど、MCU追ってきた人ならマストです。がんばってください。応援してます。

(2018年204本目 劇場鑑賞)