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主に映画の感想文を書いています

「ジョン・ウィック:チャプター2(2017)」雑感と後出しNY聖地巡り

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ジョン・ウィック(2014)」続編、その名も「チャプター2」。非常に盛り沢山で楽しい2作目でした。感想長め、どういうわけか聖地巡りまで付いてます。

あらすじ

1作目から数日後。再び穏やかな生活に戻ろうとしていたジョン・ウィックキアヌ・リーブスだったが、かつてサンティーノという男と交わした「誓印」の効力がそれを阻んだ。ジョンはやむなくローマへ向かい、誓印を解くための任務を遂行。しかしサンティーノはジョンを消そうとする。

ニューヨーク、ローマ、またニューヨーク、という飽きさせない三部構成になっており、前作比かなり作りこまれた設定の面白さも高得点です!

第一幕:ニューヨーク

ネオンが反射する雨上がりのマンハッタン。ワイルドスピードかな?と思ってしまうカーアクションが痛快な第一幕。人めっちゃハネられて笑っちゃう。

わざわざ愛車を取り戻しに来たジョンだったけど、ピカピカに磨き上げられた愛車は一瞬でスクラップに。アメ車は潰れてもかっこいいけどさ、取り戻しに来た意味ないじゃん。ていうかそこまで危険をおかして取り返すほどの車だったの?

という疑問はその後、フラッシュバックする亡き妻との記憶で捕捉されることに。想い出の詰まった車だったのね……わかったよ……。最小限のフラッシュバックで過去の説明を済ませる手法、前作に引き続きとても巧いです。

殺しの道具をセメントで封印するジョン。「あの男についての話はどれもが控えめに語られている」。ん〜、かっこいい。

第二幕:ローマ

「コンチネンタル・ローマ」でのVIP扱いがたまらない第二幕。武器ソムリエによる“テイスティング”、『キングスマン』ばりのオーダースーツ屋などなど、いかにジョンが大物かということに加えて「コンチネンタル」の世界観も一気に膨らむ秀逸なシーン。

「コンチネンタル」は殺し屋たちが所属する組合のようなものであり、おそらく世界各地に拠点となる「ホテル」が存在。実績および独自の通貨で各種サービス(装備、支援、掃除等)を受けられる。ホテル内は休戦地帯と定められており、ルールを破って「仕事」をしてしまった者はベテランであろうとも除名、処分される。また血判で結んだ「誓印」は絶対であり、逃げることはできない。

時代設定は現代なのに、「アカウント部」と呼ばれる事務所で使われているのはタイプライター、古いコンピューター、気送管。しかしメッセージが届く先はスマホ(笑) いや〜面白い! これといった説明もなくこれだけの設定を理解させてくれる作りは、やはり巧みです。

ローマでは最初の標的にあっさり自決されてしまうジョン。このシーン、どんなスプラッタよりもゾワッとします。最近観ているドラマ『ハウス・オブ・カード』で「リストカットするときは横じゃなくて縦」っていう無駄(でありたい)知識を得た直後だったので、「縦だ〜〜〜(うわ〜〜〜)」ってなりました。エグい。あれはエグい。

そのあとの、遺跡だかなんだかでのバトルシーンは楽しいですね! ソムリエご推薦の銃器各種をいろんなところに隠しておいて(あんなでかいの持ち歩けないだろ、と思っていたらこれですよ。一貫して現実的)次々持ち替えるゲーム的楽しさ。暗闇でも「音の違い」で武器の違いが分かる巧みさ。照明や懐中電灯のおかげで、暗いわりにはしっかり把握できる戦況。唸る。

第三幕:ニューヨーク再び

帰ってきたと思ったら賞金首になってしまっていたジョン。街中に潜む刺客たちの対応に追われるわけですが、ここで不意打ちに登場するのが「鉛筆」! 前作から言われ続けていたブギーマン伝説がついに! しかも想像よりエグい(笑) 「控え目に語られている」んですもんね〜。

帰ってきたニューヨークでは、名所巡り的にマンハッタンのいいところを選んでバトルしてくれます。ありがたや。鏡の部屋がある美術館(新現代美術館だそうですが、あの部屋はさすがに作り物かな?)のシーンとか、使い古された系ではあるけれど斬新な画になっていました。

笑っちゃったのが「7発しか撃てない拳銃」。一発ずつ確実に使っていくのかと思いきや、ダダダダダダダンッ!カチャッ(あれ?)。一瞬で使い切ったーーー!!! 草が生えるとはこのことです。なんだったんだよあれw

そして最後、ニューヨークでもやはり避難所になっている休戦地帯のホテルで自分なりのけじめをつけるジョン。「何てことをした」をまさにそう思える世界観の作り込み、改めて見事です。裁きのベセスダへ連れていかれ、「一時間の猶予を与えてやる」とエンドロール。さては次作、ここから始まりますね。

(作戦コード11-11-1ってめっちゃ犬。ワンワン)

後出し聖地巡り

前作に増してニューヨーク映画となっていた本作。昨年ニューヨーク旅行をしてきた際に行った場所が数多く出てきたので、後出し?聖地巡りのコーナーです。写真は自前でござい。

ブルックリン橋

f:id:threefivethree:20181123014833j:plainジョン・ウィック」といったらこの橋、このアングルのイメージですね。望遠で撮るとこの感じになります。

マンハッタン橋

f:id:threefivethree:20181123020756j:plain 今回はこの橋もだいぶでかでかと出てきました。この二つに比べると地味な「ウィリアムズバーグ橋」も本作含めいろんな作品で頻繁に登場するのですが、前回の旅行時にはノーマーク。次は行きたいなと思ってます。

リンカーン・センター

f:id:threefivethree:20181216203420j:plain f:id:threefivethree:20181216203415j:plain 中央の噴水を挟んだバトルシーンで登場。いやいや、発砲はお控えなさいよ。めっちゃ巻き込んどるがな。メトロポリタン歌劇場や、ブロードウェイ最北端の劇場がある上品なエリアです。

ワールド・トレード・センター

f:id:threefivethree:20181216105931j:plain f:id:threefivethree:20181216110436j:plain 駅構内でのバトルシーンで登場。外観は出てきませんが内装まで統一されたデザインなので一見して分かります。2016年にリニューアルした駅で、映画での使用はこれが初とのこと。本作が2017年ですから超新品状態もしくはオープン前に撮ってる可能性も。

ベセスダ・テラス&噴水

f:id:threefivethree:20181228212224j:plain f:id:threefivethree:20181228210819j:plainジョン・ウィック」シリーズの重要なスポット。コンチネンタルを追放されるときはここと決まっているのだ!という強引な設定が好き。この噴水広場、行った際は「枯れ噴水」で少々残念だったんですが、本作ではまさにこの枯れた状態での登場だったため大喜び(笑) セントラル・パークの中にあります。

他には、セント・パトリック大聖堂が間近に見える屋上庭園などもありました。GoogleMapで見てみると確かにある。 f:id:threefivethree:20191012114048p:plain ロックフェラー・センターのエリアにあるビルの屋上ですが、入れるんですかね。あんな綺麗な庭園ではなくとも、あのアングルのセント・パトリック大聖堂は見てみたいかも。次回要チェック。

次回要チェックといえばもちろん、前回の記事で書いた「1 ウォール・ストリート・コート(コンチネンタル・ホテル・ニューヨーク)」からですね。絶対行かなきゃ。

といったところで、聖地巡りも楽しそうなシリーズとなっております。各スポット、詳しくは当ブログの巨大連載「ニューヨークひとり旅の記録2018」にてご紹介しておりますのでよろしければどうぞ。 上記スポット掲載箇所は1日目⑤、2日目②③、3日目②です。

さて、未曾有の台風を無事生き抜いたら最新作「ジョン・ウィック:パラベラム」観に行きます。2019年10月12日、台風19号ハギビス。これが最後の更新にならんことを。みなさまどうぞご無事で。(追記:生き抜きました→「ジョン・ウィック:パラベラム(2019)」雑感と後出しNY聖地巡り② - 353log

(2019年113本目)

Netflixで観ました(と言いつつAmazonを貼る)。