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主に映画の感想文を書いています

ギルダ(1946)

ギルダ [DVD]

ギルダ [DVD]

先日「踊る結婚式(1941)」で衝撃を受けたことから、ただただリタ・ヘイワースが見たくて鑑賞。

ざっくり言うと

魅惑の女性ギルダ(リタ・ヘイワース)を巡る愛憎のフィルム・ノワール

リタ・ヘイワースに平伏したい

f:id:threefivethree:20180707001534j:plain:w190:rightいやはや、ほんとに、魅惑的ですねリタ・ヘイワース様。目の保養以外の何物でもありませんでした。この時代の女優さんで一番好きかもしれない…。何ですかねこの圧倒的な魅力!

常にバックライトで神々しく光らせている髪が印象的ですが、黒髪的なシックさもありつつブロンド的透明感もあるこの感じは、赤毛ならでは、そしてなにより白黒ならではの雰囲気なのでしょう。以前、同じく赤毛シャーリー・マクレーンを初めてカラー作品で見たときに「あれ??」となってしまって、それって赤毛とカラー映画の相性の悪さだと思っているんですけど、カラーの写真など見る限りリタ・ヘイワースも白黒でこそ映える女優なのかもしれません。

フィルム・ノワールということで、顔に影がかかったりものすごい逆光になったり完全なシルエットになってしまったり、といった画が多数。そのなかで当然この妖麗なファム・ファタールリタ・ヘイワースが表情も見えないほど暗くされてしまう場面もいくつかあるのですが、そんなときは決まって一点のキャッチライトが眼に小さく入り、それがまたなんとも魅惑度を上げているのですから上手いです。

ストーリーは複雑で結構難解。この時代の映画はミュージカル作品ばかり鑑賞しているもので、意外と難しくて困惑しました(笑) しかも最後はいきなりハッピーエンド調になるし! さっきまで寡黙だったじゃん! そういえば、カジノと寡黙なオーナーという要素は「カサブランカ(1942)」を連想しました。飛行機で逃げるのとかも似てるっちゃ似てますね。

本作は「ショーシャンクの空に(1994)」に映像やポスターで登場しているとのこと。「マルホランド・ドライブ(2001)」でも〝リタ〟と名乗るきっかけになったポスターは本作のものだとか。スティーブン・キング刑務所のリタ・ヘイワース」を原作とした「ショーシャンクの空に」、人気タイトルすぎてまだ未見なんですよね。きっかけができたので近いうち観ようと思います。

とにもかくにも、おぞましく魅力的なリタ・ヘイワースが拝める作品です。この時代の美しい女性が好きな方も、この時代の美しい女性を見たことがない方も、ぜひご覧ください。

(2018年141本目)

ラッシュ/プライドと友情(2013)

つい最近では「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018)」も手がけたロン・ハワード監督作品。

自分からはあまり手に取らない系の作品ですが、同じ楽団の若い子(めったに映画は観ないそう)が最近観た数少ない映画として時折挙げていたので興味を持ち鑑賞。「ハン・ソロ」を観たときにロン・ハワード監督を調べてて、「あれっ、彼が言ってたやつも監督してる!」となったのが最終的なきっかけ。ていうかロン・ハワード監督って名作だらけじゃないですか、どれを代表作にしてるんだろう…。

概要

1976年のF1世界選手権を主な舞台に、ジェームズ・ハントニキ・ラウダという実在のF1レーサーたちを描いた実話ベースの作品。

事実は小説よりも奇なり

概要の通りノンフィクション的なお話、のはず。とはいえ好敵手ものとして出来過ぎな話でしょ〜〜かっこよすぎるわ〜〜なんて思いながら御本人たちのWikiを読んでたら、なんなら映画より劇的じゃねーかとコケそうになりました。たとえばラウダのこれとか。

全身のおよそ70%の血液を入れ替え、数日間生死の境をさ迷ったが、臨終儀式の用意のために牧師が病室に訪れた途端にラウダは驚異的なペースで回復。

ニキ・ラウダ - Wikipedia

あのシーンほんとだったのかよっていう(笑) また、ハントの死に様のこれとか。

私生活では2度結婚している。3人目の相手へのプロポーズが成功した数時間後、ハントは心臓発作でこの世を去った。

ジェームス・ハント - Wikipedia

ふたりともフィクションの星に生まれたような人物だったんですね…(ラウダさんは御存命)。

また、役者が本人にそっくりだったのも驚きました。特にラウダは、御本人が出てたんじゃないかってくらい似てますね。ハントを演じているのはクリス・ヘムズワースで、ハント御本人も負けず劣らずのスーパースター系イケメン。クリス・ヘムズワースは「マイティ・ソー」シリーズのイメージが強すぎてわたしの中で三枚目俳優だったんですが、このたび二枚目俳優にランクアップいたしました。普通にかっこいいのね、あなた。

最終決戦の地が日本

えっ。…ってなっちゃいましたけど、これも本当なんですね。こんなすごいレースの最終決戦が日本だなんて、日本人からしたらすごい都合のいい話というか。レース知識ゼロの素人からすれば「嘘でしょ」っていう。レース場から見えるでっかいフジヤマ見たときにめちゃくちゃ嫌な予感しちゃいましたもん。でもあの見え方も本当なんですね。いやほら、最近「パシフィック・リム:アップライジング(2018)」とかあったからそのトラウマが…。

1976年F1世界選手権イン・ジャパン - Wikipedia
富士スピードウェイ - Wikipedia

車とかどう運んでくるんですかね。F1世界選手権ってすげえんだな、と思いました。ちなみに富士スピードウェイは「日本人初のボンドガール」で有名な「007は二度死ぬ(1967)」にも出てくるそう。やろうと思いつつ先送りにしてる007前作制覇、そろそろスタートさせるべきかもしれません。

常に死のリスクとスポンサーの圧を背負いながら原動機付き棺桶を爆走させるレーサーの刹那感にじわじわと共感できるようになってくる描き方がとても丁寧で、また男二人の理想的な好敵手関係もグッとくるものがあって、よい作品でした。F1のことは全然知らなかったけど、今度なにかで見かけたらこれまでよりは興味を持てそうです。あと、ハンス・ジマーの音楽がものすごいハンス・ジマーでした。

(2018年140本目)