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主に映画の感想文を書いています

まっぷるさんで「ファンタジー、“剣と魔法”抜き」な記事を書きました

本題に入る前に、ひとつ前の記事でも書きましたシネマ・チュプキ・タバタの劇場存続に関わるクラウドファンディング、無事最終日を迎えることができました。835名(重複カウントあり)の方にご協力いただき、当初の目標金額600万円を大幅に超えた9,346,230円ものご支援が集まりました。

最終日はわたしもチュプキでカウントダウンに参加。YouTubeライブでの7時間生配信にちょっと出たりもしました(が、恥ずかしいのでここには貼りません)。日付がまわった深夜のシアターでリモート画面をスクリーンに映しながらのだらだらとした後夜祭は不思議な多幸感が漂い、この夏の思い出という感じです。翌朝のエクストリーム出社もなんのその。

そんなわけで、ご協力いただきました皆様、見守ってくださりました皆様、本当にありがとうございました。お前いつの間にスタッフになってんだ問題に関しては時間が解決してくれることを願っております。わたしもまだ自分の立ち位置がよくわかりません。なんか、感想記事とかもちょっと書きづらいし!(本音)



さて! それでは本題。「まっぷるトラベルガイド」さんで書かせていただいている心のトラベルガイドこと映画紹介記事、8月分の2本目として『おすすめのファンタジー映画!剣と魔法だけじゃない、珠玉の6作品をご紹介!』という記事が公開されました。

おすすめのファンタジー映画!剣と魔法だけじゃない、珠玉の6作品をご紹介! - ライフスタイル|まっぷるトラベルガイド


お題「ファンタジー映画6選」をいただいた時、まず頭をよぎったのが「やべえ、ロードオブザリングすら観てねえ」でした。はい、じつはこんな記事を書かせていただいておきながら、指輪も観ていなければハリーポッター関連もほぼ観てないというファンタジー弱者だったのですね。

もちろん、これを機に全履修する!というパターンも全然ありだったのですが、今更わたしごときが最大手コンテンツに踏み込んだところであまりメリットはないと思いましたので、いっそ「“剣と魔法”抜き」にしてしまおうと閃きました。

そういった詭弁の論理でセレクトしたのが今回の6本になります。


ポイントは「比較的近年の作品で」「なるべくいろんな国の作品を」。なんたってトラベルガイドですからね(それこそロードオブザリングなんて、詳しかったら面白いトラベルガイド書けそう……)。なお事情によりミュージカル作品も除外しました。

書くにあたり例によって全作観ておりますので、なるべく記事の内容と被らないように少しずつ補足していきたいと思います。

まずシェイプ・オブ・ウォーターは絶対に入れたい1本でした。映画ファン歴浅めのわたしにとって、映画沼にずぶずぶ沈んでいくきっかけとなった大きな作品で、これまでも幾度に渡り記事を書いていたりします。

Blu-rayを買ったときぶりに観直しましたが、ううん、やはり好きですね。ヒロインが手話を使うのですけど、そっかこの頃から手話表現に惹かれていたんだなあと。のちに大林宣彦監督の『風の歌が聴きたい(1998)』や濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー(2021)』、『Coda あいのうた(2021)』などで心震わされた、その手前の部分に自分のルーツとしてこの作品があったようです。

ちなみに今回「観てみたけど選ばなかった作品」にアメリ(2001)があります。いやなんか、記憶よりもファンタジーじゃなかったので(笑) でも『シェイプ〜』と『アメリ』の雰囲気的類似感は改めて確認できましたし(どっちも好き!ってこと)、何より「アメリが道ゆく白杖の老人に音声ガイドをするシーン」なんてのがあったことに初めて気づきました。『ニュー・シネマ・パラダイス(1988)』の耳打ちしかり、「映画の中の音声ガイドシーン」ってじつは結構あるのかも。


『ラストナイト・イン・ソーホー』はいちばん最近の作品ですね。劇場で2回観て(かなり珍しいパターン)、3回目の鑑賞でした。今年の映画だと思い込んでたら昨年公開だったので時の流れに超びっくり。こちらはまあとにかくシラ・ブラック「You're May World」にいざなわれる60'sロンドンタイムスリップという魅力をお伝えしたかったので、その後がホラーだろうがなんだろうが関係ねえ、です。

それからロードオブザリングに触れられない代わりにですね、ダイアナ・リグとマット・スミスから関連付けて『ゲーム・オブ・スローンズ』および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に発展させる狙いもございました(こっちは全履修しているんです、わたし、なぜか)。

『1秒先の彼女』は、いちばん好きなタイプのファンタジー映画です。今回のイチオシです。劇場鑑賞ぶりに観ましたが、展開を知っていても「どういうこと?!」ってなれるのがすごい。「一度観ただけでは気付けない仕掛け」はこれ本当で、「え、じゃあもしかしてあのシーンに写ってるの? …写ってたァァァ!!!」みたいな驚きと嬉しみがたまりませんので是非リプレイしてみてください。あそうそう、京都のガイドブックとか初見時は気付かなかったな。

あなた、そこにいてくれますか韓国映画ハマりたての頃に知人からおすすめしてもらった映画なのですが、いや、あらためて完成度の高い、いわゆるウェルメイドな映画だなあと、教えていただいたことに感謝です。タイムパラドックスでご飯三杯いける方はマストでご覧ください。傑作。

夜は短し歩けよ乙女は、こちら初見でした。同じ布陣の『四畳半神話大系』はわたし大好きで、DVDも全巻持ってるし細かすぎる聖地巡礼もしたしいろいろと思い出深い作品なのですが、なぜかこっちは観てなくて。序盤は、うーんこれぐらいだとファンタジーではないかなあとも思ったものの、終盤のお見舞いのくだりが完全なるファンタジーだったので採用です。予想外すぎるレベルのミュージカルもよかった。

今夜、ロマンス劇場でも初見。気にはなりつつ、正直「地雷」かもとこれまで遠ざけていて。でもきっと今回のテーマには合ってるよなあと観てみた次第です。で、やっぱり中盤くらいまではなかなか気持ちが乗れなくて。いいんだけど、おもしろいんだけど、どこか斜に構えてしまう自分、みたいな。それが後半、というか終盤近くですね、「あ、そっちいくんだ」っていう分岐のしかたで自然と涙が出てきて、「負けた」と思い採用しました。

記事中でも書いていますが、ファンタジーラブロマンス映画の皮をかぶった「映画愛」の物語であるところが非常にポイント高くて。ああ彼女は「映画」なんだ、と思ってしまったが最後、もう捨て置けない気持ちでした。今後もし時間が作れれば、関連作である『狸御殿』シリーズなども観たうえで単独の感想を書きたいところです。

以上、おすすめのファンタジー映画!剣と魔法だけじゃない、珠玉の6作品をご紹介!の補足でした! 記事のほうではまた別のことを書いておりますので、是非あわせてお読みくださいませ。