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韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」1〜4話までの感想|自閉スペクトラム症の弁護士、の話。これはすごい。

Netflixで7/30現在10話まで配信中の韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』。デイリー1位になっていたりSNSでタイトルを見かけるようになったので、ためしに1話だけと観てみたのですが、これはすごい……。

以下、1〜4話までの内容を含むネタバレ感想です。


ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」韓国版ポスター
ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」韓国版ポスター


ざっくり言うと自閉スペクトラム症の弁護士」の話です。『サイコだけど大丈夫』のさらに次をゆく作品という感じでしょうか。

まず冒頭、言葉の遅かった幼少期の主人公ヨンウ「初めて発した言葉が“刑法”」っていう掴みからして最高で。時は経ち、首席でロースクールを卒業したヨンウは「韓国初・自閉スペクトラム症の弁護士」となり、一流法律事務所へ配属されてくる。そんなところから始まります。

ヨンウは「頭脳は明晰だけど、一見すると“おかしな人”」。配属された事務所でも当然ながら怪訝な顔で見られるのですが、しかしこのドラマはそこにストレスを感じさせない序盤のつくりがとても巧みです。

同僚だけをとってみても、ドアをくぐるや早速サポートしてくれる超好青年。はじめこそ差別的な反応をするもののヨンウの力量をみるや前言撤回し、むしろこの上ない味方になってくれる最高の上司。ヨンウをよく知っているロースクールの同級生etc...。ドラマの視聴継続を決める入り口の部分で共感性羞恥を極力抱かせない、これはすごくありがたかったです。

その代わり、裁判で扱われる案件はのっけから飛ばしてきます。陪審員制度で「障害者として同情を誘う」作戦に自ら出るヨンウ。大枠としては同じ自閉スペクトラム症の被告を担当することになるヨンウ。自閉スペクトラム症の自分が担当したせいで不利になってしまう裁判etc...。あからさまな偏見、差別、誹謗中傷をヨンウがダイレクトに食らうさまは、容赦がありません。まだ4話で、これですよ。

また、言ってしまえばありとあらゆる多様性を詰め込んだような設定も唸らされます。「まだ2話でこれか」「まだ3話でこれか」……これ全16話で一体どこまでいっちゃうの……。個人的に好きなキャラクターは、ロースクールの同期。カッコ可愛い感じの女性ですけど、彼女を「お腹が弱い」設定にするの、いいなあと思って。「この結婚、任せた…ッ」のエピソード、爆笑しちゃいました。

そう、あの、コメディとしても秀逸なんですよね。開始早々しっかりこなれた、居心地のいい空間や人間関係があちこちに。水戸黄門ばりに「お決まり」の「クジラの閃き」とか、よくこんなチープな、しかしクセになる演出を思いついたなと。すべてがうまくいってます。マジで。

てな感じで、毎話必ず感情が揺り動かされて、かつ「ふはっ」と笑えて、心温まると同時に己の汚さや偽善者っぷりに落ち込んで、でもきっとあの「いい人」すぎる「彼」にも深いエピソードがあるんだろうなと思っている第4話時点。

なるべく急いで最新話まで追い付き(1話けっこう長いんだけど……)、続きはリアタイ配信視聴するつもりです。また書きたくなった頃に書きます。以上、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』簡単なご紹介と感想でした。

クジラといえば、これですね。ざっぱーん。

あ、そうだ、第2話に出てくる結婚式場のスタッフさん。伊藤沙莉さんに似た雰囲気のスタッフさん。どこかで……、と思ったら『ドライブ・マイ・カー(2021)』のパク・ユリムさんでしたね! とにかく伊藤沙莉さんに似ていることはわかった。

追記:この記事を書いた翌日には最新話まで追いつきましたね……。ということで第10話までの感想メモはこちら。