353log

主に映画の感想文を書いています

映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2021)」感想|荒唐無稽で結構だが麺は食え

盆明け、免許更新の足でワイルド・スピード/ジェットブレイク』を観てきました。「もしも道路交通法がなくなったら……」をテーマにした優良者用講習ビデオです。ちょっと長かったです。


映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」ポスター
映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」ポスター


そんな(?)本作は『ワイルド・スピード』シリーズ9作目。じつはわたし2019年公開のスピンオフ作品『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』が初めての「ワイスピ」シリーズだったんですけど、あえて予備知識ゼロで挑んだら案外しっかり楽しめてしまって、そこからの過去作一気見ですっかりファンに。だもんで本編を映画館で観るのは初めてです。前2作ぐらい復習してから観に行きました。

冒頭も冒頭、やけに古いユニバーサルロゴを使うのねと思ったら80年代トレットファミリーの回想からスタート。なるほど。対する現代パートのドムは田舎に隠居しており、エンドゲームのスタークみたいな状況に。「リトルB」こと愛息子ブライアンも可愛く育っており、レティと3人で穏やかに過ごしたいらしいが、そうは問屋が卸さない。

予告編が今回めちゃくちゃ良くて、観るたび「楽しそうだな〜〜!!」ってテンション上がりまくってたんですけど。まあ身も蓋もないことを言ってしまえば「予告が全て」系の作品ではありました。はい。145分はちっと長かったかもしんない。

ただその中でも、ファミリー再集結となってからのずばり「地雷原を突っ走れ!!」っていうファーストミッションは素晴らしく楽しかったですね。「荒・唐・無・稽」の四文字がダダダダンッ!と脳内にタイプされました。いやーなんだろ、これまでも荒唐無稽だったけど、今回ほど思ったことはなかった。これが荒唐無稽か〜。

で、この荒唐無稽がずっと同じテンションで続いてくれればおバカすぎて文句の付けようもなかったんですが、本作ちょっとドラマパートが好きじゃなかったというか「へえ、弟」って感じで妙にテンション落ちちゃって、最後まで弟に馴染めませんでした。ごめんよ。

それと、市街でのアクションが──今更このシリーズにこんなこと言うのもナンセンスかとは思いつつ──あまりにも迷惑すぎてなんかな〜〜って思っちゃいました。ソコヴィア協定って知ってる?! 特にラムジー無免許運転はひどすぎ(ミッサンディにあんなことさせないで!!!)(吹き替えだとマイスイート坂本真綾さんじゃん!やめて!!)。潤沢な資金力でちゃんと抜かりなく補償してることを願うばかりよ。

もういっこ、これは微笑みポイントでもある日本パートの「ほんとこういうジャパン好きね」っていうやつ、まあこのシリーズには既に『TOKYO DRIFT』がありますから特別何を言うでもないんですけど、今回ひとつ許しがたかったのはラーメンですね。いいから!!麺を!!食えよ!!と。さしものミシェル・ロドリゲスもラーメンには太刀打ちできないのであった。

あと、荒唐無稽ちょっと行き過ぎちゃったんじゃないのと思ったのは「スペース・ポンティアック」。デロリアンみたいで嫌いじゃないけどデロリアンも宇宙までは行かんぞ(次作は時をかけるんじゃないかという感想を見かけて、うん、大いに有り得る)。プロポ操縦の試験機、海上自衛隊コーデ、縦列カーチェイスなどなどBTTFパロディみたいなとこ結構ありましたね。

等々いろいろ言いたいことはあるし途中あくびも出ちゃったりしましたが、結局このシリーズは最後に食卓を囲んで祈りを捧げればほっこりしてしまう。そして律儀にブライアンが生き続けている、とくればそんなの、いい後味にしかなんないじゃん。ずるい、と一口には言えないんだけど、でも言いたい。ずるい。

生き続けて、といえばハンのカムバックは嬉しかったし、そこからのポストクレジットも楽しみ倍増。ジゼルは…? ジゼルはむり…? ていうか爆破されたあの家、再建してるのね。ご近所さん絶対嫌だと思うな(笑)

なんだかんだわいわい楽しめる「ワイスピ」なのでした。

(2021年133本目/劇場鑑賞)

今観てもやっぱり「ふふふ」となってしまう「公式ファスト映画」的予告。この映画めちゃくちゃ楽しそう。