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主に映画の感想文を書いています

ハングル能力検定5級を取った話①|きっかけは「愛の不時着」のアレでした。

突然ですが、ハングル能力検定5級を取りました。1993年から年2回実施されている検定試験で、わたしが受けたのは今年6月の第55回。5級に関しては4,000人ほどが出願したそうです。

ちなみに5級のレベルは、公式の説明だとこのようになっています。

60分授業を40回受講した程度。韓国・朝鮮語を習い始めた初歩の段階で、基礎的な韓国・朝鮮語をある程度理解し、それらを用いて表現できる。

・ハングルの母音(字)と子音(字)を正確に区別できる。
・約480語の単語や限られた文型からなる文を理解することができる。
・決まり文句としてのあいさつやあいづち、簡単な質問ができ、またそのような質問に答えることができる。
・自分自身や家族の名前、特徴・好き嫌いなどの私的な話題、日課や予定、食べ物などの身近なことについて伝え合うことができる。


各級レベルと合格ライン | ハングル能力検定協会


おそらく英検5級と同程度だと思いますが、なんだかんだカタカナ英語などで日常的に接点のある英語と違って韓国語はそもそもインプットされていないことが多すぎる!

「約480語の単語」にしたって、その殆どを1から覚えないといけないので(だってケンチャナヨとかサランヘヨ、せいぜいプルコギくらいしか知らないし)思いのほかハードルは高いなというのが挑んでみての感想でした。

てなわけで、どんな経緯で「ハン検」ことハングル能力検定を受けることにしたのか、どんな勉強をしたのか、といったことを順番に書いていきます。

きっかけは『愛の不時着』のアレ

映画ではポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族(2019)』、ドラマではNetflixの『愛の不時着』『梨泰院クラス』などにより何度目かの韓国エンタメブームが日本に巻き起こった2020年。かつてのヨン様&冬ソナ旋風には乗らなかったわたしですが今回はすっかり乗せられてしまい、今となっては韓国カルチャーの虜です。『82年生まれ、キム・ジヨン』に代表される韓国文学もだいぶ読みました。

となると、ハングルの読み書きに興味が出てくるのも時間の問題。最初に「読めたらな〜〜〜」と思わされたのは、『愛の不時着』における「背表紙芸」です。

ドラマ『愛の不時着』より
ドラマ『愛の不時着』より

背表紙の頭文字でラブレターを作るというベタベタ案件なのですが、これが読めないのってなんとなく悔しくありません? 英語なら少なくとも読むことはできるのに、ハングルとなるとただの記号にしか見えない。感動のシーンなのに、字幕を介して「そうなんだ」と感動することしかできない。せっかくならダイレクトに感動したい。

それ以前にも、例えば映画でタイトルが大写しになったときに読めないとか、看板の文字や新聞の文字が読めないとか、多少のもどかしさは感じていました。なのでわたしの学習動機は「読みたい」の一点です。

まずはハングルの読み方を知る

この時点で「ハン検」はまだ眼中にありません。本屋へ行き、それらしき入門本『1時間でハングルが読めるようになる本』を買ってきました。

こちらは、細かいことは置いといてとにかくハングルを読めるようにしてくれる本です。ハングルって子音と母音の組み合わせで成っていて、子音と母音さえ覚えればローマ字みたいに読めるんです。『愛の不時着』に計2回登場する背表紙芸から、もうひとつのほうを例に挙げてみましょう。

ドラマ『愛の不時着』より
ドラマ『愛の不時着』より

まず、真ん中の青い本。1文字目には「己」みたいなのと縦棒が並んでいますが、「己」みたいなのは「R」で、縦棒はそのまま「I」。続けて読むと「RI」つまり「リ」。そういう仕組みになってます。

または左端、薄緑色の本の1文字目には「人」みたいなのと「ト」みたいなのが並んでますね。「人」は「S」「ト」は「A」です。続けて読むと「SA」つまり「サ」。これはお馴染み「サランヘヨ」の「サ」だったりします。

といったことをこの本では「とりあえずざっくり簡単に」教えてくれるので、読み終えた頃には例の背表紙も読めちゃいます。こ、これは世界が広がる。大興奮の第一歩なのでした。

それが去年の11月ごろで、「ハン検」に目が向くのはだいぶ後の3月ごろ。たかが5級されど5級、まだまだ先は長くなりそうなので続きは別途書くことにいたします。