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主に映画の感想文を書いています

映画「地獄の花園(2021)」感想と、B'zファンによるLiSAさんの主題歌解説

映画「地獄の花園」ポスター久しぶりに映画館へ行きました。新作は一ヶ月以上観ていなかったようです。

とはいえ昨年の映画館断ちシーズンとは違い、さほど何の感慨もないのが我ながら寂しい。いかんいかん、こんなことじゃいかんのですけどね……。

さて、今回観た久々の新作映画は『地獄の花園』バカリズム脚本、永野芽郁さん広瀬アリスさんほか豪華キャスト山盛りなコメディ作品でございます。


バカリズムコメディが性に合う方であれば間違いなく好きなやつですし、基本この予告編の印象そのまんまなのでこのばかばかしさが楽しめそうだと思った方は期待どおりに楽しめることでしょう。わたしはめちゃめちゃ楽しみました。「和製ハーレイクイン」くらいには言ってもいい(新生スースク期待してる!)。

なお後半ではLiSAさんによる主題歌『Another Great Day!!』をB'zファン的に語っております。

いわば「極道OL日記」

『架空OL日記』というバカリズム脚本の作品があります。本、ドラマ、劇場版、と展開されてきたバカリ氏の代表作です。バカリズム扮する銀行OLのたわいもない日常をシュールに描いた“最高佳作”で大好きなのですが、本作はその系譜にある「OL日記もの」と言っていいでしょう。もう一本何か出したら「OL三部作」と呼ぶことにします。

今回『地獄の花園』で永野芽郁さんが演じるのは、『架空OL日記』に出てきそうなほうのOL。仲良しグループで日々のほほんと過ごしています。いっぽう社内には特攻服に身を包んだヤンキー派閥が複数あり、てっぺん目指してタイマン張りまくる日々。関わらないよう交わらないよう過ごしてきた永野芽郁さんですが、中途入社してきた最強OL広瀬アリスさんとうっかり打ち解けてしまったせいで抗争に巻き込まれ──。

とそんな感じの映画です。終始バカリズム節が炸裂しており、温度差の笑いはもはや様式美。ケジメつけるだの契り交わすだのコーヒー切れたから総務に連絡するだの最後の人は換気扇消すだのルミネだのOL修行だの、混じり具合のおかしみがもう大好き。バカリ氏の日常系コメディセンスは唯一無二です。

映像のテイストや劇伴がときにラブコメときにアクションときに感動系ときにバラエティ風とテンプレ的にころころ変わっていくのも面白いなあ上手いなあと思ったのですが、監督の関和亮さんは映画よりもMVなどを多く手掛けられている映像クリエイターさんなのですね。納得。(公式サイトWikipediaを見ると、そうそうたるお仕事!)

キャストの見どころとしては、ほんわか可愛い永野芽郁さんのビフォーアフターを筆頭に、あんなんゾッコン惚れてまう広瀬アリス様、ヤンキー系には定評のある菜々緒様に川栄ちゃん、口紅はみ出すぎな森三中大島さんに美味しいだけの松尾諭さん、美脚が隠せないエンケンさん、地上最強ヴィランOL小池栄子さん and more...。

んまあとにかく楽しい映画です。たまにはこういうのもいいよね、って感じの極みです。ばかばかしい映画を映画館の大音量でフハッと楽しむの、今きっと必要なエンタメだと思います。本能が欲したら、ぜひどうぞ。

(2021年77本目/劇場鑑賞)


Another Great Day!!

主題歌は今をときめくLiSAさん。そしてこの曲、TAK MATSUMOTOことB'zの松本孝弘さんが楽曲提供&サウンドプロデュースしております。あたくしかれこれ20年くらいB'zファンしておりますので、少し掘り下げておきましょう。

第一印象はまあとにかくTAK MATSUMOTO全部盛りと、B'zファンの誰もが思ったはず。笑っちゃうほどクセ全開です。ちょうどB'zが念願のサブスク解禁と相成ったタイミングですのでいろいろ紹介しちゃいますね。

※無料で聴けるSpotifyを貼りますが、ここに埋め込むと抜粋の試聴モードになってしまうようです。直接Spotifyに飛んで冒頭から聴いていただけると説明の意図に合います。


例えば、アルバム『ELEVEN』収録の『TOKYO DEVIL』を連想させるようなイントロから始まって……


同じく『ELEVEN』収録の『煌めく人』を思わせるラップ調のAメロ。


どの曲とは言い難いですがエレキシタールがオリエンタルなBメロ。この響きはB'zやソロ楽曲で頻出しますので、なんとなくどことなくB'zっぽいと感じる方も多いでしょう。


ワーミーというピッチ変化のペダルを使ったプレイもとても松本さんっぽいですね。最もメジャーなところではB'z『恋心』のイントロで使っている奏法ですが、近年は攻撃的なニュアンスで使っていることのほうが多いです。これはわたしが人生初の日本武道館で最初に聴いた曲。かっちょいい。


そして超キャッチーなサビ。ただしサビは個人的に、「B'zっぽい」というよりは「B'z以外の松本さんっぽい」。松本さんは1997年ごろに「七緒香(ななお-かおり)」さんという女性歌手をプロデュースしていたことがあるのですが、特にその雰囲気と通じるものがあります。懐かしい!まだこの感じ出るんだ!っていう嬉しさがありました。

七音

七音

  • アーティスト:七緒香
  • 発売日: 1998/01/28
  • メディア: CD

配信等はないので気になった方は探してみてください。

今いろいろ探していたら、アルバム『BIG MACHINE』収録の『CHANGE THE FUTURE』なんかもビートのノリは近いですねえ。


ちなみにそれもそのはずで、LiSAさんの『Another Great Day!!』とこの『CHANGE THE FUTURE』は同じドラマーのブライアン・ティッシーさんが叩いてます。ひとつ前の『Everything〜』もそうです。

今回ブライアンが叩いているというのはじつはさっきまで知らなくて。でもちょっと、っていうかかなり自慢なんですけど、利きドラム出来てました。

好きなだけある!(なお、わたしが一番好きなブライアンのプレイは『Seventh Heaven』です。スネアのタイミングに特徴があるので、そこに注目すると結構わかると思います)

といったところで映画『地獄の花園』、ぜひ主題歌にもご注目ください。そしてB'zサウンド懐かしいなと思ったらぜひ、各種サブスク解禁されましたのでお聴きください!

LADYBUG (通常盤) (特典なし)

LADYBUG (通常盤) (特典なし)

  • アーティスト:LiSA
  • 発売日: 2021/05/19
  • メディア: CD
LiSAさん、10周年の節目にB'zを思い出してくれてありがとうございます。嬉しいインタビューもありがとうございます!