353log

主に映画の感想文を書いています

映画「ワンダーウーマン1984(2020)」雑感|ガル・ガドット様への「好き」を再確認

f:id:threefivethree:20201220211718j:plain

DCエクステンデッド・ユニバース『ワンダーウーマン(2017)』の続編ワンダーウーマン1984を観ました。コロナ禍の延期に次ぐ延期でようやく!!という感がありますが、いざ観てみるとラストシーンがクリスマスだったりして、これって本来の6月に公開されてなくてむしろ良かったのではなんて思いました。さて、今回はこまごまと分けて書いていきます。

思い出深い一作目

前作の『ワンダーウーマン』を観たのは初のニューヨークひとり旅から後ろ髪引かれつつ帰る道中、飛行機の中。当時DCユニバースには食指が動かず、「こんなときじゃないと観ないしな」くらいの気持ちで観たらすごく面白くてですね。DCに対する偏見は空の上で消えました(でもよく考えると、飛行機が落ちたり沈んだり爆発したりする映画を機内で観たんだな)。

なお、二作目にもちょっとした思い出が

できました。金曜日に新作観に行くの久しぶりだな〜なんて思いながら最寄り駅で電車を待っていたら、来なくてですね。なんかどうやら、信号トラブルで長いこと止まってるらしいぞと。ええ、これ間に合わないじゃん。もう買っちゃってるのに。流すしかないか。そういえば去年もこの時期、急な忘年会で『スカイウォーカーの夜明け』流す羽目になったんだったなあ。

しかし、見切りをつけて改札を出ようとするとちょうど動き始めたとのアナウンス。これは。普段は憎っくき15分間の予告編が友となる瞬間ではないか。所謂「上映開始時間」から5分ほど過ぎた頃、映画館最寄りの駅を降り、転ばない程度に走り、秒で発券して「始まっちゃってますけど入れますかァァ」とお伺いを立て、暗闇に滑り込むとまさに予告編が終わる寸前。客入りが芳しくないおかげでど真ん中の席にもスムーズに到達し、全集中の呼吸でソフトに着席(鬼滅コミック履修中)、息も絶え絶えスクリーンに目をやるとワーナーのロゴ。わたしのために待っていてくれたようなワーナーのロゴ。ありがとうワーナーブラザース。感動しました。

前作を予習しておいたほうがいいタイプの「続編」

今回は全く復習せずに観たんですが、正直かなり前作の記憶が薄れてまして。感動すべきところで「誰?」とかなってたんで(わたしは人一倍そういうことをきれいに忘れる)(ていうかガル・ガドット様が全てだからオトコとかどうでもいいわけよ)、これははっきりと「予習復習しておいたほうがいいタイプの続編」であると、自戒も込めて書いておきます。

ワンダーウーマン(字幕版)

ワンダーウーマン(字幕版)

  • 発売日: 2017/10/27
  • メディア: Prime Video

で、『1984』鑑賞後に一作目、観直しました。面白かったという記憶だけは合ってた。やっぱ面白かったです。コメディとしてもよくできてるし(ロンドンデビューのあたりが大好き)、史実上の戦争を描いた作品としてもクオリティが高い。WW1だけに?第一次世界大戦が背景なのは辛うじて覚えてたけど、『1917 命をかけた伝令(2019)』『彼らは生きていた(2018)』なんかを観たあとだと、前線の塹壕とかすごいしっかり作り込んでるじゃんと驚いてしまいました。

ちなみに先に書いてしまうと本稿の方向としては「一作目のほうが好きだったな」ってところに行ってしまうんですけど、本当に一作目はよくできた映画なので「DCとかちょっと…」って方にこそおすすめしたいです。

1984』冒頭:SASUKE編

ここからは二作目『1984』について。今作はワンダーウーマン=ダイアナの幼少期パートから始まります。幼いダイアナを演じるリリー・アスペルさん、将来ガル・ガドットになるのも大いに納得のお顔立ちでめちゃくちゃいいんですよね。前作を観直したときに「同じ子じゃん!」ってびっくりしたんですけど、どんどん成長しちゃうお年頃だろうによく同じ雰囲気のまま撮れたものだなと思います。

この冒頭部で描かれるのは、まるで「SASUKE」からのトライアスロンみたいなエクストリーム競技大会……と思ったら本当にSASUKEからのインスパイアなんですって*1。予告で部分的に見たときは失笑だったんですが、ちゃんと観てみるとなかなかいいパートでした(前述の滑り込み芸で無駄に感動していたのもある)。観終わってから思うと、「ズルしちゃだめよ」っていう本作全体に通じるメッセージを最初に提示するところでもあったわけですね。

80'sファンタジーアドベンチャー

一気に時代は流れ(ダイアナ3000歳らしい*2)タイトル通りの1984年へ。パティ・ジェンキンス監督曰く明確に「80年代の映画を目指した」そうで*3、確かに間違いなく、漠然とした肌感覚だけど「あのへんの映画の感じ」がする映画でした。大いなる力を持つマクガフィンが登場する系の、ファンタジー寄りのアドベンチャー的な。そう、ああいうやつです、ああいうやつ。

バーバラっていうドジっ娘メガネちゃんが出てきてからはコメディ感も強まって特に「ああいう感じ」がすごいんですけど、と同時に前作のシックなカラーはどこへやらな別物感もすごくて少々戸惑いました。さらにこのバーバラってのがすごい豹変……文字通りのヒョウ変をしていくもんで原作ノータッチ勢としてはなんだかんだ最後まで戸惑ってた感あります。

わかる(でもあの超合金ガル・ガドット感は嫌いじゃない)。

ペドロさん大活躍なのはいいのだが

ゲーム・オブ・スローンズ』ファンとして嬉しいのは本作のヴィランペドロ・パスカルなことですね。しょぼい役なのかなと勝手にハードルを下げていたら、なんならダイアナを凌ぐ勢いの主役級で、でも最終的にはコリン・ファースとして見ていたので(似てる)あんまりペドロさんを観たという気がしていません。

そんでストーリーを追っていきますと、まずこのペドロさん演じるインチキ石油王マックスさんは「望みを何でもひとつ叶えてくれる石」とかいうゴリゴリなファンタジーアイテムに「あなたになりたい」とお願いして「望みを何でもひとつ叶えてくれる人」になっちゃう、と。

ダイアナも例外ではなく叶わぬはずの願いをうっかり叶えちゃって(カムバーック)、でもこれには「代償」が不可欠で、彼が世界中の私利私欲を叶えちゃったもんだから欲望の実現と代償の支払いで地球崩壊寸前みたいなことになって、だめだめだめみんな目を覚ましてーーー!!!と命からがらダイアナは世界に呼びかけます。

どうやらこの石は「もしもボックス」的なアイテムらしくて、願いを取り消せるみたいなんですね。でなんか、取り消すと「なかったこと」になっていく。極め付けに、諸事情あれどヴィランじゃろ、っていうマックスさんが全部「なかったこと」にして、心を入れ替えて息子と抱き合い、ハンス・ジマーが感動的な音楽を被せてくる。いや〜〜〜、この感じ、すげえきらい。なんか生理的にきらいな映画になっちゃった。最後で。

そのほかにも、そもそも「長い」とか(前作も長かったけど面白さのほうが勝ってた)、なかなか物語が進んでいかないとか、ジャンル映画ごっちゃ混ぜで何が何だかわかんなくなってるとか、ガル・ガドット様の活躍が少なくないですかとか、少しずつのマイナス要素が最後にグググッとまとめて押し上げられちゃったような感じでした。ワーナーごめんなさい、最後までは感謝が続かなかった。フォントサイズちっちゃくしておくんで……。

ガル・ガドット様は最高

ですが、お話はともかくとしてガル・ガドット様は今回も最高です。ほんっとうに素敵なお顔立ちをしておられる。本来わたしハデな顔はあんまり好みじゃないはずなのに、ガル・ガドット様にはなんでしょう、唯一無二の魅力を感じてなりません。こんなに好きだったんだなって再確認。特に印象的なのは透明ジェットでの笑顔かな〜〜。硬質な顔立ちと温かみを兼ね備えているのよね〜〜。好き〜〜〜。

こういう映画観るの、久々。

あとはやっぱりこれです。なんかこういうの久しぶりに観たなあって。それこそDCユニバースの前作『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒(2020)』あたりが最後じゃない??っていう。MCUも一段落してしまって「これ系」の作品を劇場では久しく観ていなかったので、懐かしく嬉しい気持ちになりました。ぐだぐだと文句を言えるのも贅沢な体験です。はい。

以上、ぐだぐだとした雑感でございました。「WW3」構想もあるようなので素直に楽しみです!

(2020年211・212本目/劇場鑑賞・PrimeVideo)