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主に映画の感想文を書いています

映画「ハンターキラー 潜航せよ(2018)」雑感|あのシーン、早っ!

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日本の戦争映画を続けざまに観ていたら潜水艦欲が高まってしまって、これを観るなら今じゃろということで観ました、ちょっと前の話題作『ハンターキラー 潜航せよ』。元原子力潜水艦艦長の方が書いたフィクション小説を原作としているそうです。

戦争映画やMGMミュージカル映画などで潜水艦のシーンを見ることはあっても*1、ジャンル映画としての「潜水艦映画」は初めてでした。水圧で外装がボコッと凹んだり、機雷に勘付かれないよう息を潜めたり、といったくだりはお約束らしいですが新鮮で楽しかったです。ちなみにわたしの潜水艦萌えポイントは「潜望鏡」なんですけど、そういえば一度も出てこなかった。もうあんな物理的にレンズ覗き込む時代じゃないのかな。

ストーリーは、あわや第三次世界大戦勃発か?!という米露の一触即発デフコン引き上げ祭りな状況で、イカした艦長率いるアメリカの原子力潜水艦が独断でロシアの艦長を救出したり、さらには軍事クーデターで監禁されたロシアの大統領までもネイビーシールズと一緒に救出したりと、いいことをしまくるお話。ご都合展開が山盛りなのに面白さのほうが上回るので終始うまいことドキドキハラハラさせられてコスパ良しです。

驚いた点がふたつ。まず、あのシーン早っ! 最近よくある驚き*2ですが(笑) とりあえず『ハンターキラー』といえば「艦内で腕組みしたまま傾いていく乗組員のアレ」を期待して観るじゃないですか。それめっちゃ序盤に来るんですね。しかも一瞬。作った側もあれがそんな有名シーンになるとは思ってなかったのかもしれない。

もうひとつは、意外と海中だけじゃない! 潜水艦映画って海中と艦内の閉塞感がウリなのかと思ってましたが、陸海空バリエーション豊富にあれこれ展開しちゃう、こんなのもありなんですね。単純に飽きる暇がなくてとてもよかったです。

潜水艦の出てくる日本の戦争映画『太平洋の翼(1963)』『太平洋奇跡の作戦 キスカ(1965)』なんてのを観たばかりだったので、ジェラルド・バトラー演じる叩き上げの艦長は三船敏郎に見えちゃうし、ぶつかるすれすれのところを慎重に進んでいく様は救出作戦であること含めてまさに『キスカ』の艦隊に見えちゃうし、映像は今風だけどやってることは大して変わらんなあと、いいのか悪いのか(まあ良くはなかろう)な楽しみ方をしてしまいました。

それにしてもこの行き当たりばったりな作戦、ロシアの艦長(北欧版『ミレニアム』シリーズのミカエル・ニクヴィスト!)助けてなかったら確実に詰んでるし、ゲイリー・オールドマン重要人物っぽい立ち位置だけど実質ヒステリー起こしてただけじゃんとか、いろいろアレではございます。

(2020年121本目/U-NEXT)

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わたしの潜水艦モノ原体験は、サンダーバード4号かなあ。藤子Fマンガも大きいんだよなあ。

*1:ミュージカル映画ではないですがフレッド・アステア主演(じゃなかった、主演はグレゴリー・ペックですな)のディストピア映画『渚にて』も潜水艦が印象的です。

*2:AKIRA』のバイクズサーーッ!が序盤だったり、『第七の封印』で死神とチェスをするシーンがもはやオープニングだったり、そんな事案が最近続いています。