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映画「第七の封印(1957)」雑感|意外とコメディタッチだったベルイマン作品

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イングマール・ベルイマン監督の『第七の封印』を観ました。休日の朝から頑張りました。

ベルイマン作品は何本か観てきましたが、まだ苦手という印象が強くてですね。この『第七の封印』も、有名な「死神とチェス」のシーン(きっとクライマックスだろう)を心の支えに、よ〜し頑張って観るぞ〜、と思っていたらチェス早っ!! ええ、ほぼオープニングシーンでしたね(笑) たまにあるんだよなこういうことが。『AKIRA』だってバイクズサーーッのシーン開始5分くらいだったしな……。

そんなわけで心の支えを早くも失くしつつ、しかし意外とコミカルな作品で楽しめました。まあチェスのシーンからして、「死神だぞ〜迎えに来たぞ〜」「待って、チェスで勝ったら勘弁して」「死神だから黒の駒がいい」みたいな、わりかし軽いんですよね。

ストーリーは、マックス・フォン・シドー演じる「死神に目をつけられた騎士」が、チェスで延命しながら道中いろんな人に出会い、奥さんの待つ家を目指すというもの。戦争帰りで疲れちゃった騎士は死を拒むというよりは「死んでもいいけど、せめてなんかもうちょい有益なことに人生使ってからにさせてよ」的なスタンス。死神のチェックメイトまでに、さて彼は少しでも有益なことに人生を使えるでしょうか? みたいなお話だったと思います。

ラスト、まとめてチェックメイトされちゃった人たちの畏怖に満ちた眼差しはむしろ解放された感じだったし(まばたきしないのがすごい)、死神から逃れることのできた一家の多幸感も非常に後味がよく、存外きれいにまとまった、いい映画(っぽさげな仕上がり)でした。

見どころとしては、これまで何度か拝見しているビビ・アンデショーンさんが今回は素朴に輝いてて可愛くて、『ウエストワールド』の無垢な頃のドロレスみたいだなあとか。ちょいちょい流れる歌が『シャイニング』のテーマと同じメロディだなあとか。疫病の蔓延で終末モードになってるのがまさかの共感ポイントだったりとか。ニガヨモギチェルノブイリだ! とか。

(2020年114本目/TSUTAYA DISCAS

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  • メディア: DVD