「ジュマンジ／ネクスト・レベル（2019）」雑感

f:id:threefivethree:20191215235638j:plain

名作『ジュマンジ（1995）』の続編『ジュマンジ／ウェルカム・トゥ・ジャングル（2017）』のさらに続編です。前作ラストでしっかり破壊されたはずの「ジュマンジ」がまた帰ってきてしまった…！

あらすじ

前作から数年後。地元で集まることになった“ジュマンジの一件”の4人組だったが、約束の時間になってもスペンサーが現れない。心配になり実家を訪れるもスペンサーはおらず、迎えてくれたのは彼の祖父エディと友人マイロだけだった。とその時、唐突に“太鼓の音”が鳴り響く。

音を追って地下室へ入ると、そこにはあの日壊したはずのゲーム機と「ジュマンジ」のソフトが。スペンサーは“この中”だ、と察した彼らは覚悟を決めて再びジュマンジに入る。しかし想定外のことが起きる。上の階にいた老人2名─エディとマイロ─まで道連れにしてしまったのだ。

とにかく『ジュマンジ』は面白い！

1995年の初代『ジュマンジ』が子供の頃から大好きだったため、一昨年の「続編」は嬉しさ半分、不安半分といったところでした。しかしご存知の通りあんな楽しい一本が出来上がってくれて大喜びしたわけです。そしたらまた続編ということで、今度こそ不安、というか期待値低めで臨んだのですが、ま〜〜楽しかった！もはやこのシリーズに何の不安もない！

現実世界がゲームの舞台となってしまう「初代」に対し、前作から登場した新世代型ジュマンジの特徴はプレイヤーたちがゲームの世界へ飛び込むというところ、そしてゲーム内では別の姿をした“キャラクター”として行動するところ、です。言ってしまえば「なんでもあり」。この設定の活かし方がめちゃくちゃうまい。どうやっても楽しい！

今回おもしろいのが、プレイ中にキャラクターが入れ替わるというイベント。ただでさえこの新世代型はまず現実世界の姿とアバターを結び付ける必要があるのに、そこからさらにシャッフルするわけです。いよいよ区別つかなくなるだろと。ところが案外分かるんですよね。役者さんの力と脚本・演出の力、それぞれの合わせ技です。匠の技です。ガンズの「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」が鳴り響くと共にお馴染みのキャラセレクトが復活するのもアガる！

また、前作でもチュートリアル的な「ゲームの説明」をうまくやっていましたが、今作では「おじいちゃんが紛れ込んじゃった」という設定を逆手にとって何度も繰り返し教えてくれるので、それこそおじいちゃんでも分かるんじゃないかなと思います。

ジュマンジスピリット健在

今時こんな映画も珍しいってくらい、かつての王道ハリウッドエンタメ大作を思わせる雰囲気が全編に漂っており、いいなあと。特に音楽が「ぽい」んですかね。砂漠！アラビアのロレンス！ みたいな感じ。たまりませんね。いかにも何かが起こりそうな、アラン・シルベストリ的な響きとかもね。

そして王道ということはもちろん「笑って泣ける」映画なわけです。いや結構これ、不覚にも泣かされてしまったな。始まった時点ではいまいち掴めないおじいちゃん達のエピソードがゲーム内で徐々に見えてきて──。自然な展開でとてもよかったと思います。叶うなら家族三世代とかで観るのもいいんじゃないでしょうか。上二世代ボロ泣きかも。

わからなくても支障のないパロディ

予告にあった「雪の壁」を見た時点でこれは「ゲーム・オブ・スローンズ」ネタが大いに盛られてくるのではとほぼ確信していましたが的中でした。IKEAのラグ臭がぷんぷんする衣装、壁登り、馬がドラゴン！（そうくるか！） …そして嬉しい予想外がラスボスのハウンド！高まっちゃって、室内シーンではスタバのカップを探してしまいましたよ（絶対あると思う）。

ただし例えば『ワイルド・スピード／スーパーコンボ（2019）』のように、知らないと意味がわからない固有名詞などを直接出してきたりはしないあたりが親切だと思うのです（ああいうのも大好物だけど）。知らなければただ気付かないだけで通り過ぎ、知っている人はそのぶんプラスで楽しめる、誰も損はしない。そこがよかったです。