2度目の「時計じかけのオレンジ(1971)」雑感
スタンリー・キューブリック監督の問題作「時計じかけのオレンジ」。初めて観たのは何年か前のことですが、今回「午前十時の映画祭」で取り上げられたので改めて向き合ってきました。
もともと印象は悪くなかった映画です。そのぶん、映画慣れしてきた今あらためて観ると逆に胸糞悪くなったりするのでは?などと思っていたものの、いやはや、初見時よりも数段おもしろく感じてしまいました。
観終わってTwitterに垂れ流した感想がなんかもうこれでいいじゃんという熱量だったので、今回はそのツイートを「セルフまとめサイト」して済まそうと思います(笑) では以下、どうぞ。
ホラーショーなシニーをビディーったツイット
午前十時の映画祭で「時計じかけのオレンジ」何年かぶり2回目の鑑賞。いやー…寸分の隙もなく面白かった…! こんな楽しく爽やかな気分で観終わっていい話じゃないはずなのに…! 晴れ晴れとした気持ちです。
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
「完璧に治ったね」で口角が上がったままエンドロールの「雨に唄えば」に突入して超ハッピーな自分がちょっと信じられませんでした。あと、劇中での「雨に唄えば」が意外とジーン・ケリーっぽい動き含んでるのやめて欲しかった(笑)
どこか近未来的に聞こえたドアのチャイム、再訪で「…第九じゃん!」って気付いてめちゃくちゃ気持ち良かった。
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
微妙に近未来感漂わせた「ピピピポーン」シュールだわーと最初は全く気付かず。うわ、なんだよ「運命」だったんじゃん最初から!!と飛び上がりそうな気持ちでした。運命だったかは知らんけど。
近くにあってくれてよかったポポラマーマ。こういう「食べたくなる映画」って少なからず狙ってそう。ステーキもだけど、かなり終盤で出てくるんだもの。食べたくなるに決まってる。 pic.twitter.com/WRf4O46wR3
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
スパゲッティが食べたくなる映画だったのですぐ食べました。先日「パルプフィクション」の記事で書いたのだけど、かつて「パルプフィクション」「時計じかけのオレンジ」「アメリ」の3本を“ジャケ借り”したわたし。チーズバーガー、スパゲッティ、クレームブリュレ。いずれも食べたくなる映画ばかり。
初見時も決して印象は悪くなかったんだけど、もっと奇抜な映画だと思ってた。表現が奇抜で過激なのは間違いないが、物語の運びは意外なほどシンプルだったのね。そして無駄がない。ダレない。
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
どうしたって強く印象に残る序盤の蛮行シーンは多分時間にしたらそこまで長くなくて、ただあまりにも蛮行の極みなのでもう沢山…ってなる。そこでお口直しとして刑務所のシーンを挟み、そして再び、というバランスの取り方が見事。本当によく考えられてる!
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
すごくシンプルで分かりやすい構成の映画だったというのが本当に意外でした。こんなに「観やすい工夫」の凝らされた作品とは。決して「意味不明な映画」の類いではない!
音楽の魅力で強引にもってく、というモリコーネ的な力技もダレなさに大きく繋がってる。威風堂々のマイナーなほうの楽章とか、普通にいい曲だからいい曲だな〜って聴いちゃう。観るに耐えないシーンにこそ喜劇的な音楽を当ててマイルド(?)にしてるのは言わずもがな。
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
マイナーなほうの楽章というのは第4番のこと(正確には楽章じゃないんですね)。わたしは威風堂々だとこれが一番好きです。しかしこのAppleMusicにある演奏、えらく淡白…。
そして今回あらためて思ったのは、アレックスめちゃくちゃかっこいい(笑) 野蛮な若者としてもスタイリッシュだし、囚人時代は文句のつけようもなくただただ格好良い。なんだあの制服、ずるいだろ。こりゃフォロワーも出ますわな。彼が主人公だからこそ最後まで“楽しんで”観れちゃうんだろうな…。
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
囚人時代のオープニングを飾る収監シーンも小気味良くて楽しい。あの一連のシーンが終わったところで思わず拍手をしたくなってしまいます、サー。
真正面で直視するのはキツいかなと思いつつ真正面の席を取ったけど、いやいや、キューブリックは真正面が大正解でした。シンメトリックだもの。忘れてた。映画館で観るキューブリック、こんな“いい”んだなー。家で観るのとは全然違う。
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
シンメトリック、具体的に言うと一点透視図法?のど真ん中に自分を置く、というのは映画館じゃないとなかなか体験できないことかも。映画のおもしろさも確実に数段上がりました。
アレックスは大人(親以外)の前ではナッドサット語をほとんど使わない。ガリバー痛だと親に言って学校を休んだあと、更生委員には頭痛と言う。ただ、使ってないつもりでもたまに混ざるのがおもしろい。極端すぎるようにも感じるナッドサット語だけど、「激おこプンプン丸」とかを思えば案外…。
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
この単語の意味はなんだろう…!っていちいち考えながら観ちゃう脳トレ感もダレさせない工夫なのかも。ちなみにスパチカはまんま「睡眠」でした。睡眠ねんね。
最初の台詞「おれがいた」も、最後の台詞「完璧に治ったね」も、両方最高に好き。もうそれ完璧な映画ってことじゃん。ここまですごい映画だとは思ってなかったな。
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
感服です。ほんと、非の打ち所のない作品だなと心から思ってしまいました。
「つけまを鏡に貼り付けて寝るアレックス」もかなりの萌えポイントですぞ。
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
ですぞ。意外とそういう設定が細かい!
こんな気付きも。
先日観たばかりなウディ・アレンの「人生万歳!」は「時計じかけのオレンジ」オマージュがあるのかも。どちらも第九の第二・四楽章が出てきて、運命がドアを叩く(ウディ・アレンは拳で、キューブリックはベルで)。どちらも窓から飛び降り自殺未遂をする。
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
ここまで重なると偶然じゃない気がします。連続して観たのも何かの運命。
正直もっと「うわ〜…」な気分で映画館を出ることになるつもりでいたのだけど、まったく逆だったな。これならウディ・アレン映画のほうがよっぽど胸糞悪く終わるわ(人生万歳!は違うけど。ブラックでありながら後味が良いのも共通点か。笑)
— 353 (@threefivethree) October 20, 2019
素晴らしき哉、ゴリ押しハッピーエンド作品!
というわけで以上、手抜きな感想記事、アピ・ポリ・ロジー。いやあ…使いたくなっちゃうんですよね、ナッドサット語。ほんと危険な映画です。好きです。
(2019年120本目/劇場鑑賞)
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