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主に映画の感想文を書いています

「スティング(1973)」ネタバレ雑感

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午前十時の映画祭」にて劇場鑑賞しました。恥ずかしながらタイトルすら知らなかったこの作品ですが、ネタバレ厳禁系の映画なので何も知らないのはむしろラッキーらしいです。

以下、ある程度のネタバレ含みます。

あらすじ

大物ギャングの手下に恩師を殺された主人公フッカーロバート・レッドフォードは、生前に恩師から紹介されていた凄腕ペテン師ポール・ニューマンの協力を得て壮大な復讐計画を決行する。

ジ・エンターティナー

映画の始まりとしては意外なほど軽く、おなじみのラグタイムが聞こえてくるオープニング。あ、これはきっとすごく軽快痛快なコメディが見れるのだわ、と高まる期待。ありそうでない独特の雰囲気。

「おなじみのラグタイム」とは言いましたが、この「ジ・エンターティナー」は本作での使用をきっかけに知られるようになった曲なのだそうです。もとは1902年に作られた曲で、日の目を浴びるのにじつに70年もの時間を要しているんですね。

実家がピアノ教室だったので、生徒たちが弾くたどたどしい「ジ・エンターティナー」を沢山聴いて育ちました。この再会により、曲のイメージがだいぶ塗り替えられてよかったです(笑)

「スティング」

『スティング』には「チクリと刺す」的な意味合いと、スラングとして「ぼったくり」的な意味合いがあるそう。

本作のタイトルはその両方合わせて「ペテンでトドメの一撃!」みたいなところかと。めっちゃ大掛かりな詐欺を仕組んで、にっくき野郎をギャフンと言わせてやろうぜ!というのがこの映画の筋です。

というわけでこの「大掛かりな詐欺」ですが、観客側にも教えてもらえない作戦が結構あるので、作戦の一部分は知ってるけど全貌は知らない状態で眺めてゆくことになります。で、痛快にしてやられて終わります。

これ、賭博場のシーンがすごい好きです。一世一代の大ペテンってここまでするんだな!という感動。何もない部屋に賭博場の「セット」を組んで、全員が仕掛け人で。「オーシャンズ」シリーズなどにも通じる、犯罪集団の「準備」の楽しさ。撤収の速さ!(好き)

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019)」で、すごく似たような騙しのシーンがあるんですよね。「もういいぞ」で全部ひっくり返して「イエ〜〜〜イ」みたいな。あのシーン、本作のオマージュなのかもしれません。それでいうと「ファー・フロム・ホーム」全体が「スティング」的展開だなとも思います。

電信賭博

本作の見せ場、電信賭博。なんじゃらほい、なんですけども。

調べたところ「電信競馬賭博」というのは、本作の舞台である1936年よりも10〜20年ほど前に流行ったギャンブル。国内で時差がある大国アメリカならではのアイデアで、遠地にて既に終わったレースの「結果速報」と実際の実況音声を組み合わせた、なかなか凝った擬似競馬体験みたいな感じ、かな?

インターネットやスマホのないこの時代、「速報」を知り得るのは電信の機器を持つ賭博場サイドの人間だけなので成り立つんですね。で、劇中では賭博場サイドのフッカーが勝ち馬情報をリークしたのでイカサマ大成功(表向きは)と。

全く馴染みのないギャンブルをトリックに使っていることで、エンタメ感が増しているのかもしれません。なんかすげえ、ってなるもの。

最後になってしまいましたがロバート・レッドフォードがめちゃくちゃ格好良いです。顔のラインはブラピ的、でもブラピほどアクがなくて完璧なイケメン。ぜひ、劇場で(笑)

(2019年115本目/劇場鑑賞)

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「午前十時の映画祭」期間中、最長10/31まで映画館で観れます!