353log

主に映画の感想文を書いています

「ワイルド・スピード SKY MISSION(2015)」雑感

f:id:threefivethree:20190816220637j:plain

ワイスピシリーズ7作目! 監督がジェームズ・ワンになってる!

MEGA MAX」以降ばっちり脂乗ってる状態なので存分に楽しませていただき、そして涙しました。そっか…。

ホブス&ショウ!

「ホブス&ショウ」は「スーパーコンボ」の原題ですが、やっとここまで辿り着きましたよ! 今作のオープニングバトルは満を持してのホブスvsショウ! ただ、この二人があんないい感じのバディになる未来は今のところ見えない…。

ショウにフルボッコされて入院しちゃったホブス。ドミニクを呼びつけ、「いいか、ショウなんか追うんじゃないぞ。絶対だぞ。(万が一見つけたら殺せ)」と囁いたところからのスタートです。ドウェイン・ジョンソンと入院がミスマッチすぎてシュール。

ミスマッチといえば序盤、すっかりパパになってスライドドアのミニバンを慎重に運転してるブライアンも笑いどころ。

「TOKYO DRIFT」との繋がり有

珍作「TOKYO DRIFT」から繋がってくる話が結構あったので、「マストとは思いません」なんて前回の感想で書いておきつつも、やはりまあ観ておいたほうがいい作品ということになりますね。

「EURO MISSION」での出来事をきっかけにハンは東京へ。その頃、本作の敵役デッカード・ショウは弟オーウェン・ショウ(「EURO MISSION」敵役)の敵討ちをするため、ホブスを筆頭にドミニクのファミリーたちにも手をかける。最初に犠牲となったのは東京のハン。遺品を取りに東京へ行くドミニク(「TOKYO DRIFT」ラストシーンからの、撮り下ろしorアウトテイクな新規シーン)だったが、帰ってきたドミニクの家には日本からの見知らぬ荷物とショウからの電話が……。といった調子。

出来の悪い子「TOKYO DRIFT」を最終的にそこそこ辻褄合うよう上手いこと前後の作品で料理してて、タイムスリップして全部なかったことにしちゃうような解決策を取るシリーズもの(XナントカMEN)もあるなか、愛を感じるシリーズです。

スカイミッション:インポッシブル

徐々に「っぽさ」が強まってきてはいましたが、今作で完全に「ミッション:インポッシブル」になりました。もうあの、中東のセレブな都市と、色合い質感、ドレッシーな服装。見たことある!!!(笑)

ワイスピらしく面白いのは、トム・クルーズっぽいことを全て車でやってるっていうところ。車ごとスカイダイビング(うける)。車ごとビル間をジャンプ(うける)。特にスカイダイビングはギャグでしかなくて最高。

そうそう、ちょっとしたサプライズで、今回の警護対象であるラムジーというハッカー、この人がまさかのミッサンデイfromゲームオブスローンズ! めっちゃ似てる人かなと思ったら本人だったので嬉しい。GOT脳だからラムジーっていう名前には敏感に反応してしまうけど…。

そして、涙。

ポール・ウォーカーが亡くなってしまうことは早い段階で知ってたんですよ。バイオグラフィに終わりがあったので。でもなんとなく次の「ICE BREAK」まではいる気がしていて。最後の最後、カメラがブライアンの車だけを追っていって、車がフレームアウトして空が広がって、「ポールに捧ぐ」。ここでやっと気付いたんですよ。呆然。

しかも、撮影中盤で亡くなっていたとは知らなくて。半分くらいはポールの弟さんたちやCGを駆使して完成させたというのを見てもっと驚いて。かなりの部分、ポールじゃないブライアンを見ていたのか…と。いや全然分からなかったですけどね。知らずに観て、結果的には良かったなと思いました。最後、窓から見せた笑顔が妙に昔っぽい笑顔だなとは感じたんだ。あれもそうだったのか…。

あのラストシーン、何が素晴らしいって、とってつけたようなものじゃないことですよね。このワイルドスピードシリーズとドミニクが第1作目から鬱陶しいくらいに言ってきた「大事なのは家族=ファミリーだよ」っていうことが、最上級に不本意なかたちではあるけれどここに繋がったんですよ。

これまでも、ド派手でアホスバカスなことをやっておきながら最後は結構ウェットに幸せ噛み締めたりして、もう足洗って家族のために生きようかなって実際そうしたりしてみて、食事の前には手を繋いでお祈りして、ずっとそんな人たちだったからこその、なんの違和感もないあのラストですよ。すごいですよね。

もはや現実と物語の境界が分からないけれど、それくらい出演者含む製作チームがファミリーじゃなかったらここまでの仕上がりにはならなかったはず。この件ばかりは、「ファミリー」とかいう言葉に草を生やせません。ブライアン、ミア、子供たち、どうかお幸せに。

そして、ポールの意志を継いだ次回作にも期待です。

(2019年85本目)