「ローマの休日(1953)」雑感
オードリー・ヘプバーンの代表的な作品は結構観てるほうだと思うんですが、「ローマの休日」は昔テレビで見たかな〜程度の、実質未見。今回「午前十時の映画祭」に取り上げられていたので、この機会に!ようやくしっかり拝見いたしました。
めっちゃ可愛い
なんとなく、なぜかなんとなく「ローマの休日」のヘプバーンはまだそこまで破壊的に可愛いわけではないと思い込んでいたわたし。いや破壊的に可愛いやんけ。
結構あれなんですよね、キービジュアルに使われるのってあんま可愛さのピークじゃないシーンだったりするんですよね。本作の場合は最初or最後の「王女」であるシーンもしくはベスパに二人乗りしてるシーンが多いかと。それじゃ、まだまだ可愛さが甘いわ。これよ。
髪を切る前、まだ袖をたくし上げる前、このヘプバーンが特に好き。もちろん切った後も可愛いけれど。アパートに帰ってきて一瞬だけ着てるガウン?姿とか、大使館に戻った夜の黒い衣装も麗しいけれど。一番長く着てるこのシンプルな服と長い髪が、わたし的には至高でしたね。
最近マリリン・モンローづいていたせいで、「裸で寝る人もいるわ」のセリフから思わずマリリンを連想。「シャネルの5番」発言はもうちょっと後のようですが。同年のマリリンは「紳士は金髪がお好き」で大ブレイクした頃。同じ時代に同じ業界で活躍していたとは想像しづらい二人です。
ヘプバーンはその黄金期があまりにも可憐だっただけに、痩せこけた晩年の姿を見てしまうとどうしても切なくなります。先日マリリン関連の記事で書いた「誰も老けたマリリンを知らないんですよ。晩年まで最高潮に可愛いんですよ。検索してもおばあちゃんのマリリン出てこないんですよ」っていうのは、ヘプバーンのことを思い浮かべていました。
みなまで言わない尊さ
ちょっと意外だったのが、お互いに素性を明かさないまま別れるところ。てっきりどこかで「そうだったのか」「そうだったのよ」なシーンがあると思い込んでました。最後に何か言いたかったかもしれないけどグッと堪え、王女様の休日を汚さないであげたジョーの優しさと強さが尊い。
最終的には記者会見で種明かしがされてしまうけれど、暗黙の了解で慎ましく振る舞う当事者たち。緊張感と静かなカタルシスのあるラストシーン、主要キャラ三人の演技に息を呑みます。質疑応答の体をした密かな気持ちのやり取り、記念写真を贈呈するアーヴィング(彼もエゴを捨てたのが泣ける! ネガは捨ててないと思うけど!)、口数少なく目を潤ますジョー。あれはグレゴリー・ペックの目頭と同調してしまうよ。
そんなわけで思っていたより単純ではない、絶妙な心理描写に痺れる作品でした。あと、記憶よりも王女がやんちゃしててウケました。一般市民の素質ある。
(2019年82本目/劇場鑑賞)
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