ブエノスアイレス恋愛事情(2011)
「さんごくん(と呼ばれがち、わたくし353のことである)こういう映画好きじゃない?」とおすすめされて、そんならばと早速観てみた作品。ブエノスアイレス生まれの監督が作ったアルゼンチン&スペイン&ドイツ合作映画、とのこと。
公式サイトによれば、原題になっている単語「medianeras」には【人をつなぐものであると同時に、人を隔てるもの】という意味があり、アルゼンチンにしかないニュアンスの言葉なのだそう。
なんかいろいろ自分の言葉で書いてみようと思うも、この公式サイトに載っている文章が比較的パーソナルな雰囲気なのでその引用にとどめます。
2003年のある日、ふと、『近所に住んでいるのに、互いを知らない男女』の物語を思いついた監督は、街の写真を撮りながら、建築が人々に影響を与えていることに気づき、「大都市に住む人々の疎外感と建築、バーチャルな時代との関係について語りたくなった」
タイトルは直感で「Medianeras」(共有壁、境界壁)。 「人をつなぐと同時に隔てるもの」
それは、ネットも同じ。つながっていても、コミュニケーションをとらない。傷つきやすくて人との関係を築けない。そんな2人の男女を主人公に、思うように行かない日常がユーモアを交えて描かれる。
そんな、お話(手抜き)。
建築がひとつの大きな要素になっているので、冒頭しばらくは「ブエノスアイレス住宅事情」が淡々と紹介され、へー、そういう感じなのね、と単純に深まるブエノスアイレス住宅事情への知見。「靴箱」なんて呼ばれ方もする小さな部屋で暮らす男女一名ずつにいつしかスポットが当たり、何か起きそうな気がするも、さほど劇的なことは起きない日常系映画。
やー、でもね、なんかよかったです。恋愛事情のほうは比較的どうでもいいんですけど、ふたりの一人暮らしっぷりがよい。居心地良さそうなレベルで雑然とした室内、寝る前に照明(無駄に多い)を何箇所も消すさま、コーヒーかなんか飲んでるさま、そういうのがいちいち好きでした。
わたしもすっかり一人暮らしが板についたタイプの人間だもんで、わりと同じような生活送ってるんですよ。一人暮らしの生活っぷりって、客観的に見たら絶対おもしろいんですよ。自分の物だけに埋め尽くされた真っ暗な部屋でプロジェクターにこの映画かけて観てる、そんな自分の一人暮らしっぷりもちょっと誇らしく思えてくるのでした。
まあ、このふたりの場合は人肌恋しいマンたちだから脱却したいんでしょうけども、その生活から。わたしゃそういう人たちの物語を客観的に見てる生活でとりあえずいいマンです。
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ふたりがそれぞれに観ていたこれ、観たい。嗚咽するほど泣けるやつなのだろうか。
(2019年36本目)
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