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主に映画の感想文を書いています

女王陛下のお気に入り(2018)

f:id:threefivethree:20190303200227j:plain エマ・ストーンの新作はパッと見「ベルばら」みたいな世界観のお話、あんまり興味のないジャンルだなとは思ったものの、FOXサーチライトは当たりが多いのでやっぱり観ておこうと行ってきました。近場ではやっておらず立川シネマシティへ。ここんとこ週一で通っている気がします。

映画って観ないとわかんないですよね、ほんと。すごい好きなやつでした。劇場で見逃さなくてよかったなあ。

物語の舞台こそ18世紀英国という時代劇ですが、実際どんなお話かというと女三人、策略と愛憎の三角関係。もっと雑に言っちゃえば百合トライアングル。はい、好きー。好きでーす。

国や政治のことはよくわからないアン女王と、女王を取り巻く二人の女性サラ&アビゲイル。この三人が物語の中心人物。なお、アン女王を演じるオリヴィア・コールマンは先日のアカデミー賞で主演女優賞を獲得! 素のお姿を拝見すると、女優さんって心底すごいなと思います。

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アン女王(右)、こんな毅然とした顔はレアです

エマ・ストーン演じるアビゲイルは侍女として宮廷にやってくるも、次第に狡猾さを身につけ、下克上を狙います。エマ・ストーンのこういう役、ほんっと、いい。美しさとブタっぽさを兼ね備えた稀有な女優と言えましょう。大好き。

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こういう映画ですよ

レイチェル・ワイズ演じる女王の側近サラもまた、サディスティックな視線が堪りません。「女もたまには愉しみたいの」とかもう惚れさす名台詞。「何か撃ちましょう」と射撃を嗜む姿も痺れてしまうし、わけありゴシック眼帯へのお色直しもやばい(「おしゃれ泥棒」のヘプバーンみたい)。

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たいへんな性癖クラッカー

結構いろいろと現代ナイズドされてるらしくて、18世紀英国にして「Fxxk!!!」と叫びまくるドレス姿のエマ・ストーンだったり、なんでも「サタデー・ナイト・フィーバー」のダンスをしているらしい舞踏会シーンのレイチェル・ワイズだったり、シュールでシニカルな笑いってこういうことね!と全力で納得できてしまうようなコメディです。細かくチャプター分けされているのも、本を読んでいる感覚でおもしろかったです。

ただ、これは監督の作風でもあるようなんですが後味がよくない(笑) 終盤にかけて不穏な空気をこれでもかと充満させて、おまけにエンドロールの後半は環境音を延々聞かされるという。一体これはなんだったんだろうとじっくり考えるにはいい時間でした(結論は出ず)。

その他のお気に入りポイント

なんといっても映像が綺麗! 単に映像というだけでなく、衣装や家具等のデザインや質感、暖炉のパチパチ燃える音、トータルで演出された空間がものすごく上質。そんなところでしょーもないコメディ展開が繰り広げられてたりするギャップもまた良いのです。

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このエマ・ストーンの衣装と佇まいめちゃくちゃ好き

全体的な質感は、「ゲーム・オブ・スローンズ」のそれに近いかなと。あの作品、ストーリーもさることながら映像の質感が大好きで。ねじまがった人間関係も含め、同作の王都=キングズ・ランディングあたりと非常に通じる雰囲気があります。

太陽の自然光か、ロウソクの灯火か、光源がその二択しかない感じもすごく印象的でした。昼間でも光の届かないところは暗い、あの感じ。あそこまで徹底しているのはあまり見たことないような気がします。魚眼や超広角レンズの使い方もいい塩梅。

めっちゃ変な映画だし、男たちはジェリクルキャッツだし、終盤よくわかんなくなってくるし、後味も悪いんですけど、鑑賞後数時間経って思い出すのはいいことばかり。ソフト買ってもいいレベルに好きな映画、だったかも、しれません。

(2019年23本目/劇場鑑賞) よく聞く「英国版大奥」って公式が謳ってたんですね。