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主に映画のあらすじと(まとまりのない)感想文

踊るアメリカ艦隊(1936)

ジンジャー・ロジャースと並ぶタップの女王エレノア・パウエル主演作。お相手は最近「素晴らしき哉、人生!(1946)」で観たばかりのジェームズ・ステュアート。

あらすじ(雑)

水兵と陸の女性たちによる、この当時よくあるラブストーリー。

本作の水兵さんたちは潜水艇の乗組員。潜望鏡でニューヨークの街を見るシーンは、ついつい「渚にて(1959)」を連想してしまいます。その場合、覗き見たサンフランシスコの街は死んでるんですけどね。一度観たら忘れられない、当時の超近未来ディストピア作品「渚にて」おすすめです。老いたアステアが出てまーす。いきなり違う作品の話しちゃった。

はじめてのエレノア・パウエル

エレノア・パウエルといったら「ラ・ラ・ランド(2016)」きっかけに知った「踊るニュウ・ヨーク(1940)」のイメージなんですが、有名なダンスシーンを動画で観たのみなんですよね(最寄りTSUTAYATSUTAYAディスカスで見つからないためとりあえず諦めている)。

てなわけでしっかり1本鑑賞したのは今回が初です。ついジンジャー・ロジャースと比べてしまうものの、調べてみるとそもそもの作品数がジンジャーより遥かに少ないんですね。

どう見ても圧巻だった「踊るニュウ・ヨーク」のエレノアに対し、本作のエレノアは個人的には地味に感じました。というのも、やはりエレノアの実力を引き出すパートナーの不在というところが大きいんじゃないのかなと思います。つまり「踊るニュウ・ヨーク」にはフレッド・アステアがいた、ということ。ジェームズ・ステュアートは残念ながらその役目は担えていない、ということ。かなと。もちろんソロダンスでも巧さは伝わってくるんですけど、やっぱりペアのダンスが見たいところでした。

女性陣の強さ

画面を持たせられるアステア的パートナーの不在ゆえなのか、本作は女性陣のキャラ立ちが妙にいいなという印象です。ヒロインのエレノアはもちろん、その親友となっていくウーナ・メルケル、ライバル役のヴァージニア・ブルース。この3人は比較的同じ密度を持ったキャラクターで、エレノア以外も脇役という感じがしません。こっちで画面を持たせようとしてる感じがします。

初登場からいきなり「私はオリーブのような女。いずれ好きになって」などといちいちパワーワードの多いウーナ・メルケル、よいキャラです。そしてヴァージニア・ブルース、トロっとした目つきにすっかりわたしやられてしまいました。好き…。「巨星ジーグフェルド(1936)」にも出てたということで、どの役だっけと思ったら「ケーキの頂上」か! そうか、こういう役が多いのだなあ…笑

インパクトという意味では、1回だけ登場したおしゃべりな受付嬢もいいキャラでしたね。昔のインカムすごいな!って思いました。1回だけといえばあの指揮者のくだりは見ごたえあるけど謎でした。

印象的なシーン

セントラルパークで歌い踊る「Easy to Love」のシーン、スタンダードになったという曲自体は知らなかったのですがシーンとしてはとてもムーディでよかったです。同じ夜のセントラルパーク、かつ似たような白のワンピース姿で華麗に踊るエレノアの姿は、シド・チャリシーとアステアが踊る「バンドワゴン(1953)」の名シーンを連想します、というかのちに影響されたのかもしれません。

それから、そうそう「ザッツ・エンタテインエント(1974)」で紹介されてたから観たかったんだわ、と思い出した最後の豪華絢爛なステージ。船の甲板と巨大な主砲のセットをバックに大勢のバンドを従えて超アメリカンなパフォーマンスを繰り広げるエレノア、さすがMGM!といった感じです。

などなど見どころはしっかりありますが、前述したように「フレッド・アステア×ジンジャー・ロジャース」を見慣れてしまっている身としてはパフォーマンス面をエレノア・パウエルひとりで担っている本作、やはりどこか物足りないかなあと思ってしまいました。パートナー、大事。

(2018年104本目)