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主に映画の感想文を書いています

パシフィック・リム:アップライジング(2018)

映画『パシフィック・リム:アップライジング』 大ヒット上映中!

2013年のヒット作「パシフィック・リム」の続編。公開日に鑑賞してきました。ネタバレ含みます。どちらかというと「う〜ん」寄りの感想ですので、前向きな内容を期待されている方にはごめんなさい。

あらすじ

前作から10年が経過した2035年。復興中の地球にまたしても“KAIJU=怪獣”が現れ、10年前の闘いで殉職したスタッカー司令官の息子ジェイクと訓練中の新世代パイロットたちは新型イェーガーで出撃する。

偉大なお父さんの後を継ぐことなく自由気ままに生きていた息子が、義姉の死や新世代パイロットたちとの出会いによって本来の道に立ち返る的なストーリーです。

老害的感想

少し前に初めて前作を観た程度のにわかですが、劇場の椅子に座ること数十分、コレジャナイ感でいたたまれなくなってしまいました。にわかなりに感じた違和感をつらつらと。


まず冒頭、廃品から小型イェーガーを作っている少女が登場します。とりあえずこのイェーガー、よく出来過ぎです。ただ小さいってだけで、本家イェーガーと何ら変わらぬインターフェース搭載してんじゃん! 相当ヤベえぞこの娘! しかも、予期せぬ客への抵抗としてやむなく起動するも「動いた! 動いたわ! やったー!」とか無邪気に喜んじゃってんの。試験運転すらしてない段階での実戦かよ! で、あんだけ問題なく動くのかよ! 都合が良すぎるわ! …なんか、なんだろう、元々リアリティはない話だと思うけど、それにしてもリアリティがないなあ……。

続けて本家イェーガー。こちらで思ったのはとにかく軽い! 前作は全体重を掛けて操縦するスタイルがとても良かったのですが、10年経って負荷を減らす技術が進歩したのでしょうか、めちゃくちゃ楽々と操縦してます。ん〜〜〜〜〜!!!!!(技術の進歩に対するジレンマ)


前作から引き継がれた数少ないキャラクター森マコさん。死んだ〜〜〜!!! 早っ。そんな早く、しかも内閣総辞職スタイルでの殉職。死の淵でもタブレットは手放さない現代っ子。いやはや、今回のマコさまはシュッとして格好良いなあ、せめてもの救いだなあと思っていた矢先のリタイアですよ。かなC。アジア系女性枠で選手交代する「悪人と見せかけてじつは善人」な中国人女性リーウェンさんもよかったですけどね(髪型がどんどん変わって最後にはワンレンになってるのが特によかった)。

マコと義理のきょうだいということになっている主役のジェイクは、どっかで見た顔だと思っていたら「スターウォーズ」Ep.7からのフィンだったんですね。今作の印象、個人的に「何一つ感情移入できなかった」と大酷評のEp.8とすごい似た感じなんですけど、もしかして脚本・演出以前にこのジョン・ボイエガさんがわたし苦手なのかなあ…。

今回、冒頭に挙げた少女をはじめとしてティーンなパイロットが何人も登場し、さして円熟してもいないジェイク先生が彼女らを戦場へと引率していきます。つまりわりとガキんちょたちの手にかかった闘いとなるわけで、やはりガキんちょがやりたい放題する「スパイダーマン:ホームカミング」と似た印象。お子様映画になってしまった…。夜の戦闘シーンが多かった前作と対照的に昼の戦闘がメインなのも、その要因の一つかなあ…。


さあそして、日本人なら突っ込まずにはいられない本作の最終決戦ステージ、東京。………ん〜〜〜〜〜!!!!! どこの東京だよ!! メガ東京か、そうか、そうなのか〜〜2035年のメガ東京は富士山へのアクセスがとてもいい!!!

東京を舞台に選んでくれたことはとってもとっても光栄だと思うのですが、フジヤマが目的地なんであれば、できればもう少し、都心部から離れていただけないでしょうか! 平野とか、ありません?! 富士山近づいちゃったからないのか!そうか!にしたって地殻変動がすごいな!

日本製のゴジラに東京を壊されるのとは全く違う「え〜ちょっと〜やめてやめて〜」な、ある意味で愛国心的な…?感情を抱いてしまったのが意外でした。こういう感情になるのか。大人気なくてちょっと自分が情けなくなる…。これはきっと楽しめない側にも問題があるでしょう…はい…。

疲れたのでネガティブな意見はこれくらいで…。

よかったところ!

真剣佑くん。地味な役でしたね!(よくない) かるた期待してたのにやってないじゃん!(よくない) さておき、最終決戦前の激励で「親が誰だとか関係ない」みたいなことをジェイク先輩から言われ、眼に力の入る真剣佑くん。千葉真一の息子として、きっと本人的にも気持ちのこもるシーンだったのではと思いました。

前作から引き続きの博士コンビ、ニュートン博士とハーマン博士。ニュートン博士は「あ、そういう」っていうやつでしたが(おうちで「彼女」とまぐわうシーンは作中いちばんクレイジー)、ハーマン博士は大抜擢レベルの活躍っぷり。イイネ! ふたりがエレベーター乗ってるシーンで流れる「イパネマの娘」がいわゆる「『時計じかけのオレンジ』における『雨に唄えば』」的アプローチでとても好みでした。

えーと、ポジティブな意見はこれくらいで…笑


というわけで、まあ「前作のどこに魅力を感じていたか」によって感想はだいぶ違うのかもしれませんが、個人的には「ん〜〜〜!!!」な続編でございました。以上、超乱文失礼いたしました。


(2018年73本目 劇場鑑賞)